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一章
27、作戦
しおりを挟む「で、そのレミって誰なんだよ?」
「GHOSTの女の子よ」とハカセは深いため息を吐いた。
「え? どうして捕まったんだよ?」
「ジン君、それ聞いちゃう? もう、エッチ~」
「……」
ハカセは「あっは~ん♥」と言いながら体をくねらせている。それ、マジでやめてくれ。
でも、そうか。そのレミって子も何かしらの犯罪者だから捕まったのか。
するとセドリックが深刻そうに「やっぱり」と呟く。
「俺、レミっぽい奴を闇市会場で見たんだ……。見間違いかと思ったけど、やっぱり、あれはレミだったのかもしれねえ」
「闇市?? どうして闇市にいたんだよ?」
「それは分からない……」とセドリックは困った顔をした。
「レミちゃんにはお仕事頼んでいたから、もしかしたらその過程で闇市に行く必要があったのかもしれないわ……」
「じゃあ、魔法騎士団が押し入って来た時に捕まったって事か?」
「恐らく一番そう考えるのが妥当なんじゃねえかと思うぜ。早い所救出してやらねえと、処刑されちまう」
「処刑!? 処刑されるって相当だろ。……一体どんな罪を犯したんだよ」
「いや、どんな罪だとしても、犯罪者は見せしめとして処刑されるんだ」
「そ、そうだったのか……知らなかった。じゃあ、捕まったってことは城の牢屋に閉じ込められてるって事か」
「ジン、牢屋の位置は分かるのか?」
「いや、城の中には入団式で一回しか入った事がないから、さすがに牢屋がどこにあるのかは分からない。……ただ、侵入出来る箇所はいくつかあると思うぜ」
「じゃあ、ジンには城に侵入してもらって、レミを救出してもらう。戦える奴が行った方がいいだろ?」
「それもそうだな……でも、レミって子を見たことないんだけど」
「見れば分かる。猫耳の女の子だから」
「猫耳……」
「そう、可愛いからって襲っちゃダメよ?」
「……襲わないよ、ハカセじゃあるまいし」
「いやん♥ 私はそんなコト、しないわよ♥」
「じゃあ、ジン」
セドリックはハカセを無視して話を進める。
「俺は外で魔法騎士の気を引きつける。レオにレミの匂いを辿ってもらえばいい。そしたらレミの所へ行けるはずだ」
「わかった」
「もう、二人とも無視しないでよ~っ!」とハカセが口を尖らせる。
「って、そういえば、レミちゃんはいつ処刑されちゃうの?」
「うーん、はっきりとした日時は分かんねえ。けど、三日以内だと思うぜ。脱走されたら捕まえた意味ねえし、国側は犯罪者を長い間閉じ込めておく意味もねえからな」
「セドリック君は一回捕まった事あるんだっけ?」
「……だいぶ前にな。自力で逃げたけど。その時、確か三日後にお前を処刑するって言われたんだ」
「なるほどね。じゃあレミちゃんの救出は早い方がいいわね。でも今日はみんな疲れてるでしょうから休みなさい」
「そうだな」とセドリックが頷く。
「じゃあ、救出作戦は明日決行、だな」
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