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13話 セラフィーナの決意

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『ひゃっ……!』

するりと、セラフィーナの柔肌にルーチェの腕が滑り込んでくる。鎖骨を撫でるようにして、肩から胸部にかけてゆっくりとその泡を塗りたくっていく。

『やっ…前は…自分でやるよ…!///』

『だーめ。これしないと、私クビになっちゃうんだから。大人しくしてて』

『そんな…ああっ…!///』

ヌルヌルの腕はそのままゆっくりと身体を撫でるように滑り落ちていく。さわりさわりと、柔らかな身体に合わせるような優しい手つきで。そうして腰を洗うと、そのまま手は下へ下へと下がっていく。

『ほら、ここも洗うんだから。さあセラフィーナさん、足を広げて下さいな?』

『だ、だめ…ここだけは……///』

『あら。嫌がってるけど、こっちはそうじゃないみたいよ?』

『えっ…そ、そんなこと…///』

ぎゅっと太ももで固く足を閉じていたはずが、身体の方は心地よい肌触りのルーチェの指を受け入れてしまっていた。キュッと閉じられた足の隙間に、ルーチェの柔らかく細い指がするりと入り込んでいく。指は太ももをかき分け、目的の部分へとどんどん突き進んでいく。

『ふふ、身体は素直じゃないの。さあセラフィーナさん、力を抜いて下さい…』

『やっ…だめ…あっ!…だめぇぇぇっ!///』

顔を真っ赤にして身悶えるセラフィーナを、ルーチェはぐにーっと頬を引っ張って現実に引き戻していく。ハッと我に返ったセラフィーナに、ルーチェはざぱっと水をかけて泡を叩き落とす。

「何ぼーっとしてるのよ。また変な妄想でもしてた訳?」

「ふぇ!?し、してないです!///」

してました。と宣言しているようなものだが、まあそんないちいち目くじら立てるものでも無いだろう。セラフィーナはと言うと、ようやっと今までの『それ』は妄想で、現実では普通に身体を洗っていてくれただけだという事に気が付いた。

「ふーん。まあ良いけど…綺麗になったら湯船に浸かって。私は少し席を外すから、肩の力を抜いてのんびりすると良いわ」

「うん…ルーチェはこの後どうするの?」

「アンタの着替えを持ってくるのよ。可愛く飾ったげるから覚悟しなさい」

そう言ってウインクすると、せっせと更衣室の方へと向かってしまう。一人残されたセラフィーナだが、やっと一人で気楽になれる時間が出来た事をルーチェに感謝し、湯船にゆっくり浸からせて貰うことにした。

「はふぅ…湯加減も相変わらず最高…」

黄金色の髪をぷかぷかと湯船に浮かばせて、湯船いっぱいにその身体を漬け込む。夕陽が見える窓を覗き込んで、セラフィーナは今までの状況を整理することにした。

「えっと…まず僕は生き返って…」

死を免れ、再び現世に生き返った。細かい部分は異なるが、大筋はほぼ変わらない聖女としての人生を送ることになっている。

「王子様と婚約者になっちゃったのと…ルーチェが僕のメイドさんなのは驚いたな…」

前回と大きく違うのはやはりこの二点だろう。フランカ・デュジャルダンの存在もここで初めて聞いた事になる。前世では専属メイドさんなんて居なかったし、屋敷で働いているメイドさん達全員にぼちぼち手伝ってもらう程度だったはず。前世とあまりにも違いすぎて、正直比較するのは不可能に近い。

「ルーチェが味方についてくれたのは嬉しいけど…最初の問題点はやっぱりあの日だよね…」

当面の目標は、1週間後に迫る最初の魔力供与の日を乗り切ることだ。上手く結界を作動させられなければ、間違いなく死刑になってしまう。これを乗り切らない事には、この先どうするのか考えても無駄になってしまう可能性が高い。まずは何としてでも、結界を完成させるのだ。

「今度こそ生き抜くんだ…絶対に!」
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