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番外編 サブストーリー
16話「アクィオンの結界」
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その日の晩。スフレ達はアクィオンの使徒である魔戒を討伐した礼として、街の宿屋を無料で提供された。村民は皆、スフレ達を大歓迎で出迎え、小さな祝賀会まで開かれた。
「本当に、ありがとうございます。私達は、あの女に日々怯えて暮らしていました…少しでも情報を吐けば、殺されると女に脅されていたのです…」
村長がスフレ達に語りかける。その顔は、安堵一色にすっかり染っていた。
「いいえ。大丈夫ですよ。私達は、やるべき事をしただけですから。」
ニコニコと笑うスフレ。それは本心からの笑みで、とても幸せそうであった。
「ね、ねえイチゴ…?」
「なんだ?トレファ…?」
「スフレちゃんの目の色って緑色だったかしら…?」
「…いや、確か以前は黒色だったはず…」
スフレの後ろで、ひそひそと語り合う二人。で、その話をぼーっと聞いているのが、ユリネ。
「お礼と言ってはなんですが、私達の街から、なんでも好きなものを差し上げましょう。」
「えっ!?お、お礼なんてそんな、良いですよ。私達は…」
と、そこまで言ったところで、ステッキが飛び出してきてくるりとスフレを自分の方に向ける。
『我が主。アクィオン達の居場所を聞きましょう。私達はその為にここに来ているのですから。』
「あっ、そ、そうですね。…こほん。村長さん、もし宜しければ、アクィオン達がどこから来ているのか、ご存知無いですか?」
「奴等ですか?…そうですね、奴等が来る時は、決まって北西の方角でした。もしかしたら、そちらに奴等の本拠地があるやもしれません。」
「北西…ですか。分かりました。それだけ聞ければ十分です。ご提供、ありがとうございます。」
スフレは村長に礼を言うと、仲間達へとそれを伝える。トレファ達も、敵がどこにいるのか知る事が出来て安心したが、逆に一つ、小さな不安が生じていた。
「ん…じゃあ、明日の朝…出発だね。」
「はい。明日に備えて、ゆっくり休みましょうか!…お二人共?」
「…あっ、え、ええ。そうね。」
「そうだな。…休もうか…」
元気一杯なスフレとは対象的に、トレファとイチゴはどうも落ち着かない様子であった。各人共に部屋に入り、一晩を明かした。
────
「…イチゴ、起きてる?」
「ああ。…トレファも起きていたか。…入って良いぞ。」
静かに戸が開く。
「お邪魔するわ。…よいしょっと。」
「…お前も、思ってるか。」
「ええ。このままじゃ、まずいってね。」
「…やはりそうか。…私達も…なってみるというのはどうだ?」
「どうかしら。私達は向いてないんじゃない?」
「…それでも、今のままよりは良いだろう。…」
「そうね。…試してみましょうか。」
「ああ。」
「ところで、ここで寝ても良いかしら?」
「私の所で?構わないが、どうして?」
「それはほら、…一人部屋だと寂しいから?」
「……まあいい。ほら。」
バサッと布が動く音。
「ありがとね。あー、暖かい~」
「まったく…」
────
その翌日。スジンに乗ってスフレ達は、北西の方向へと飛んでいた。トレファ達がステッキと話していて暇なので、ユリネはスフレと話をしていた。
「あの…スフレは…私の事、邪魔って思ってない…?」
「そんな事は無いですよ。ユリネさんはきちんと私達のこと、サポートしてくれてるじゃないですか。」
「でも…戦えてないし…」
「戦う事以外にも、役に立てることはいっぱいありますし、ユリネさんは今のままでも十分ですよ。」
「……そっか…」
それでも、まだユリネ自身は役に立てていないと思い込んでいるのだろう。
「うーん…そうだ。ステッキさんに、魔法少女にしてもらえば良いのではないですか?」
魔法少女になる事ができる条件を、スフレ達は知らなかった。
「…それ、良いかも。聞いてみる…!」
「ふふ。なれると良いですね!」
別に魔法少女は自分一人だけでは無いのだろう。ユリネ自身も魔法少女になれれば、きっと彼女も頑張れるはずだ。
「じゃあ早速…ん…?あれが、アクィオン…じゃない?」
ユリネが見つけたのは、火山の山頂に立っている巨大な城。西洋風の巨大な建造物であり、周囲には巨大な三本の柱が立っている。
「みたいですね。…トレファさん、イチゴさん!」
「…あっ…あれが、アクィオンの城ね。」
「しかし、なんだあれは?」
城は柱を中心に三つの魔力が放たれており、三角形の魔力の防壁が、城へと向かって展開されている。
『あれは魔力防壁です。恐らく、あの柱が魔力を放って壁の役目を担っているのです。』
「なるほどね。じゃあ、あの柱を破壊すれば良いのかしら?」
『はい。しかし、直接的な攻撃は不可能でしょう。結界を担う者を倒さなくては。』
「結界を担うもの…とはなんだ?」
『あの手の魔術は、必ず何者かが結界の外で柱を維持する為の魔力を送らなくてはなりません。その者達を見つけて倒せば、あの柱の防壁は破れるでしょう。』
「なるほど!では、その結界を担うものを倒せば良いのですね。」
『その通りです我が主。詮索を始めることをオススメします。』
「…そうですね。では、始めましょうか!」
「本当に、ありがとうございます。私達は、あの女に日々怯えて暮らしていました…少しでも情報を吐けば、殺されると女に脅されていたのです…」
村長がスフレ達に語りかける。その顔は、安堵一色にすっかり染っていた。
「いいえ。大丈夫ですよ。私達は、やるべき事をしただけですから。」
ニコニコと笑うスフレ。それは本心からの笑みで、とても幸せそうであった。
「ね、ねえイチゴ…?」
「なんだ?トレファ…?」
「スフレちゃんの目の色って緑色だったかしら…?」
「…いや、確か以前は黒色だったはず…」
スフレの後ろで、ひそひそと語り合う二人。で、その話をぼーっと聞いているのが、ユリネ。
「お礼と言ってはなんですが、私達の街から、なんでも好きなものを差し上げましょう。」
「えっ!?お、お礼なんてそんな、良いですよ。私達は…」
と、そこまで言ったところで、ステッキが飛び出してきてくるりとスフレを自分の方に向ける。
『我が主。アクィオン達の居場所を聞きましょう。私達はその為にここに来ているのですから。』
「あっ、そ、そうですね。…こほん。村長さん、もし宜しければ、アクィオン達がどこから来ているのか、ご存知無いですか?」
「奴等ですか?…そうですね、奴等が来る時は、決まって北西の方角でした。もしかしたら、そちらに奴等の本拠地があるやもしれません。」
「北西…ですか。分かりました。それだけ聞ければ十分です。ご提供、ありがとうございます。」
スフレは村長に礼を言うと、仲間達へとそれを伝える。トレファ達も、敵がどこにいるのか知る事が出来て安心したが、逆に一つ、小さな不安が生じていた。
「ん…じゃあ、明日の朝…出発だね。」
「はい。明日に備えて、ゆっくり休みましょうか!…お二人共?」
「…あっ、え、ええ。そうね。」
「そうだな。…休もうか…」
元気一杯なスフレとは対象的に、トレファとイチゴはどうも落ち着かない様子であった。各人共に部屋に入り、一晩を明かした。
────
「…イチゴ、起きてる?」
「ああ。…トレファも起きていたか。…入って良いぞ。」
静かに戸が開く。
「お邪魔するわ。…よいしょっと。」
「…お前も、思ってるか。」
「ええ。このままじゃ、まずいってね。」
「…やはりそうか。…私達も…なってみるというのはどうだ?」
「どうかしら。私達は向いてないんじゃない?」
「…それでも、今のままよりは良いだろう。…」
「そうね。…試してみましょうか。」
「ああ。」
「ところで、ここで寝ても良いかしら?」
「私の所で?構わないが、どうして?」
「それはほら、…一人部屋だと寂しいから?」
「……まあいい。ほら。」
バサッと布が動く音。
「ありがとね。あー、暖かい~」
「まったく…」
────
その翌日。スジンに乗ってスフレ達は、北西の方向へと飛んでいた。トレファ達がステッキと話していて暇なので、ユリネはスフレと話をしていた。
「あの…スフレは…私の事、邪魔って思ってない…?」
「そんな事は無いですよ。ユリネさんはきちんと私達のこと、サポートしてくれてるじゃないですか。」
「でも…戦えてないし…」
「戦う事以外にも、役に立てることはいっぱいありますし、ユリネさんは今のままでも十分ですよ。」
「……そっか…」
それでも、まだユリネ自身は役に立てていないと思い込んでいるのだろう。
「うーん…そうだ。ステッキさんに、魔法少女にしてもらえば良いのではないですか?」
魔法少女になる事ができる条件を、スフレ達は知らなかった。
「…それ、良いかも。聞いてみる…!」
「ふふ。なれると良いですね!」
別に魔法少女は自分一人だけでは無いのだろう。ユリネ自身も魔法少女になれれば、きっと彼女も頑張れるはずだ。
「じゃあ早速…ん…?あれが、アクィオン…じゃない?」
ユリネが見つけたのは、火山の山頂に立っている巨大な城。西洋風の巨大な建造物であり、周囲には巨大な三本の柱が立っている。
「みたいですね。…トレファさん、イチゴさん!」
「…あっ…あれが、アクィオンの城ね。」
「しかし、なんだあれは?」
城は柱を中心に三つの魔力が放たれており、三角形の魔力の防壁が、城へと向かって展開されている。
『あれは魔力防壁です。恐らく、あの柱が魔力を放って壁の役目を担っているのです。』
「なるほどね。じゃあ、あの柱を破壊すれば良いのかしら?」
『はい。しかし、直接的な攻撃は不可能でしょう。結界を担う者を倒さなくては。』
「結界を担うもの…とはなんだ?」
『あの手の魔術は、必ず何者かが結界の外で柱を維持する為の魔力を送らなくてはなりません。その者達を見つけて倒せば、あの柱の防壁は破れるでしょう。』
「なるほど!では、その結界を担うものを倒せば良いのですね。」
『その通りです我が主。詮索を始めることをオススメします。』
「…そうですね。では、始めましょうか!」
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