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41話「眠りから覚めて」
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「そ、それで、具体的な勝負内容は…?」
「簡単よ♪演奏で、私が満足出来る音を奏でてみて♪それが出来たら、私の持ち主として認めてあげる♪」
「え?…どんな音でも奏でられる笛を…どうやって…?」
「そこを考えるのよ♪仲間とも協力して考えてご覧なさいー♪」
そう言うと、『ノクターン』がふっと消えて、箱の上にどすんとスタッカートが乗る形になる。トモヤは仲間達と海賊の元へ向かって、事情を説明する。
「はあはあ。なるほどな!お前ら!演奏の準備だ!私達の魂の演奏であの女に認めてもらうぞ!」
「「おー!」」
海賊達はそれを聞くなり、急いで楽器を用意し始める。その用意周到さにトモヤ達は唖然とするが、海賊達はせっせと用意を進め、一列に並んでスタッカートの方に向かって、演奏を始める。
「わっ…素敵な演奏ですね。海賊は皆演奏上手なんでしょうか?」
「そうかもしれないな。…さて、私達も何か手立てを考えておくべきでは無いか?」
「言えてるわね。…とりあえず、演奏できそうなものを並べてみましょ。」
トレファはそう言うと、自分のタンバリンを持ち出す。音の鳴るものを並べてみたが、スフレの魔導書と、イチゴのソロバンくらいしか演奏に使えそうなものは無かった。
「…流石にこれだけで演奏するのは無理だよな…トレファのタンバリンだけでやるのもアレだし…」
トモヤが悩んでいると、イチゴが何かに気付き、トモヤへと話しかける。
「…いや、トモヤ。この場合、必要なのは音の質ではない気がするのだ。」
「…?どういう事だ?」
「あれを見てくれ。」
海賊達の演奏。それはそれは見事なものだが、スタッカートは何故か何も言わず、しーんとそれを聞いている。
「…本当だ…あんなに素敵な演奏なのに…」
「では、何が必要なのでしょうか…?」
うーんと、首を傾げるスフレ達。トモヤは先程の話を聞いて、ある結論が頭の中に浮かび上がる。
「…もしかしたら…」
────
「…どーだ!私達の演奏は!」
「んー♪残念~♪演奏は見事だったけれど、大事なものが足りてないわ~♪」
「なん……だと…!?お、おい!何が足りないんだよ!」
ギャーギャーわめきながら、スタッカートに突っかかるサラ。海賊団員に止められるが、それを振り払って奥へ進む。
「そうねぇ♪足りないのは…心、よ♪」
────キィィィン!
そう言うと、音撃波でサラを遠くへと吹っ飛ばすスタッカート。海賊達は慌てて船長の元へ向かい、手当を始める。
「さぁて♪あなた達の方は、準備はもう良いかしら?」
「ああ。行くぞお前ら!」
「はい!」 「ええ!」 「ああ!」
────
トモヤ達が奏でたのは、至って普通の演奏。何の変哲もない、ただのメロディ。だが、それはスタッカートの心にしっかりと深く響いていた。
「ん~♪良い音色ね♪合格~!」
「やった!やりましたよ!トモヤさん!」
「ああ。…これであの笛が貰えるな。」
なぜ合格になったのか。それは至ってシンプルで、「笛を使うだけの理由」を歌に乗せて歌えば良かったのだ。あの笛はその音色を使って、どんな呪いをも解呪する事ができる。だとすれば、トモヤ達が欲するには、十分すぎる理由が出来るだろう。
「それじゃあ、私はこれで♪洞窟はここで終わりだから、勝手に帰還してね~♪」
スタッカートはそう言うと、ボンッと笛の姿に戻ってトモヤの手元へと収まる。調査もこれで終了という事になるが、ちょっと海賊達が可哀想な気がしないでもない。
「さっ、帰りましょ。その笛を持って、あのねぼすけ女の所に行くのよ!」
トレファはまだあの日酷い目にあったことを根に持っているらしい。
「だな。…おーい、サラ!お宝、貰ってっても良いか?後で返しに来るからさ!」
「…お、おーう…良いぜ~…」
まともに返事する余力も無いらしく、ただおっけーするだけでばったりと倒れてしまう。一応許可も貰ったので、トモヤ達はそれを持ち帰る事にする。
────
トモヤ達はクエストを済ませ、ひとまず解散して各自休憩へと移った。トモヤは笛を持って、まっさきにカツァルの元へと歩いて行った。
「というわけで、これがその無限の調律だ。」
「…それをアルテマのために…!すまない…本当にすまない…!」
土下座してトモヤに礼を言うカツァル。流石にトモヤもそれをさせるのは気が引けるので、すぐに彼を起こして立ち上がらせる。
「良いんだよ。ほら行くぞ。アルテマを起こしてやらないと。」
「ああ…!」
アルテマが眠っている部屋へと入り、トモヤは軽く椅子に腰掛ける。布でくるんだ笛を取り出すと、そっと口を笛に当てる。
────ピロロロ…
と。静かな、優しい音色が辺りにこだまする。眠り込んでいたはずのアルテマがゆっくりと目を見開き、不思議そうにその体を起こす。
「…あれ?…何故、この時間に起きられているのですますでしょうか…?」
「ぁ…ぁぁ…アルテマっ…」
「カツァル。…おはようなのですますよ。…どうしたのです?」
「アルテマ…お前の…お前のな…呪いがっ…うぅっ…!」
カツァルは堪えきれなくなって、アルテマに抱きついて泣きじゃくる。アルテマは全てを察したのか、静かに微笑むと、優しくカツァルを抱きしめ返した。トモヤは邪魔だろうと思って、先に部屋から脱出する。
「…これで、笛は用済みか…まるで専用イベントだな…」
幾重の僧侶達が束になっても打ち勝てなかった呪い。それをこの笛は、一発で消して仕留めたのだから。この為だけに歌ったのは自分だが、いざ使ってみると、案外不思議な、呆気ないものである。
「まあ、それでもいいか。……これでまた一つ、命を救えたんだしな。」
トモヤはそう言うと、それを握ってサラの元へと歩き出した。
「簡単よ♪演奏で、私が満足出来る音を奏でてみて♪それが出来たら、私の持ち主として認めてあげる♪」
「え?…どんな音でも奏でられる笛を…どうやって…?」
「そこを考えるのよ♪仲間とも協力して考えてご覧なさいー♪」
そう言うと、『ノクターン』がふっと消えて、箱の上にどすんとスタッカートが乗る形になる。トモヤは仲間達と海賊の元へ向かって、事情を説明する。
「はあはあ。なるほどな!お前ら!演奏の準備だ!私達の魂の演奏であの女に認めてもらうぞ!」
「「おー!」」
海賊達はそれを聞くなり、急いで楽器を用意し始める。その用意周到さにトモヤ達は唖然とするが、海賊達はせっせと用意を進め、一列に並んでスタッカートの方に向かって、演奏を始める。
「わっ…素敵な演奏ですね。海賊は皆演奏上手なんでしょうか?」
「そうかもしれないな。…さて、私達も何か手立てを考えておくべきでは無いか?」
「言えてるわね。…とりあえず、演奏できそうなものを並べてみましょ。」
トレファはそう言うと、自分のタンバリンを持ち出す。音の鳴るものを並べてみたが、スフレの魔導書と、イチゴのソロバンくらいしか演奏に使えそうなものは無かった。
「…流石にこれだけで演奏するのは無理だよな…トレファのタンバリンだけでやるのもアレだし…」
トモヤが悩んでいると、イチゴが何かに気付き、トモヤへと話しかける。
「…いや、トモヤ。この場合、必要なのは音の質ではない気がするのだ。」
「…?どういう事だ?」
「あれを見てくれ。」
海賊達の演奏。それはそれは見事なものだが、スタッカートは何故か何も言わず、しーんとそれを聞いている。
「…本当だ…あんなに素敵な演奏なのに…」
「では、何が必要なのでしょうか…?」
うーんと、首を傾げるスフレ達。トモヤは先程の話を聞いて、ある結論が頭の中に浮かび上がる。
「…もしかしたら…」
────
「…どーだ!私達の演奏は!」
「んー♪残念~♪演奏は見事だったけれど、大事なものが足りてないわ~♪」
「なん……だと…!?お、おい!何が足りないんだよ!」
ギャーギャーわめきながら、スタッカートに突っかかるサラ。海賊団員に止められるが、それを振り払って奥へ進む。
「そうねぇ♪足りないのは…心、よ♪」
────キィィィン!
そう言うと、音撃波でサラを遠くへと吹っ飛ばすスタッカート。海賊達は慌てて船長の元へ向かい、手当を始める。
「さぁて♪あなた達の方は、準備はもう良いかしら?」
「ああ。行くぞお前ら!」
「はい!」 「ええ!」 「ああ!」
────
トモヤ達が奏でたのは、至って普通の演奏。何の変哲もない、ただのメロディ。だが、それはスタッカートの心にしっかりと深く響いていた。
「ん~♪良い音色ね♪合格~!」
「やった!やりましたよ!トモヤさん!」
「ああ。…これであの笛が貰えるな。」
なぜ合格になったのか。それは至ってシンプルで、「笛を使うだけの理由」を歌に乗せて歌えば良かったのだ。あの笛はその音色を使って、どんな呪いをも解呪する事ができる。だとすれば、トモヤ達が欲するには、十分すぎる理由が出来るだろう。
「それじゃあ、私はこれで♪洞窟はここで終わりだから、勝手に帰還してね~♪」
スタッカートはそう言うと、ボンッと笛の姿に戻ってトモヤの手元へと収まる。調査もこれで終了という事になるが、ちょっと海賊達が可哀想な気がしないでもない。
「さっ、帰りましょ。その笛を持って、あのねぼすけ女の所に行くのよ!」
トレファはまだあの日酷い目にあったことを根に持っているらしい。
「だな。…おーい、サラ!お宝、貰ってっても良いか?後で返しに来るからさ!」
「…お、おーう…良いぜ~…」
まともに返事する余力も無いらしく、ただおっけーするだけでばったりと倒れてしまう。一応許可も貰ったので、トモヤ達はそれを持ち帰る事にする。
────
トモヤ達はクエストを済ませ、ひとまず解散して各自休憩へと移った。トモヤは笛を持って、まっさきにカツァルの元へと歩いて行った。
「というわけで、これがその無限の調律だ。」
「…それをアルテマのために…!すまない…本当にすまない…!」
土下座してトモヤに礼を言うカツァル。流石にトモヤもそれをさせるのは気が引けるので、すぐに彼を起こして立ち上がらせる。
「良いんだよ。ほら行くぞ。アルテマを起こしてやらないと。」
「ああ…!」
アルテマが眠っている部屋へと入り、トモヤは軽く椅子に腰掛ける。布でくるんだ笛を取り出すと、そっと口を笛に当てる。
────ピロロロ…
と。静かな、優しい音色が辺りにこだまする。眠り込んでいたはずのアルテマがゆっくりと目を見開き、不思議そうにその体を起こす。
「…あれ?…何故、この時間に起きられているのですますでしょうか…?」
「ぁ…ぁぁ…アルテマっ…」
「カツァル。…おはようなのですますよ。…どうしたのです?」
「アルテマ…お前の…お前のな…呪いがっ…うぅっ…!」
カツァルは堪えきれなくなって、アルテマに抱きついて泣きじゃくる。アルテマは全てを察したのか、静かに微笑むと、優しくカツァルを抱きしめ返した。トモヤは邪魔だろうと思って、先に部屋から脱出する。
「…これで、笛は用済みか…まるで専用イベントだな…」
幾重の僧侶達が束になっても打ち勝てなかった呪い。それをこの笛は、一発で消して仕留めたのだから。この為だけに歌ったのは自分だが、いざ使ってみると、案外不思議な、呆気ないものである。
「まあ、それでもいいか。……これでまた一つ、命を救えたんだしな。」
トモヤはそう言うと、それを握ってサラの元へと歩き出した。
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