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番外編 サブストーリー
6話「伝説の魔術師」
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少女は自分の体験を語った。アクィオンは魔物を燼滅するべく生まれた義賊たちで、魔物のいる村や街を見つけては、魔物を迫害するべく辻斬りや強盗を行い、酷い場合には「粛清」と評して村や町ごと炎で焼き払うという、恐るべきテロ集団である。彼女の住む村にも、義賊たちがやってきたそうだ。
「彼らは…私の友達を沢山殺したわ…魔物も。人間も。魔物と仲良くしてる人間は、反逆者として殺されたの。」
「そんな…酷い…!」
スフレの声も、小さく怒りに震えていた。自分達の都合だけで罪なき者まで殺める極悪非道さに、根の優しい彼女さえ怒っていたのだ。
「そして…あの男、アクィオンは言ったわ。我に従え。さもなくば死ねと。私は父と母に言われて…仕方なく奴に従ったの。そしたら…」
その後の記憶はすべて無くなり、助けられる今まで、何をしていたのか忘れてしまったと言う。最後に覚えているのは、アクィオンを倒してくれと懇願する、母の姿であった。
「そうだったのですか…では、貴方はそのアクィオンを倒せる人物を探してここへ…?」
「…そうなの。ここに来たのは偶然だけど…いずれは来るつもりだった。だから、探さなくちゃ…伝説の魔術師を…」
「伝説の…魔術師…?」
スフレは聞き覚えのない単語に少しぽかんとする。文書を読んだ限りでは、そんな存在は聞いたことすら無い。
「私の村に伝わる伝説。邪悪なる者が世界に現れし時、伝説の魔術師の誕生を持ってこれを滅す。…って。…作り話かもしれないけど…私はいるって信じてる…」
その痛切な表情を見て、スフレはとても胸が痛くなった。彼女を助けてあげられないかと。
「…えっと、その伝説の魔術師って…どんなお名前か…とかは聞いていますか?」
「…ううん。でも、一回だけ、どんな格好をしているか、だけ聞いたことあるの。…煌びやかな喋る杖を用いて、この世のものとは思えぬ美しい衣を纏いし少女…って。」
「え…?」
スフレは先程、ちょうど自分のものになった喋るステッキの存在を思い出した。そして、この世のものとは思えぬ服。あのスケベチックな服は、とてもこの世界のデザインとは思えない。条件だけ見ると、自分が完全に合致してしまっている。
「…どうかしたの?…もしかして、心当たりが…?」
「え…っと…あー、それが…」
ここで自分です!と名乗り出たいスフレなのだが、間違ってたら彼女にも大変迷惑だし、自分では到底敵わない強敵に挑む事になる。
『我が主~!』
言うべきか、言うまいか迷っていた所に、思いっきり喋るステッキが突っ込んでくる。
「うわっ!さ、さっきの杖さん!」
「えっ!?」
スフレはもちろん、もっと驚いているのは目前の少女。なんせ、伝説にあった喋る杖が現に目の前にいるのだから。
『我が主、我が主。トレファ様が私を虐めます。悲しいです。泣きます。うわぁぁぁぁん!!』
と言って、スフレの胸に飛びつく杖。さっきまでの厳格な様子はどこへ行った。
「ど、どう虐められたんですか…?」
『私めを趣味の悪い変態野郎とか、デザインセンスのないだっせぇ杖とか、そんな風に罵ってきたので御座いますぅぅ!!』
そ、そうなんだ~、と頷くスフレ。…そして、それを興味津々に見つめる目の前の少女。
『…所で我が主、そちらのお嬢様は何者で?』
「…あ。え、えっと、これは~…ですね…」
どっちかと言うと、少女に向かって語ろうとするスフレ。
「…もしかして、貴方が伝説の魔術師…!?」
「彼らは…私の友達を沢山殺したわ…魔物も。人間も。魔物と仲良くしてる人間は、反逆者として殺されたの。」
「そんな…酷い…!」
スフレの声も、小さく怒りに震えていた。自分達の都合だけで罪なき者まで殺める極悪非道さに、根の優しい彼女さえ怒っていたのだ。
「そして…あの男、アクィオンは言ったわ。我に従え。さもなくば死ねと。私は父と母に言われて…仕方なく奴に従ったの。そしたら…」
その後の記憶はすべて無くなり、助けられる今まで、何をしていたのか忘れてしまったと言う。最後に覚えているのは、アクィオンを倒してくれと懇願する、母の姿であった。
「そうだったのですか…では、貴方はそのアクィオンを倒せる人物を探してここへ…?」
「…そうなの。ここに来たのは偶然だけど…いずれは来るつもりだった。だから、探さなくちゃ…伝説の魔術師を…」
「伝説の…魔術師…?」
スフレは聞き覚えのない単語に少しぽかんとする。文書を読んだ限りでは、そんな存在は聞いたことすら無い。
「私の村に伝わる伝説。邪悪なる者が世界に現れし時、伝説の魔術師の誕生を持ってこれを滅す。…って。…作り話かもしれないけど…私はいるって信じてる…」
その痛切な表情を見て、スフレはとても胸が痛くなった。彼女を助けてあげられないかと。
「…えっと、その伝説の魔術師って…どんなお名前か…とかは聞いていますか?」
「…ううん。でも、一回だけ、どんな格好をしているか、だけ聞いたことあるの。…煌びやかな喋る杖を用いて、この世のものとは思えぬ美しい衣を纏いし少女…って。」
「え…?」
スフレは先程、ちょうど自分のものになった喋るステッキの存在を思い出した。そして、この世のものとは思えぬ服。あのスケベチックな服は、とてもこの世界のデザインとは思えない。条件だけ見ると、自分が完全に合致してしまっている。
「…どうかしたの?…もしかして、心当たりが…?」
「え…っと…あー、それが…」
ここで自分です!と名乗り出たいスフレなのだが、間違ってたら彼女にも大変迷惑だし、自分では到底敵わない強敵に挑む事になる。
『我が主~!』
言うべきか、言うまいか迷っていた所に、思いっきり喋るステッキが突っ込んでくる。
「うわっ!さ、さっきの杖さん!」
「えっ!?」
スフレはもちろん、もっと驚いているのは目前の少女。なんせ、伝説にあった喋る杖が現に目の前にいるのだから。
『我が主、我が主。トレファ様が私を虐めます。悲しいです。泣きます。うわぁぁぁぁん!!』
と言って、スフレの胸に飛びつく杖。さっきまでの厳格な様子はどこへ行った。
「ど、どう虐められたんですか…?」
『私めを趣味の悪い変態野郎とか、デザインセンスのないだっせぇ杖とか、そんな風に罵ってきたので御座いますぅぅ!!』
そ、そうなんだ~、と頷くスフレ。…そして、それを興味津々に見つめる目の前の少女。
『…所で我が主、そちらのお嬢様は何者で?』
「…あ。え、えっと、これは~…ですね…」
どっちかと言うと、少女に向かって語ろうとするスフレ。
「…もしかして、貴方が伝説の魔術師…!?」
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