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「しつけえぞ」
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あぁ、疲れた。
早く帰ろ。
コンビニで真琴の好きなカフェオレと、雪人の好きなブラックコーヒーと、俺の牛乳を買った。
煙草はまだカートンあったし。
もう10時じゃん。
早く帰りたかったのに。
あの薬中の先輩のせいで遅くなった。
訳わからんこと押し付けられて。
極道はほんと、ろくでもないヤツもいっぱいいるな。
抜けようかな。
やっと、帰ってきた。
「ただいまぁ」
あれ?
ダイニングに誰もいない。
買ったものをとりあえず、冷蔵庫にしまった。
寝室に入る。
「ただいまぁ」
「お疲れ」
挨拶を返してくれたのは雪人だった。
真琴に腕枕をして。
真琴は寝てるっぽい。
布団の中に入ってるけど、2人とも裸なのはわかった。
真琴がこんな時間に寝てるってことで、何してたのかもわかった。
雪人は俺に挨拶を返してくれたけど、こっちを見ずに、ずっと真琴の髪を触っている。
「真琴、寝てるんだ」
俺はがっかりした声で言った。
「ああ」
「何回したの?」
「お前、いつもそれ聞くんだな」
雪人は、真琴の髪や顔を撫でている。
俺は服を着たまま、空いた場所に座った。
「1回?」
雪人は答えない。
真琴の首から上を優しく触っている。
なんでだろ。
雪人、悲しそうに、真琴の顔を見てる。
「1回なんだ?」
ちょっとくらい、答えてくれてもいいのに。
「ああ」
めっずらしい。
へぇ。
驚いてたら、雪人に聞かれた。
「何で、回数なんか気にするんだ?」
「だって、雪人の方が時間長いんだから、回数くらい上回りたいし」
雪人は髪を触るのをやめて、左腕で腕枕をしたまま仰向けになって、つまらなさそうに言った。
「くだらねえ」
くだらなくなんかないし。
「俺もしたかったなぁ」
真琴の背中に手を伸ばした。
「触んな」
雪人に止められた。
「なんで?」
「体に触ったら、真琴が起きるだろ」
うーん。
「わかった。じゃあ、髪ならいいの?」
「ああ」
髪か。
きれいな髪だけど。
肌に触れたいな。
寂しいよ。
真琴の髪をいじりながら、雪人に聞いた。
「雪人ってさ、マンネリ平気な人?」
「ああ?」
雪人は不機嫌そうにめんどくさそうに返事した。
「もう3ヶ月くらい、3人でいてさ。いっつも見てるけど、いっつもおんなじじゃん」
「見んな」
「見るよ。大体いっつも同じようにしかやらないでしょ? いろいろしないの?」
「やったらやったで、お前がどうせ真似したりすんだろうが」
だって、雪人みたいになりたいし。
「そりゃあ、真琴にもっと気持ちよくなってほしいし」
て、言ってから気づいた。
え、俺が真似しなかったらするってこと?
「え、じゃあ2人のときはいろいろやってんの?」
「…別に」
あれ?
なんかやってんな、こいつ。
「2人のときってどうしてんの?」
「そんなこと聞くもんじゃねえし、言うもんでもねえわ」
「え、言えないようなことでもしてんの?」
雪人がため息をついた。
最近、雪人よくため息つくなぁ。
そして、雪人は目を閉じて、ちょっとトーンを落として話した。
「いや。普通。つうか、どういうふうに営んでるかなんて、普通は言わねえだろ」
「教えてくれてもいいじゃん」
「しつけえぞ。しばくぞ、ボケ」
「口悪いなぁ、雪人。そんなじゃ、真琴に嫌われるよ?」
「うるせえ。俺もう寝る」
「ケチ」
「ウゼえ、クソガキ」
ほんと、口の悪いおっさんだな。
俺も風呂入って寝よ。
何してるかは真琴に聞けばいいしね。
早く帰ろ。
コンビニで真琴の好きなカフェオレと、雪人の好きなブラックコーヒーと、俺の牛乳を買った。
煙草はまだカートンあったし。
もう10時じゃん。
早く帰りたかったのに。
あの薬中の先輩のせいで遅くなった。
訳わからんこと押し付けられて。
極道はほんと、ろくでもないヤツもいっぱいいるな。
抜けようかな。
やっと、帰ってきた。
「ただいまぁ」
あれ?
ダイニングに誰もいない。
買ったものをとりあえず、冷蔵庫にしまった。
寝室に入る。
「ただいまぁ」
「お疲れ」
挨拶を返してくれたのは雪人だった。
真琴に腕枕をして。
真琴は寝てるっぽい。
布団の中に入ってるけど、2人とも裸なのはわかった。
真琴がこんな時間に寝てるってことで、何してたのかもわかった。
雪人は俺に挨拶を返してくれたけど、こっちを見ずに、ずっと真琴の髪を触っている。
「真琴、寝てるんだ」
俺はがっかりした声で言った。
「ああ」
「何回したの?」
「お前、いつもそれ聞くんだな」
雪人は、真琴の髪や顔を撫でている。
俺は服を着たまま、空いた場所に座った。
「1回?」
雪人は答えない。
真琴の首から上を優しく触っている。
なんでだろ。
雪人、悲しそうに、真琴の顔を見てる。
「1回なんだ?」
ちょっとくらい、答えてくれてもいいのに。
「ああ」
めっずらしい。
へぇ。
驚いてたら、雪人に聞かれた。
「何で、回数なんか気にするんだ?」
「だって、雪人の方が時間長いんだから、回数くらい上回りたいし」
雪人は髪を触るのをやめて、左腕で腕枕をしたまま仰向けになって、つまらなさそうに言った。
「くだらねえ」
くだらなくなんかないし。
「俺もしたかったなぁ」
真琴の背中に手を伸ばした。
「触んな」
雪人に止められた。
「なんで?」
「体に触ったら、真琴が起きるだろ」
うーん。
「わかった。じゃあ、髪ならいいの?」
「ああ」
髪か。
きれいな髪だけど。
肌に触れたいな。
寂しいよ。
真琴の髪をいじりながら、雪人に聞いた。
「雪人ってさ、マンネリ平気な人?」
「ああ?」
雪人は不機嫌そうにめんどくさそうに返事した。
「もう3ヶ月くらい、3人でいてさ。いっつも見てるけど、いっつもおんなじじゃん」
「見んな」
「見るよ。大体いっつも同じようにしかやらないでしょ? いろいろしないの?」
「やったらやったで、お前がどうせ真似したりすんだろうが」
だって、雪人みたいになりたいし。
「そりゃあ、真琴にもっと気持ちよくなってほしいし」
て、言ってから気づいた。
え、俺が真似しなかったらするってこと?
「え、じゃあ2人のときはいろいろやってんの?」
「…別に」
あれ?
なんかやってんな、こいつ。
「2人のときってどうしてんの?」
「そんなこと聞くもんじゃねえし、言うもんでもねえわ」
「え、言えないようなことでもしてんの?」
雪人がため息をついた。
最近、雪人よくため息つくなぁ。
そして、雪人は目を閉じて、ちょっとトーンを落として話した。
「いや。普通。つうか、どういうふうに営んでるかなんて、普通は言わねえだろ」
「教えてくれてもいいじゃん」
「しつけえぞ。しばくぞ、ボケ」
「口悪いなぁ、雪人。そんなじゃ、真琴に嫌われるよ?」
「うるせえ。俺もう寝る」
「ケチ」
「ウゼえ、クソガキ」
ほんと、口の悪いおっさんだな。
俺も風呂入って寝よ。
何してるかは真琴に聞けばいいしね。
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