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27、密室 2

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「あ……は、い」

 吐息が耳にかかり、ゾクゾクする。

 敦美は息も絶え絶えで立っているのがやっとだったが、何とか脱いだ。手に上手く力が入らなくて、ストッキングを脱ぐのがこんなにも大変だなんて初めて思った。

 脱げたストッキングは棚に置く。「ついでに下着も脱いじゃおっか」と言われたので、下着も一緒に脱いだ。急に股が心許なくなって、脚をくっつけるように擦り合わせる。

「スカート、持ってて」
「え? は、恥ずかしい……」

 スカートを履いているのに、自分で智紀に秘所を見せるような格好になるのは、物凄く恥ずかしい。智紀はゆっくりとお尻や腿を撫で、股を割ように秘所へ指を侵入させる。

「……あっ」

 感覚の研ぎ澄まされた体は、直接触れられて喜ぶようにびくついた。

「気持ちいい?」

 こくん、とゆっくり頷けば、智紀のしなやかな指が蜜裂を割って蜜壷の中へ入り込んでくる。指が壁を押し広げるようにうごめくのが、気持ちよかった。その証拠にとろとろと愛液が溢れて智紀の指を伝ってゆく。

「んんっ……」

 ゆっくりと出し入れされて、慣れたころに一本だった指が二本に増える。その指が前壁をゆっくりと探るように動き、ざらっとしているところを見つけた途端、そこを集中的に刺激してきた。敦美の体は突然全身を快感に貫かれて、身をよじらせる。

「あっ、そこっ……だめっ」
「ここ?」

 執拗にそこを攻め立てられる。

 ああ、だめ……。そこ、気持ちいい……。

 快感を全身で受け止めようと、体のすべての筋肉が収縮していく。全身がびくびくびくと痙攣し始めて。

「そこ、気持ちっ……あぅ……っ……んんっ」

 膣がきゅうきゅうと智紀の指を締め付け、耐え難い快楽が敦美の体を駆け抜けた。

「あぁぁっ……!!」

 大きくのけぞって膝から崩れ落ちそうになる敦美を、智紀が支える。彼の腕がこれ以上にないほど逞しくて、敦美は体を預けてしまいそうになった。しかし、預けてしまえば智紀が後ろに倒れてしまう危険があるので、敦美はなんとかゆっくり立ち上がる。

「はぁっ、はぁっ……」
「大丈夫?」

「は、はい……なんとか」
「それはよかった」

 陶酔しているような、泣きそうな表情を浮かべている敦美に、智紀は優しくキスをする。

「可愛い……」

 すると資料室の扉がガシャガシャ鳴った。誰かが開けようとしているのだろう。急に目が覚めたように、敦美ははっと入り口を見たが、扉は鍵が閉まっているため入って来れないようだ。

「大丈夫。鍵してるから」

 そう言いながら、首筋に顔をうずめる。弱く吸い上げられて、跡がうっすらついた。

 そうだとしても、心臓に悪すぎる。この壁一枚の向こう側には誰かがいるのだ。そう考えたら恥ずかしくて、いても立ってもいられない。

 それに、気持ちよくなると、会社にいること自体を忘れそうになるのだ。淫らなことをしているために、声はなんとしても我慢しなければ(もう既に出てしまっているが)。

 それにこの場所から出て行く際に入り口で誰かと鉢合わないようにしなければならない。万が一ばったりと会ってしまったら『あの二人、資料室で絶対ヤってたよな』なんて会社中に噂が広まったら恥ずかしくて死ぬ。

「と、智紀さん……っ。そろそろ仕事に戻らなきゃ」
「……ちょっとぐらい大丈夫だよ。それに今出て行ったら、扉の向こう側に人がいるから、確実にここでイヤラシイコトしてたってバレるよ?」
「あ……確かに……」

「もう少しだけ」と耳をゆっくり舐める。

「んぁ……」
「それに、イケナイコトはこれからが本番でしょ?」

 智紀の熱い眼差しに見つめられて、敦美の子宮がきゅうっと悦ぶように疼いた。
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