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番外編 サブストーリー
30話「全てを照らす 最強の光輪」
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炎が宇宙へと立ち上り、凄まじい力を発揮する。高熱が辺りの岩石を融解させ、熱風が吹き荒れて周囲の魔物達を容赦なく焼き殺していく。だが、それほどまでの熱源の中でも、ストイユは涼しい顔でアクィオンを見つめていた。
「貴様は…貴様は許さん!我が正義を踏み倒すばかりか…その魔物共に加担するなど…!」
アクィオンが切りかかる。ストイユはそれを避ける。単純な作業が、淡々と繰り返される中で、ストイユは少しずつ飽きを感じていた。
「…退屈ね。もっと面白い相手はいないのかしら?」
「っ…!」
どうでも良さそうに、はぁっとため息をつくストイユ。それ程までに、二人には力の差が開いていた。
「(獅子を用いても…敵わぬとは…!なれば…)」
────ドシュッ!!
と。アクィオンは突然、自らの身体を炎で突き刺した。意外な行動にストイユも興味を示し、アクィオンの元へと歩み寄った。
「どうしたの?観念して、自殺でもしたのかしら?」
「ぐ、ふふ…貴様を殺す為の…準備だ…!」
────ビキビキッ!
アクィオンの足元にヒビが入り、下の火山へと続く大穴が切り開かれる。直後に足場が崩れ、ストイユとアクィオンは火口へ真っ逆さまに落ちていく。
────どぽん!
アクィオン最後の手段。それは、自らの命を燃やして、巨大な火山を自らの力へと変える事。あくまでも最終手段として用意していたのは、これを要すれば勝利した後に自らの身体が火山と一体化してしまうからだ。
「ふむ。面白そうじゃない。出てきなさい。相手してあげるわ。」
一方のストイユは、ようやく「相手になりそうな敵」の存在に興奮していた。何せ相手は、「星の力」を取り込んだ敵。自分達を支える強大な星の力の一端を、その身に宿しているのだから。
────ゴポゴポゴポッ!!
例えるならば、あの魔王サリィでさえ、畏怖するような程の魔力の増大量。強大な魔力を保有するには、相応の肉体を持ち得なくてはならない。
故に。
────ザパァァァッ!!!
「素晴らしい力だ…!火山とは…!我が身体に馴染む…!感じるぞ…大いなる炎…熱…何もかもを焼き尽くす程の!魔力を!力を!!!」
彼は最強であった。トモヤであっても、魔王には一人では敵わなかった。この地上で、彼に敵う者などもういないだろう。たった一人の、最強の戦士を除いて。
「貴様が調子づいて居られるのもこれまでだァ…!俺はこの力を使って…人類の存続を測る!」
「罪のない者を殺めてまで、人類を存続させて楽しいのかしら?」
「詭弁を吐くな!魔法使い如きが、神に等しいこの俺に向かって、指図するなッ!!!」
────ドガァッ!!
神速の打撃。ストイユは平然とした顔でそれを受け止めるが、その顔から余裕が少し消え失せていた。マグマの力を燃焼させる事で真価を発揮するアクィオンの炎の拳。それで溶かせないものなど、もうこの世には存在しない。
────ドガガガガガッ!!!
更に乱打。ストイユはそれを的確な動きで捌きながら、高速で火口内を飛行する。近接戦では、僅かだがアクィオンに優勢な事に気が付いていたからだ。
「逃がすかぁっ!」
────ビシュン!!
瞬間移動。背後へと回られたストイユだが、難なく足蹴りで対応し、全ての攻撃を受け流していく。
「どうした、防御の手が緩んでいるぞォ!!!」
────ビシュン!
更に、アクィオンはストイユの上空へ回り込み、殴りつけて下へと叩き落とす。ストイユはそれを足で受けながら、凄まじい勢いで火口へと沈んでいく。
「その程度で死ぬ貴様では無かろう!上がって俺と勝負するが良い!」
────ブバァァァッ!!
マグマが引き裂かれ、そこからストイユが浮かび上がってくる。マグマによる焼け傷は当然の事、アクィオンに殴られた際の傷さえ身体にはついていなかった。
「面白い。軽く遊んであげるわ。さあ、勝負よ。」
「強がりを…消えろッ!!!」
────ビュッ!
────ガッ!
────ドゴォッ!!
と。打撃による応戦が続く。だが、ストイユは全く表情を崩さない。楽しそうに薄ら笑ったまま、アクィオンと応戦を続けている。
「はァ…はァ…!」
「まあまあ、面白かったわ。お礼に、私も魔法を使って戦ってあげる。」
「なに…!?」
と、ストイユが手を翳すと、アクィオンの身体は遥か後方へと吹き飛ばされる。アクィオンが自らの身体を見ると、凄まじい鋭さを誇った氷塊が、ぐっさりと自分の胸に突き刺さっているのだ。
「無言詠唱…!」
「今のはサービスよ。それじゃ、避けきってみせなさい。」
────キュイイイイン!
即座に、ストイユの背後から凄まじい数の魔法陣が現れ、そこから氷、土、風と。様々な魔法が打ち出される。
「がぁぁぁっ!?」
────ドビシュッッ!!!
それら一つ一つが、最強クラスの魔法であるのだ。マグマの力を纏っているアクィオンでさえ、それらを防ぎ切ることは至難の業だ。
「ぐぉぁぁぁぁ!!!」
────ブバァッ!!
マグマの力を取り込み、全ての魔法を弾ききるアクィオン。ギリギリのところで打ち勝って安堵していたが。
────ドシュッ!!!
「が……!?」
ところが。魔法を受け切ったその直後に、光の刃がドスッと自らの腹を貫いて、身動きが取れなくなっていた。ぶすんぶすんと腹から溢れ出るマグマを横目に、ストイユを睨み付ける。
「お見事お見事。退屈しのぎにはなったわ。」
「貴様…わざ…と…!」
「さあね。でも、どうせ貴方は消えるのだから、少しでも楽しめた方が良いでしょ?」
「な…にを…!」
アクィオンが喋るよりも速く、剣は身体を空へと打ち上げる。剣が身体から抜けたかと思うと、光の剣が三度、瞬く間に身体を貫いていく。
「が…!?」
「さようなら、アクィオンさん。結構楽しかったわ。」
『魔宝輝石閃光』
────ゴオオオオオオッ!!!!!!
剣を腕から切り離したと同時に両手に魔力の玉を形成する。それは炎をかき消さんとばかりに凄まじい勢いで輝き出し、その腕にエネルギーを蓄積させていく。
「これで…終わりよ。」
────カァァァァァァァァァァッ!!!!!!!
そして。宇宙へと伸びる恐るべき閃光が、火口から一気に放出された。閃光は雲を引き裂き、大気圏を超え、遥か彼方の宇宙の星へと叩きつけられて、大爆発を起こした。
「沢山の命を奪った報いよ。せいぜい、あの世で後悔なさい。」
「貴様は…貴様は許さん!我が正義を踏み倒すばかりか…その魔物共に加担するなど…!」
アクィオンが切りかかる。ストイユはそれを避ける。単純な作業が、淡々と繰り返される中で、ストイユは少しずつ飽きを感じていた。
「…退屈ね。もっと面白い相手はいないのかしら?」
「っ…!」
どうでも良さそうに、はぁっとため息をつくストイユ。それ程までに、二人には力の差が開いていた。
「(獅子を用いても…敵わぬとは…!なれば…)」
────ドシュッ!!
と。アクィオンは突然、自らの身体を炎で突き刺した。意外な行動にストイユも興味を示し、アクィオンの元へと歩み寄った。
「どうしたの?観念して、自殺でもしたのかしら?」
「ぐ、ふふ…貴様を殺す為の…準備だ…!」
────ビキビキッ!
アクィオンの足元にヒビが入り、下の火山へと続く大穴が切り開かれる。直後に足場が崩れ、ストイユとアクィオンは火口へ真っ逆さまに落ちていく。
────どぽん!
アクィオン最後の手段。それは、自らの命を燃やして、巨大な火山を自らの力へと変える事。あくまでも最終手段として用意していたのは、これを要すれば勝利した後に自らの身体が火山と一体化してしまうからだ。
「ふむ。面白そうじゃない。出てきなさい。相手してあげるわ。」
一方のストイユは、ようやく「相手になりそうな敵」の存在に興奮していた。何せ相手は、「星の力」を取り込んだ敵。自分達を支える強大な星の力の一端を、その身に宿しているのだから。
────ゴポゴポゴポッ!!
例えるならば、あの魔王サリィでさえ、畏怖するような程の魔力の増大量。強大な魔力を保有するには、相応の肉体を持ち得なくてはならない。
故に。
────ザパァァァッ!!!
「素晴らしい力だ…!火山とは…!我が身体に馴染む…!感じるぞ…大いなる炎…熱…何もかもを焼き尽くす程の!魔力を!力を!!!」
彼は最強であった。トモヤであっても、魔王には一人では敵わなかった。この地上で、彼に敵う者などもういないだろう。たった一人の、最強の戦士を除いて。
「貴様が調子づいて居られるのもこれまでだァ…!俺はこの力を使って…人類の存続を測る!」
「罪のない者を殺めてまで、人類を存続させて楽しいのかしら?」
「詭弁を吐くな!魔法使い如きが、神に等しいこの俺に向かって、指図するなッ!!!」
────ドガァッ!!
神速の打撃。ストイユは平然とした顔でそれを受け止めるが、その顔から余裕が少し消え失せていた。マグマの力を燃焼させる事で真価を発揮するアクィオンの炎の拳。それで溶かせないものなど、もうこの世には存在しない。
────ドガガガガガッ!!!
更に乱打。ストイユはそれを的確な動きで捌きながら、高速で火口内を飛行する。近接戦では、僅かだがアクィオンに優勢な事に気が付いていたからだ。
「逃がすかぁっ!」
────ビシュン!!
瞬間移動。背後へと回られたストイユだが、難なく足蹴りで対応し、全ての攻撃を受け流していく。
「どうした、防御の手が緩んでいるぞォ!!!」
────ビシュン!
更に、アクィオンはストイユの上空へ回り込み、殴りつけて下へと叩き落とす。ストイユはそれを足で受けながら、凄まじい勢いで火口へと沈んでいく。
「その程度で死ぬ貴様では無かろう!上がって俺と勝負するが良い!」
────ブバァァァッ!!
マグマが引き裂かれ、そこからストイユが浮かび上がってくる。マグマによる焼け傷は当然の事、アクィオンに殴られた際の傷さえ身体にはついていなかった。
「面白い。軽く遊んであげるわ。さあ、勝負よ。」
「強がりを…消えろッ!!!」
────ビュッ!
────ガッ!
────ドゴォッ!!
と。打撃による応戦が続く。だが、ストイユは全く表情を崩さない。楽しそうに薄ら笑ったまま、アクィオンと応戦を続けている。
「はァ…はァ…!」
「まあまあ、面白かったわ。お礼に、私も魔法を使って戦ってあげる。」
「なに…!?」
と、ストイユが手を翳すと、アクィオンの身体は遥か後方へと吹き飛ばされる。アクィオンが自らの身体を見ると、凄まじい鋭さを誇った氷塊が、ぐっさりと自分の胸に突き刺さっているのだ。
「無言詠唱…!」
「今のはサービスよ。それじゃ、避けきってみせなさい。」
────キュイイイイン!
即座に、ストイユの背後から凄まじい数の魔法陣が現れ、そこから氷、土、風と。様々な魔法が打ち出される。
「がぁぁぁっ!?」
────ドビシュッッ!!!
それら一つ一つが、最強クラスの魔法であるのだ。マグマの力を纏っているアクィオンでさえ、それらを防ぎ切ることは至難の業だ。
「ぐぉぁぁぁぁ!!!」
────ブバァッ!!
マグマの力を取り込み、全ての魔法を弾ききるアクィオン。ギリギリのところで打ち勝って安堵していたが。
────ドシュッ!!!
「が……!?」
ところが。魔法を受け切ったその直後に、光の刃がドスッと自らの腹を貫いて、身動きが取れなくなっていた。ぶすんぶすんと腹から溢れ出るマグマを横目に、ストイユを睨み付ける。
「お見事お見事。退屈しのぎにはなったわ。」
「貴様…わざ…と…!」
「さあね。でも、どうせ貴方は消えるのだから、少しでも楽しめた方が良いでしょ?」
「な…にを…!」
アクィオンが喋るよりも速く、剣は身体を空へと打ち上げる。剣が身体から抜けたかと思うと、光の剣が三度、瞬く間に身体を貫いていく。
「が…!?」
「さようなら、アクィオンさん。結構楽しかったわ。」
『魔宝輝石閃光』
────ゴオオオオオオッ!!!!!!
剣を腕から切り離したと同時に両手に魔力の玉を形成する。それは炎をかき消さんとばかりに凄まじい勢いで輝き出し、その腕にエネルギーを蓄積させていく。
「これで…終わりよ。」
────カァァァァァァァァァァッ!!!!!!!
そして。宇宙へと伸びる恐るべき閃光が、火口から一気に放出された。閃光は雲を引き裂き、大気圏を超え、遥か彼方の宇宙の星へと叩きつけられて、大爆発を起こした。
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