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「口開けろ」

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ここ3、4日、雨宮は、自分自身と真琴の行為の最中、ずっと真琴に話しかける。

どうやら羞恥プレイみたいなことがしたいらしい。

うるさいし、俺はいつも寝室から出たくなる。

けど、俺が知らないうちに真琴を変えられてしまったらと思うと、退場すらできなかった。

しかも今は。

真琴も悦んでいる。

ああいうのが好きなのか?

真琴は結構、いたぶられるのが好きなのか?

で。

俺とやるより気持ちがいいのか?

真琴の出す声の質が何か違う。

甘えたような変な…なんだろうな、媚びたような声を出しやがって。

あんな声、俺とのときは出したことねえ。

そういうのが好きなら、俺も手加減せずやるぞ?

今まで大事にしてきたのに。

あっさり雨宮なんかに変えられやがって。

俺の胸の中にどんどん黒いものが広がる。



「真琴」

雨宮が終わったあと、呼んで、右腕を伸ばしたら、真琴は自分から腕枕をされにきた。

左手で顔を撫でる。

真琴の綺麗な目を見つめる。

まだ、余韻に浸っているかのような顔。

こんなに愛しいのに。

壊すようなことはしたくないのに。

真琴がそういうのを求めるなら。

「口開けろ」

「え…」

真琴は俺の、いつもより低い声に驚いたらしい。

「聞こえなかったのか? 口開けろ」

真琴。

お前は低い声が好きなんだろう?

「はい…」

「もっと大きく、だ」

真琴の開けた口の中に、俺はちょっと上から唾液を垂らした。

「飲め」

真琴の喉が動いたとき、真琴の体もピクリと震えた。

俺は真琴のそのときの顔も観察している。

ふうん。

なるほど。

こういうことをしたかったのか、真琴。

望み通りにしてやるか。

「命令されて感じてんのか」

「ちがっ」

「じゃあ、俺の唾が美味しかったのか」

「ち…」

「どうなんだ?」

雨宮も妙に静かだった。

ガン見してんだろうな。

真琴は答えない。

「口開けろ」

真琴が小さく口を開いた。

「さっき言ったのを忘れたのか? もっと大きくだろうが」

真琴がさらに口を開いた。

俺は左手の人差し指を真琴の下唇にあてがう。

「口開けたまま、きっちり舐めろ」

指を真琴の舌に置く。

真琴が舌を動かし始める。

「口は開けたままだ。いいな?」

「ふぁい」

俺は真琴の口の中を指で犯す。

奥も手前も。

歯の1本1本も。

「もっと舌絡めろ」

上も下も。

ゆっくりと犯していく。

真琴の顔は段々と恍惚としてきた。

俺は、悲しいような、嬉しいような、複雑な想いで見ていた。

いや。

悲しいのか。



かはっ、と真琴がむせた。

指を抜いてまた命令する。

「座れ」

真琴がむせながら座る。

痛めつけたい訳じゃない。

声をかけたいのを我慢する。



そしてまた、命令し、口の中を犯した。



俺が指を抜くと、真琴は俺に懇願した。

「雪人さんっ…お願い入れてぇ」

過去イチ男に媚びた、俺の脳に訴えかける声だった。

つらくて。

キスをした。

もう、狂いそうだ。

俺は、指で犯した部分を清めるように舌を動かした。

真琴の舌も今までより絡んできた。

口を離すと、真琴は息を荒くしながら、目で訴えかけてきた。

俺はまた命令した。

「寝転がって足開け」



真琴の中は今までも十分ヤバかったのに、より一層凄くなっていた。

こんなに感じてんのか。

俺は快感を受けながらも悲しかった。

犯しているのは俺なのに、俺が真琴に犯されている気持ちになった。

体は気持ちがいいのにつらかった。



出したあとも、そのまま入れているだけですぐに勃った。

ああ、真琴。

俺は今でもお前が愛しい。



2回出したあと。

真琴の中や入り口は痙攣している。

抜いて、真琴を抱きしめた。

右腕を頭の下に入れて、左手で真琴の乱れた髪を整えた。

真琴になるべく優しい声で聞く。

「気持ちよかったか?」

「うん」

真琴は満足気に微笑んだ。

「そうか」

俺も少し微笑む。

真琴の性癖だから、ある程度は満たしてやるべきなんだろう。

まあ、口ん中指で犯すだけであんな感じるんなら、それ以上は要らんだろ。

それくらいなら毎日でもしてやる。

「真琴」

体を引き寄せてまた抱きしめた。

まだ闇堕ちした訳じゃない。

もしも真琴が闇堕ちしたら、俺も堕ちよう。

今は。

口の中を犯すだけでいい。

それ以外は優しくしてやればいい。

今までと大して変わらねえ。



雨宮は、横になって、やっぱり切なそうに、眠そうに真琴を見ていた。

俺が見たことに気づくと、雨宮は何か言いたそうに口を開いた。

俺が睨むと、口を閉じ、枕に顔を埋めた。

喋らすか、クソガキが。
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