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「お前も幸せになりたいだろ」
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昨日、真琴としてないから早く起きた。
座って真琴を見た。
いてて、体中痛い。
真琴の向こうに雪人が仰向けに寝てた。
遅くに帰って来たのかな。
腕枕もしてない。
暑いのか、布団をかけてなかった。
黒いトランクスだけを履いてた。
雪人は、男の俺から見てもかっこいいと思う。
顔だって、声だって、何だって。
雪人の顔を見てた。
雪人が目を開けた。
俺がなんか思うより先に、雪人が鋭く言った。
「何見てる」
「別に見てなんか」
俺は雪人から顔を背けた。
雪人は言った。
「明日。俺は真琴と話をする」
「何の話?」
「別れようと思う」
え…?
「真琴はもう、お前に完全に傾いてる。俺はもう、ここにいる意味がないからな」
そんな。
そんな急に。
なんで?
じゃあ。
「雪人はもう。真琴のこと、好きじゃないの?」
雪人は真琴の寝顔を見ながら話す。
「今でも好きだし、愛してる。けど、それですがったところで、真琴が幸せにならんだろ」
そう言って、俺の目を見た。
「お前も幸せになりたいだろ」
「雪人、いなくなるの?」
「ああ」
真琴が俺だけのものになるのは嬉しい。
でも。
雪人はいなくなるの?
俺、まだ雪人みたいになれてない。
ずっと呆然としている俺に、雪人は構わず喋った。
「明日は真琴と2人で話したい。悪いが、お前はどこかに出ていてくれるか」
3人ではもう、暮らせないの?
「真琴は多分、お前を選ぶから。安心しろ」
座って真琴を見た。
いてて、体中痛い。
真琴の向こうに雪人が仰向けに寝てた。
遅くに帰って来たのかな。
腕枕もしてない。
暑いのか、布団をかけてなかった。
黒いトランクスだけを履いてた。
雪人は、男の俺から見てもかっこいいと思う。
顔だって、声だって、何だって。
雪人の顔を見てた。
雪人が目を開けた。
俺がなんか思うより先に、雪人が鋭く言った。
「何見てる」
「別に見てなんか」
俺は雪人から顔を背けた。
雪人は言った。
「明日。俺は真琴と話をする」
「何の話?」
「別れようと思う」
え…?
「真琴はもう、お前に完全に傾いてる。俺はもう、ここにいる意味がないからな」
そんな。
そんな急に。
なんで?
じゃあ。
「雪人はもう。真琴のこと、好きじゃないの?」
雪人は真琴の寝顔を見ながら話す。
「今でも好きだし、愛してる。けど、それですがったところで、真琴が幸せにならんだろ」
そう言って、俺の目を見た。
「お前も幸せになりたいだろ」
「雪人、いなくなるの?」
「ああ」
真琴が俺だけのものになるのは嬉しい。
でも。
雪人はいなくなるの?
俺、まだ雪人みたいになれてない。
ずっと呆然としている俺に、雪人は構わず喋った。
「明日は真琴と2人で話したい。悪いが、お前はどこかに出ていてくれるか」
3人ではもう、暮らせないの?
「真琴は多分、お前を選ぶから。安心しろ」
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