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番外編 サブストーリー
25話「炎王の意思」
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「くはははははっ!!」
炎の魔法陣が描かれ、4人に向かって攻撃が放たれる。今までの攻撃とはまるで違う、全てにおいて逸脱した威力の攻撃。魔法少女達も、それを防ぎきるので精一杯だ。
「く…!」
「ガイアの言っていた通り…半端ない強さだ…!」
魔法少女達は、アクィオンに近寄ることすらままならない。炎の奥では、高笑いを上げているアクィオンの姿が影を見せている。
「どうした?その程度か?魔法少女!」
「負けない…!」
ユリネは炎を掻い潜り、真っ直ぐに飛び出してアクィオンの方へと突き進んでいく。後ろの仲間達が制止していたように見えたが、ユリネの耳には届いていなかった。
「アクィオン!」
「ほう?向かってくるか!」
────ガッ!!
と。拳が打ち合わされる。凄まじい衝撃波が辺りに撒き散らされ、バラバラと塔の足場が崩されていく。
「何故…!何故魔物達を殺したの!皆、生きていたのよ!」
「愚問だな。魔物とは、『魔』たる『物』の意味だ。人に害を成すから魔物と呼ばれるのだ!それを滅し、人類に平和をもたらすのが、我々人類の務めであろう!」
「魔物達は改心した!殺す必要なんてない…!」
「黙らんか下郎!魔物によって、多くの人々が死に至らしめられた!それに報復する事が悪か!?失った悲しみを投げ捨ててまで、魔物共と共存する事が正義か!?」
────ドガァァッ!!
「ぐっ…!」
西の大陸は、魔物によって多くの人々が惨殺された。ハルバトルソと違い、ギルドも無いため、人々は魔物に怯えながら暮らすより他になかった。犠牲者の数も、他より遥かに多いだろう。
「理想を語るのは良いが…理想の為に民の想いを踏み躙るのは、王として愚の骨頂である。隣の大陸がどうあれ…我らは魔物を討ち滅ぼすのみ!」
炎の王は立ち上がり、魔法少女達を蹂躙していく。魔法も。剣戟も。何もかもを炎で叩き落とし、全てを焼き尽くしていく。
「ううっ…!」
「そん…な…」
「くっ…!」
「…っ……」
魔法少女達は、疲労困憊の状態で必死に立ち上がっていた。巻き上がる炎を止める為に。魔物達を、これ以上傷付けない為に。
「くくく。終わりだな。」
「まだ…です…!」
「そうよ…私達はまだ、戦える!」
「…そうだな。」
「私達は…諦めない…!」
そして、四人は力を一つにし、手を掲げる。魔力が集まり、ひとつに集約していくのだ。
『皆様、魔力を私の方へ!』
アルケリオが飛び出し、魔力をその身に集めていく。魔法少女達の、最後の奥義。合体技だ。
「む…?」
その魔力に、アクィオンは警戒の色を強める。自分並に強大な魔力が、目の前で発生しているのだ。
『今です!』
「「「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」
────ビシューン!!
魔力が解き放たれ、ハート型のレーザーが瞬く間に相手を貫き、撃ち抜いていく。レーザーはそのまま真っ直ぐに天へと伸び上がり、爆発を起こす。
炎の魔法陣が描かれ、4人に向かって攻撃が放たれる。今までの攻撃とはまるで違う、全てにおいて逸脱した威力の攻撃。魔法少女達も、それを防ぎきるので精一杯だ。
「く…!」
「ガイアの言っていた通り…半端ない強さだ…!」
魔法少女達は、アクィオンに近寄ることすらままならない。炎の奥では、高笑いを上げているアクィオンの姿が影を見せている。
「どうした?その程度か?魔法少女!」
「負けない…!」
ユリネは炎を掻い潜り、真っ直ぐに飛び出してアクィオンの方へと突き進んでいく。後ろの仲間達が制止していたように見えたが、ユリネの耳には届いていなかった。
「アクィオン!」
「ほう?向かってくるか!」
────ガッ!!
と。拳が打ち合わされる。凄まじい衝撃波が辺りに撒き散らされ、バラバラと塔の足場が崩されていく。
「何故…!何故魔物達を殺したの!皆、生きていたのよ!」
「愚問だな。魔物とは、『魔』たる『物』の意味だ。人に害を成すから魔物と呼ばれるのだ!それを滅し、人類に平和をもたらすのが、我々人類の務めであろう!」
「魔物達は改心した!殺す必要なんてない…!」
「黙らんか下郎!魔物によって、多くの人々が死に至らしめられた!それに報復する事が悪か!?失った悲しみを投げ捨ててまで、魔物共と共存する事が正義か!?」
────ドガァァッ!!
「ぐっ…!」
西の大陸は、魔物によって多くの人々が惨殺された。ハルバトルソと違い、ギルドも無いため、人々は魔物に怯えながら暮らすより他になかった。犠牲者の数も、他より遥かに多いだろう。
「理想を語るのは良いが…理想の為に民の想いを踏み躙るのは、王として愚の骨頂である。隣の大陸がどうあれ…我らは魔物を討ち滅ぼすのみ!」
炎の王は立ち上がり、魔法少女達を蹂躙していく。魔法も。剣戟も。何もかもを炎で叩き落とし、全てを焼き尽くしていく。
「ううっ…!」
「そん…な…」
「くっ…!」
「…っ……」
魔法少女達は、疲労困憊の状態で必死に立ち上がっていた。巻き上がる炎を止める為に。魔物達を、これ以上傷付けない為に。
「くくく。終わりだな。」
「まだ…です…!」
「そうよ…私達はまだ、戦える!」
「…そうだな。」
「私達は…諦めない…!」
そして、四人は力を一つにし、手を掲げる。魔力が集まり、ひとつに集約していくのだ。
『皆様、魔力を私の方へ!』
アルケリオが飛び出し、魔力をその身に集めていく。魔法少女達の、最後の奥義。合体技だ。
「む…?」
その魔力に、アクィオンは警戒の色を強める。自分並に強大な魔力が、目の前で発生しているのだ。
『今です!』
「「「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」
────ビシューン!!
魔力が解き放たれ、ハート型のレーザーが瞬く間に相手を貫き、撃ち抜いていく。レーザーはそのまま真っ直ぐに天へと伸び上がり、爆発を起こす。
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