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4話「嵐の竜、降臨」
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それは突然やってきた。急に、風が強く吹き荒れ、轟々と雷鳴が辺りに轟き始める。暗雲が空を覆い、闇へと沈んだ村へと雨が降り始める。ゲリラ豪雨かなんかだと思っていたトモヤは、気楽そうにスライムが落としたアイテムを拾っている。
「あ…あああの…トモヤさん…大変ですよ!」
「ん?大変って、この雨が?確かに荒れそうだし、そこで雨宿りでもするか。」
「い、いえ!そうではなくて…!この嵐は魔物が起こしているものなんです!」
「魔物が…?」
と言って空を見上げるトモヤ。確かに、雷雲の中に黒い影がチラチラと見える。あの魔物と一緒に、嵐も行動しているかの様だ。
「なるほど。でも、なんで大変なんだ?別に俺達がなにかした訳でも無いだろ?」
「あの魔物…ライジーンは、凶暴な魔物で…目をつけられたら雷で殺されてしまいます…!手練の冒険者でも警戒する、Aランク相当の魔物ですよ…!」
「げげ、マジか…なら殺される前に逃げないと…」
────ズガァァァァァン!!
ぴしゃーん。と目の前に落ちる雷。鼓膜を引き裂くような轟音と、目眩がしそうなほど激しい閃光。防御性能が高いトモヤには屁でも無いが、スフレはビックリしてその場に崩れ落ちてしまう。
「あ、あわわ…も、もう狙われてるみたいです…」
「参ったな…スフレ、俺の後ろに回れ!雷は俺が受け止めてやる!」
「お、お願いします!」
スフレはトレードマークの帽子が飛ばないように押さえながら、ピタッとトモヤに密着する。無敵の盾ならば、雷を反射してライジーンに撃ち返せるはずだ。空で蠢く影は、じっくりとトモヤ達を伺ってから、再び稲妻を迸らせる!
────ピカッ!
一瞬の閃光。自然現象において、かなりの熱量と破壊力を備えた神秘の一撃。触れたものを黒炭へと変化させ、衝撃は巨大な大木をも真っ二つにする威力。生身の人間が喰らえば、どうなるか等目に見えているだろう。
────バチバチィッ!
だが。彼は違う。その無敵の盾は…決して、光の速度の攻撃であっても。それをも通さない。その盾は見事に中央へと攻撃を受け付け、完璧なまでに雷撃を空へと跳ね返す。跳ね返った電撃は空を駆け巡り、空に蠢く影を撃ち抜く。
『グオオオオオオオォォォォォッ!!』
身悶え、暴れ落ちる空の怪物。畑へと落下し、ビタンビタンと暴れ狂うライジーン。その姿はさながら蛇のようで、立派な口の髭、艷めく金色の鱗、荒れ狂う下側の筋肉が、強力な魔物としての在り方を物語っていた。
「…こ、これが…ライジーン…初めて見ました…!トモヤさん、気を付けてください…!」
「ああ。分かってる。」
トモヤは次の攻撃に備え、無敵の盾を再び構え直す。強化された雷撃を浴びたとはいえ、流石にAランク。ライジーンは未だ健在だ。しばらく身悶えてからぐるりと起き上がり、その鋭い瞳で二人を睨みつける。
『蛇睨み』
「あびびびびび…!?」
「どうした!スフレ!?」
「わ、わかりません…睨まれたかと思ったら…身体が…痺れて…あびび…」
蛇睨み。ライジーンの得意のとする狩りの戦法だ。雷で敵を撃てば確実に獲物を仕留められるが、それでは肉がどす黒くなってしまう。だからこそ、新鮮なまま相手を喰らうことができる、この蛇睨みが重宝する。眼光から電磁波を流して相手を麻痺させるのだが…
「くそ…仕方ない、隠れてろ!」
『隠れた才能︰全状態異常耐性S+』
不思議な事に、トモヤにはまるで通じていない。この蛇睨みは、本来同格の相手である竜でさえ、電磁波に惑わされて動けなくなる。 だと言うのにどうした事か。目の前の格下である人間が、自分の術を防いでいるとは。面白い!とライジーンは意外な強敵との邂逅に感嘆した。
「グオオオォォォォォ!」
咆哮とともに、天高く舞い上がる。上空でその身をぐるぐると巻き、雷雲を発生させる。バチバチと青い稲妻が迸り、そのエネルギーを増幅させていく。それは人智では到底辿り着けない域へと達し、雲自身がその重みで今にも爆発しそうな程である。
「(うおぉ…無敵とは分かってるけど…流石に怖ぇー…!)」
「グオオオオオオォォォ!!!」
砕けよ、奇怪な野菜人間!と言わんばかりに吠え、電撃の雲へと向けて、凄まじいブレスを放つ。電撃のブレスは雷雲と混ざり合って増幅し、バチバチとエネルギーを肥大化させていく。
「ひ、ひえぇ…た、助けてトモヤさん…!」
「任せろ!…受け切ってみせる!」
『雷龍の鉄槌』
────ズガァァァァァァァァァァン!!!
巨大な稲妻は眩い閃光となり、ハルバトルソからでも見ることが出来る野太い稲光と、何処までも轟く、爆弾の様な轟音。その衝撃波は遥か彼方まで広がり、突風となってビュオッとハルバトルソの町へと一気に流れ込む。これ程の威力となれば、如何に無敵の盾であろうと黒焦げになって跡形もなくなっている事だろう。
────バチ…バチバチ…!
黒焦げになった地面に電気が走る。さしずめ、水分が電気で融解している音だろう。ライジーンは余裕そうにふわふわ浮いているが…
────バチバチバチ!!
「グオッ!?」
電気の音は次第に大きくなっていく。ライジーンの下には、電気が集まり始めている。つまり…!
「…ちぃと不安だったけど…大丈夫みたいだな!」
「わっ…!凄いです!トモヤさん!」
「へへ。ありがとな!さてライジーン!この電気…お前にお返しするぜ!」
全てを跳ね返す究極の防御壁。無敵の盾とは彼の事。受け付ける全ての電撃が盾へと一極集中し、莫大なエネルギーとなりながら、一気に反射して再放出される!
────ズガァァァァァァァァァァン!!!
再び、本日二度目の激震が辺りに走る。空の雲は吹き飛ばされ、光の柱が空へと伸びる。ライジーンはその莫大なエネルギーに吹っ飛ばされて、跡形もなくその身を消し飛ばされてしまう。晴れ晴れとした空に、清々しい顔をしたトモヤの姿があった。
…人参だけど。
────
「本当に助かりました!ありがとうございます!」
ペコペコと頭を下げる依頼主さん。トモヤはどす黒く焦げた畑を見てなんか申し訳なかったが、まあちゃんとスライムは追い払えたので良い…のかもしれない。
「いえいえ!私もお役に立てて嬉しかったです!」
「(…スフレ、なんかしたっけ…)」
まあ、野菜スーツを作ったのは彼女のお手柄だろう。それに、戦闘には参加した扱いなのか、ライジーンを倒した経験値を入手して、彼女自身も大幅にステータスが成長している。今後に期待できそうだ。と言うのが、トモヤの今の心情だ。
「こちらはお礼の代金です。それと、こちらの紙にも…」
依頼主は嬉しそうに礼の代金を渡して、クエストクリアの印であるギルド公認の依頼達成の印鑑とサインを書き記した。
「ありがとうございます。じゃあ、俺達はこれで。また何かあったら、立ち寄ります。」
「はい、いつでもいらして下さい。歓迎します!」
依頼主に激励の言葉を受けながら、南側の村を去る二人。帰り道の馬車もまた同じ人が運転するのだが、二人の、特にトモヤの変貌ぶりに驚いていた。
────ゴゴゴゴ…
「(しかし…なんだろうこの感覚は…)」
なんと言うべきか、隠しきれない強さがオーラとなって現れてしまっている感じだ。スフレもレベルが上がったことで本人も自覚していない新たな技能を手に入れているのだが、トモヤのオーラが凄まじく、スフレもそっちに驚いてしまっている。
「トモヤさん、凄く強くなりましたね…今の強さはどれくらいなのでしょうか…!?」
「そうか?じゃあ少しステータス見てみるか…」
『隠れた才能︰ステータス確認』
すると、ブーンと。ウインドウが現れ、そこに今のトモヤのステータスが表示される。体力と防御が桁外れに成長しており、他のステータスも順調に成長してきている。
「おお…!前より更に伸びてますね!…それに、ステータスを見れる才能があるなんて羨ましいです!私のステータスも見て貰えませんか?」
「ん?スフレのステータスか?別に良いけど。」
ブーンと。こちらもウインドウにステータスを表示する。こちらの職業はウィザード。魔法型の職業の様だ。ステータスはと言うと…
Lv︰20
スキル︰魔道の心得A+ 攻撃術式得意 補助術式苦手 全属性耐性強化 全状態異常耐性ダウン 火属性強化
パッシブスキル︰ヘタレ ? ? ? ?
装備︰魔道のローブ 樫の杖 いちごパンツ
「…なるほど、攻撃型の魔法が得意…と。数値的にもかなり伸びてるし、これからに期待できるな。」
「えへへ、本当ですか?頑張りますね!」
「ああ、期待してる。…ところでこの、いちごパンツって言うのはなんなんだ?そういう装備なのか?」
トモヤは素っ気なく質問するが、スフレはそれを聞くだけでみるみる顔が赤くなっていく。しきりに自分のお尻あたりを触って、やっぱり、と恥ずかしそうにトモヤの方を見る。
「ど、どうしてそれを…まさか、見たんですか…?」
この時のスフレの質問は、パンツを直接見たんですか?という意味合いだが。
「おう、勿論見たけど。ステータスに書いてあるしな。それを見…」
トモヤはステータスのことを指しているのではないかと考え、返答した。つまり。
「いやぁぁぁぁぁっ!トモヤさんのすけべぇぇぇぇっ!!」
────バチーン!
静まり返った馬車道に、一際大きなビンタの音が響き渡ったとさ。
「あ…あああの…トモヤさん…大変ですよ!」
「ん?大変って、この雨が?確かに荒れそうだし、そこで雨宿りでもするか。」
「い、いえ!そうではなくて…!この嵐は魔物が起こしているものなんです!」
「魔物が…?」
と言って空を見上げるトモヤ。確かに、雷雲の中に黒い影がチラチラと見える。あの魔物と一緒に、嵐も行動しているかの様だ。
「なるほど。でも、なんで大変なんだ?別に俺達がなにかした訳でも無いだろ?」
「あの魔物…ライジーンは、凶暴な魔物で…目をつけられたら雷で殺されてしまいます…!手練の冒険者でも警戒する、Aランク相当の魔物ですよ…!」
「げげ、マジか…なら殺される前に逃げないと…」
────ズガァァァァァン!!
ぴしゃーん。と目の前に落ちる雷。鼓膜を引き裂くような轟音と、目眩がしそうなほど激しい閃光。防御性能が高いトモヤには屁でも無いが、スフレはビックリしてその場に崩れ落ちてしまう。
「あ、あわわ…も、もう狙われてるみたいです…」
「参ったな…スフレ、俺の後ろに回れ!雷は俺が受け止めてやる!」
「お、お願いします!」
スフレはトレードマークの帽子が飛ばないように押さえながら、ピタッとトモヤに密着する。無敵の盾ならば、雷を反射してライジーンに撃ち返せるはずだ。空で蠢く影は、じっくりとトモヤ達を伺ってから、再び稲妻を迸らせる!
────ピカッ!
一瞬の閃光。自然現象において、かなりの熱量と破壊力を備えた神秘の一撃。触れたものを黒炭へと変化させ、衝撃は巨大な大木をも真っ二つにする威力。生身の人間が喰らえば、どうなるか等目に見えているだろう。
────バチバチィッ!
だが。彼は違う。その無敵の盾は…決して、光の速度の攻撃であっても。それをも通さない。その盾は見事に中央へと攻撃を受け付け、完璧なまでに雷撃を空へと跳ね返す。跳ね返った電撃は空を駆け巡り、空に蠢く影を撃ち抜く。
『グオオオオオオオォォォォォッ!!』
身悶え、暴れ落ちる空の怪物。畑へと落下し、ビタンビタンと暴れ狂うライジーン。その姿はさながら蛇のようで、立派な口の髭、艷めく金色の鱗、荒れ狂う下側の筋肉が、強力な魔物としての在り方を物語っていた。
「…こ、これが…ライジーン…初めて見ました…!トモヤさん、気を付けてください…!」
「ああ。分かってる。」
トモヤは次の攻撃に備え、無敵の盾を再び構え直す。強化された雷撃を浴びたとはいえ、流石にAランク。ライジーンは未だ健在だ。しばらく身悶えてからぐるりと起き上がり、その鋭い瞳で二人を睨みつける。
『蛇睨み』
「あびびびびび…!?」
「どうした!スフレ!?」
「わ、わかりません…睨まれたかと思ったら…身体が…痺れて…あびび…」
蛇睨み。ライジーンの得意のとする狩りの戦法だ。雷で敵を撃てば確実に獲物を仕留められるが、それでは肉がどす黒くなってしまう。だからこそ、新鮮なまま相手を喰らうことができる、この蛇睨みが重宝する。眼光から電磁波を流して相手を麻痺させるのだが…
「くそ…仕方ない、隠れてろ!」
『隠れた才能︰全状態異常耐性S+』
不思議な事に、トモヤにはまるで通じていない。この蛇睨みは、本来同格の相手である竜でさえ、電磁波に惑わされて動けなくなる。 だと言うのにどうした事か。目の前の格下である人間が、自分の術を防いでいるとは。面白い!とライジーンは意外な強敵との邂逅に感嘆した。
「グオオオォォォォォ!」
咆哮とともに、天高く舞い上がる。上空でその身をぐるぐると巻き、雷雲を発生させる。バチバチと青い稲妻が迸り、そのエネルギーを増幅させていく。それは人智では到底辿り着けない域へと達し、雲自身がその重みで今にも爆発しそうな程である。
「(うおぉ…無敵とは分かってるけど…流石に怖ぇー…!)」
「グオオオオオオォォォ!!!」
砕けよ、奇怪な野菜人間!と言わんばかりに吠え、電撃の雲へと向けて、凄まじいブレスを放つ。電撃のブレスは雷雲と混ざり合って増幅し、バチバチとエネルギーを肥大化させていく。
「ひ、ひえぇ…た、助けてトモヤさん…!」
「任せろ!…受け切ってみせる!」
『雷龍の鉄槌』
────ズガァァァァァァァァァァン!!!
巨大な稲妻は眩い閃光となり、ハルバトルソからでも見ることが出来る野太い稲光と、何処までも轟く、爆弾の様な轟音。その衝撃波は遥か彼方まで広がり、突風となってビュオッとハルバトルソの町へと一気に流れ込む。これ程の威力となれば、如何に無敵の盾であろうと黒焦げになって跡形もなくなっている事だろう。
────バチ…バチバチ…!
黒焦げになった地面に電気が走る。さしずめ、水分が電気で融解している音だろう。ライジーンは余裕そうにふわふわ浮いているが…
────バチバチバチ!!
「グオッ!?」
電気の音は次第に大きくなっていく。ライジーンの下には、電気が集まり始めている。つまり…!
「…ちぃと不安だったけど…大丈夫みたいだな!」
「わっ…!凄いです!トモヤさん!」
「へへ。ありがとな!さてライジーン!この電気…お前にお返しするぜ!」
全てを跳ね返す究極の防御壁。無敵の盾とは彼の事。受け付ける全ての電撃が盾へと一極集中し、莫大なエネルギーとなりながら、一気に反射して再放出される!
────ズガァァァァァァァァァァン!!!
再び、本日二度目の激震が辺りに走る。空の雲は吹き飛ばされ、光の柱が空へと伸びる。ライジーンはその莫大なエネルギーに吹っ飛ばされて、跡形もなくその身を消し飛ばされてしまう。晴れ晴れとした空に、清々しい顔をしたトモヤの姿があった。
…人参だけど。
────
「本当に助かりました!ありがとうございます!」
ペコペコと頭を下げる依頼主さん。トモヤはどす黒く焦げた畑を見てなんか申し訳なかったが、まあちゃんとスライムは追い払えたので良い…のかもしれない。
「いえいえ!私もお役に立てて嬉しかったです!」
「(…スフレ、なんかしたっけ…)」
まあ、野菜スーツを作ったのは彼女のお手柄だろう。それに、戦闘には参加した扱いなのか、ライジーンを倒した経験値を入手して、彼女自身も大幅にステータスが成長している。今後に期待できそうだ。と言うのが、トモヤの今の心情だ。
「こちらはお礼の代金です。それと、こちらの紙にも…」
依頼主は嬉しそうに礼の代金を渡して、クエストクリアの印であるギルド公認の依頼達成の印鑑とサインを書き記した。
「ありがとうございます。じゃあ、俺達はこれで。また何かあったら、立ち寄ります。」
「はい、いつでもいらして下さい。歓迎します!」
依頼主に激励の言葉を受けながら、南側の村を去る二人。帰り道の馬車もまた同じ人が運転するのだが、二人の、特にトモヤの変貌ぶりに驚いていた。
────ゴゴゴゴ…
「(しかし…なんだろうこの感覚は…)」
なんと言うべきか、隠しきれない強さがオーラとなって現れてしまっている感じだ。スフレもレベルが上がったことで本人も自覚していない新たな技能を手に入れているのだが、トモヤのオーラが凄まじく、スフレもそっちに驚いてしまっている。
「トモヤさん、凄く強くなりましたね…今の強さはどれくらいなのでしょうか…!?」
「そうか?じゃあ少しステータス見てみるか…」
『隠れた才能︰ステータス確認』
すると、ブーンと。ウインドウが現れ、そこに今のトモヤのステータスが表示される。体力と防御が桁外れに成長しており、他のステータスも順調に成長してきている。
「おお…!前より更に伸びてますね!…それに、ステータスを見れる才能があるなんて羨ましいです!私のステータスも見て貰えませんか?」
「ん?スフレのステータスか?別に良いけど。」
ブーンと。こちらもウインドウにステータスを表示する。こちらの職業はウィザード。魔法型の職業の様だ。ステータスはと言うと…
Lv︰20
スキル︰魔道の心得A+ 攻撃術式得意 補助術式苦手 全属性耐性強化 全状態異常耐性ダウン 火属性強化
パッシブスキル︰ヘタレ ? ? ? ?
装備︰魔道のローブ 樫の杖 いちごパンツ
「…なるほど、攻撃型の魔法が得意…と。数値的にもかなり伸びてるし、これからに期待できるな。」
「えへへ、本当ですか?頑張りますね!」
「ああ、期待してる。…ところでこの、いちごパンツって言うのはなんなんだ?そういう装備なのか?」
トモヤは素っ気なく質問するが、スフレはそれを聞くだけでみるみる顔が赤くなっていく。しきりに自分のお尻あたりを触って、やっぱり、と恥ずかしそうにトモヤの方を見る。
「ど、どうしてそれを…まさか、見たんですか…?」
この時のスフレの質問は、パンツを直接見たんですか?という意味合いだが。
「おう、勿論見たけど。ステータスに書いてあるしな。それを見…」
トモヤはステータスのことを指しているのではないかと考え、返答した。つまり。
「いやぁぁぁぁぁっ!トモヤさんのすけべぇぇぇぇっ!!」
────バチーン!
静まり返った馬車道に、一際大きなビンタの音が響き渡ったとさ。
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