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番外編 サブストーリー
19話「二つ目の柱」
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『魔戒の消滅を確認。武装解除致します。』
トレファの服が元に戻り、発生していた水の魔力が分散して消滅する。
「ふう。綺麗に決まったわね。」
「す、凄いです…!トレファさん!どうして魔法少女になれたんですか!?」
「ふふ、それはね…」
────
実は、事が起こる数時間前。スジンで空を飛んでいる際に、トレファもまた、どうやって魔法少女になれるのか、ステッキに聞いていたのである。
『でしたら、簡単です。魔法少女は適正レベルが決まっており、そのレベルを越えられてかつ、「少女」であれば変身する事が可能です。トレファ様も、イチゴ様も、規定のレベルに到達している為、変身が可能です。』
「なるほどね。…それじゃあ、なれるようにしておいて貰えないかしら?」
『承知致しました。…スフレ様より多少力は劣りますが、よろしいですか?』
「戦えないよりはよっぽど良いわ。でしょ?」
「ああ。たとえ今より力がおと劣ろうとも、役に立てぬよりは余程良い。やってくれ。」
『…お二人の覚悟、しかと認めました。では、魔法少女へ変身する手続きを始めます…』
────
「…って訳なのよ。」
「ええーっ!?と、ということは、イチゴさんも…?」
「…ああ。最も、まだ変身した事は無いが。トレファも、今回の変身がぶっつけ本番だっただろう。」
「す、凄いです…!お二人共…!」
という事は、このパーティにおいて、魔法少女は三人いる事になる。魔戒に対抗するには十分な戦力になるだろう。
「…良いな…二人とも…」
と、その後ろでぶーたれるユリネ。どうも、このパーティに来てからメンバーに置いていかれている気がするのだ。
『宜しければ、ユリネ様もなってみますか?魔法少女。』
「…私が…なれるの?」
『レベルは足りませんが…未完成のまま、変身するという手もあります。』
「未完成…?」
『はい。契約のみを事前に施して、力が規定に達した際に即座に魔法少女の力が発案します。如何でしょうか?』
「…それなら…やる…置いてけぼりは…嫌だし…」
自分も役に立つ。そう決意して、ユリネは仮の契約を結ぶ事にした。
────
その翌日。二つ目の柱を目指して、スフレ達は再びスジンで空を飛んでいた。
「そう言えば、ステッキさん。」
『なんでしょうか。我が主。』
「あなたは何者なんですか?突然、私の前に現れて…私を魔法少女に変えてくれて…色々と、謎ですよね。ステッキさんって。」
じーっと、アルケリオを見つめるスフレ。
『私は、ただのステッキですよ。魔戒に世界が滅ぼされそうな時に現れる、ただのマジカルステッキです。』
「そうなんですか…では、どうして私の前へ…?」
『…それは、お話できません。それより、前をご覧くださいませ。』
「前…?」
下を見下ろすと、背の低い草の茂る小さな平原が広がっていた。地図は、この平原を指し記している。
「あの平原に柱の魔物が…?」
『はい。着陸をお勧めします。』
「わかりました!では、参りましょうか!」
スジン達は、二つ目の柱を守護する魔物のいる平原へと降り立った。
トレファの服が元に戻り、発生していた水の魔力が分散して消滅する。
「ふう。綺麗に決まったわね。」
「す、凄いです…!トレファさん!どうして魔法少女になれたんですか!?」
「ふふ、それはね…」
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実は、事が起こる数時間前。スジンで空を飛んでいる際に、トレファもまた、どうやって魔法少女になれるのか、ステッキに聞いていたのである。
『でしたら、簡単です。魔法少女は適正レベルが決まっており、そのレベルを越えられてかつ、「少女」であれば変身する事が可能です。トレファ様も、イチゴ様も、規定のレベルに到達している為、変身が可能です。』
「なるほどね。…それじゃあ、なれるようにしておいて貰えないかしら?」
『承知致しました。…スフレ様より多少力は劣りますが、よろしいですか?』
「戦えないよりはよっぽど良いわ。でしょ?」
「ああ。たとえ今より力がおと劣ろうとも、役に立てぬよりは余程良い。やってくれ。」
『…お二人の覚悟、しかと認めました。では、魔法少女へ変身する手続きを始めます…』
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「…って訳なのよ。」
「ええーっ!?と、ということは、イチゴさんも…?」
「…ああ。最も、まだ変身した事は無いが。トレファも、今回の変身がぶっつけ本番だっただろう。」
「す、凄いです…!お二人共…!」
という事は、このパーティにおいて、魔法少女は三人いる事になる。魔戒に対抗するには十分な戦力になるだろう。
「…良いな…二人とも…」
と、その後ろでぶーたれるユリネ。どうも、このパーティに来てからメンバーに置いていかれている気がするのだ。
『宜しければ、ユリネ様もなってみますか?魔法少女。』
「…私が…なれるの?」
『レベルは足りませんが…未完成のまま、変身するという手もあります。』
「未完成…?」
『はい。契約のみを事前に施して、力が規定に達した際に即座に魔法少女の力が発案します。如何でしょうか?』
「…それなら…やる…置いてけぼりは…嫌だし…」
自分も役に立つ。そう決意して、ユリネは仮の契約を結ぶ事にした。
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その翌日。二つ目の柱を目指して、スフレ達は再びスジンで空を飛んでいた。
「そう言えば、ステッキさん。」
『なんでしょうか。我が主。』
「あなたは何者なんですか?突然、私の前に現れて…私を魔法少女に変えてくれて…色々と、謎ですよね。ステッキさんって。」
じーっと、アルケリオを見つめるスフレ。
『私は、ただのステッキですよ。魔戒に世界が滅ぼされそうな時に現れる、ただのマジカルステッキです。』
「そうなんですか…では、どうして私の前へ…?」
『…それは、お話できません。それより、前をご覧くださいませ。』
「前…?」
下を見下ろすと、背の低い草の茂る小さな平原が広がっていた。地図は、この平原を指し記している。
「あの平原に柱の魔物が…?」
『はい。着陸をお勧めします。』
「わかりました!では、参りましょうか!」
スジン達は、二つ目の柱を守護する魔物のいる平原へと降り立った。
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