146 / 148
第3部3章 フォール・イントゥ……
136 謁見の間
しおりを挟む
奇妙な部屋だった。
赤い壁には昆虫標本よろしく巨大なピンでとめられたアラクネー2体が貼り付けられていた。
蜘蛛の背にあたる部分が人間的には正面となるこの怪物は壁に貼りつけられることで、普段は逆さまになっている頭が普通に前を向いていた。
2体のアラクネーは目をあけると同時に語り始める。
「あなたたちはどこへ行くの?」「あなたたちを歓迎するわ」
幻聴じゃないよな?
俺のつぶやきにミカが「聞こえる」と答える。
皆バイザーをあげてアラクネーのほうを見入っている。
「この道を進めばどうにかなると思っているの?」「この道を進んで望むものを手に入れて」
彼女たちはそれぞれが真逆のことを言っているようだ。
「ぐるぐると廻り続けるのよ、あなたたちはメリーゴーラウンドで剥製として展示されるの」「あなたたちは前へと進み続けている」
1体は呪詛、もう1対は激励の言葉を発する。
「カップル毎に組み合わせて素敵な木馬を作ってあげましょう」「試練に打ち克って私たちを解放して」
ピンがぽろりと落ち、ピンどめされたアラクネーはぼとりと床に落ちる。
これまで理知的に喋っていた口からいつものような悲鳴が漏れ出てくる。
「燃やせっ!」
反射的に叫ぶ。
サチさんは俺の声に反応して火炎放射器を構えると2体のアラクネーをまとめて灰にする。
「何だったんだろう?」
誰も答えられない。
でも、この先に何かがあるのだけはわかる。
「君と1つになるというのは、魅力的だけど、ケンタウロスの素材としてとなると……それは面白くないよな」
変な仮面のようなものを被せられたら可愛らしい顔も見られない。
ミカは「キザっぽい言い方しても似合わないよ」と笑う。
そして、俺たちは扉を開けて次の部屋に進む。
俺たちはいくつもの部屋を通り過ぎた。
ある部屋ではまた新種の敵に出会った。
巨大な頭にヘッドギアのようなものを被り、貧相な体を手術衣のようなものに身を包んだ男がかっと目を見開くと、地面に転がっていたナイフが一斉に飛んできた。
先頭を歩いていた俺は反応できず、ナイフを全部受け止めることになった。
俺の防具はナイフの刃なんて通したりしないはずなのだが、ヘッドギアの男のナイフは全て俺の鎧を貫通し、俺はその場で戦闘不能になった。
戦闘自体はそのあと、突進していった仲間たちによってあっという間に片がついたが、俺の大事な防具はところどころ穴が開いた。
気がつけば皆多かれ少なかれ装備にガタがきているようだった。
それでも俺たちは先に進む。永遠にここをさまようのか、先があるのか。どちらにしても進む以外の選択肢はないことだけは確かなのだ。
◆◆◆
扉を開けると、先は部屋の色が変わっていた。
真っ黒な壁の部屋、磨かれた黒曜石のような壁が鏡のように光や俺たちの姿をうつしだす。
壁の向こうには色鮮やかな衣装に身を包んだ4人のピエロらしきものが貼り付けられている。
奥の壁に貼り付けられた4人のピエロがかっと目を開く。
「この先謁見の間!」「王と側近と寵姫が永遠の時を過ごす天国!」「変化のない天国!」「未来永劫の時を魂がなくなるまで過ごす場所!」
「無礼者はミンチにされる!」「無礼者は穴だらけ!」「無礼者はかみつかれる!」「無礼者にはツブテを投げろ!」
ピエロたちを貼り付けにしていた大きなピンが外れる。
4人のピエロはそのまま地面にべちゃりと落ちると、服だけを残し、そのまま溶けていった。
ピエロが貼り付けられていた壁の真ん中にある大きな扉がきしむような音をたてて開く。
玉座なのか。遠くの豪華な椅子に座る小さな人影、その前には見慣れてしまったけれど、見慣れたくない怪物たちがたたずむ。
ケンタウロスが2体、アラクネー1体、テケテケ2体、そしてヘッドギア野郎が一体。
ケンタウロスはこれまでのものと違ってチェーンソーを装備している。
2体の怪物はゆっくりとした動作でチェーンソーのエンジンをかける。
騒がしいチェーンソーの音に負けじと、アラクネーが悲鳴をあげ、テケテケが笑う。
「近づかれる前にハリネズミみたいにしてやれ! 射て射て射てっ!」
狭い部屋続きで使うこともなかった飛び道具を構える。
矢が飛んでいく。
すさまじいスピードで突進してきたテケテケのうちの1体が矢を食らって動かなくなる。
もう1体はそのまま突っ込んでくる。
カチカチカチと歯を鳴らしながら飛び上がったテケテケを俺はクロスボウで殴り飛ばす。
壊れたクロスボウを捨て、金砕棒を構える。
「石っ! 隠れてっ!」
ミカが盾を構えて前に出る。
俺は慌ててミカの後ろにしゃがみ込む。
彼女の盾に無数の石つぶてがばちばちと当たる。貫通はしなかったものの盾の表面にはいくつも石がめりこんでいる。
立ち上がった俺は再び飛び上がってきたテケテケをヘッドギアの方向に打ち返す。
ふっ飛ばされていくテケテケは石つぶての2撃目をくらい、穴だらけになる。
テケテケに当たらなかった石つぶてが俺の金砕棒を粉砕し、バシネットに穴を開ける。
金棒とか鉄兜に穴を開けるとかおかしいだろ!
「あのヘッドギア野郎を!」
「任せろ!」
叫んだチュウジが手にした大剣をぶん投げる。
投げるのに適したとは思われない剣だが、それでもヘッドギアの男の貧相な胸に突き刺さる。
「でかした!」
残るはケンタウロス2体とアラクネー1体。
「まとめて酸で焼きましょう!」
サゴさんが前に出て酸を吐く。
2体のケンタウロスは盾をかかげる。
酸はアラクネーの顔と胴を焼くだけに終わった。
アラクネーも仕留めきれてはいないだろうが、しばらく動けないだけでも助かる。
「ケンタウロスは2対1で囲むぞ。チェーンソーに注意。下手に受けたら武器ごと体まで持ってかれるぞ!」
「ミカ殿。バカを借りるぞ! もう1体をほんの少しだけ足止めしておいてくれ。ついて来い」
バカだけど、バカ呼ばわりすんじゃねぇ。
「一瞬だけすきをつくる。その一瞬で切り倒せよ!」
チュウジは叫ぶと、鎖分銅を振り回しながら、ケンタウロスに突っ込んでいく。
そして、鎖分銅をチェーンソーに向かって投げる。
チェーンソーがぎりぎりと鎖分銅を巻き込み回転速度を下げる。
チュウジはそのままスライディングして、ケンタウロスの股の下をくぐり抜けて、背後をとる。
「闇の女神に抱かれて眠れっ!漆黒の左!」
こんなツギハギの化け物にもスタミナが存在したのか、ケンタウロスの動きがゆっくりとなる。
格好いいぜ、チュウジ。
お前の格好は馬を獣姦しているようにしか見えないけどな!
俺はケンタウロスの斜めから飛びかかる。
盾は小剣でつきとばし、チェーンソーを持つ右手を長剣で切り落とす。
チェーンソーが回転を止める。
もう片方の手も切り落とす。
落としたチェーンソーをチュウジのほうに蹴り飛ばす。
チェーンソーを拾ったチュウジはすぐさまエンジンをかけなおすと、ケンタウロスを後ろから切り倒す。
格好いいぜ、チュウジ。
やっぱり獣姦しているようにしか見えないけどな!
チュウジはそのまま、もう1体のケンタウロスに向かう。
邪魔になるアラクネーを俺は蹴り飛ばす。
子蜘蛛にたかられないように注意しながら腕や足を切り落としていく。
走ってきたサチさんがアラクネーを火炎で子蜘蛛ごと焼き尽くす。
もう1体のケンタウロスの胴体をチュウジのチェーンソーが切り倒し、戦闘は終わった。
俺たちは玉座に座る「王」のほうを向く。
つややかな肌をもつそれは干からびた老人のようなうつろな目でこちらを見つめ口を開く。
赤い壁には昆虫標本よろしく巨大なピンでとめられたアラクネー2体が貼り付けられていた。
蜘蛛の背にあたる部分が人間的には正面となるこの怪物は壁に貼りつけられることで、普段は逆さまになっている頭が普通に前を向いていた。
2体のアラクネーは目をあけると同時に語り始める。
「あなたたちはどこへ行くの?」「あなたたちを歓迎するわ」
幻聴じゃないよな?
俺のつぶやきにミカが「聞こえる」と答える。
皆バイザーをあげてアラクネーのほうを見入っている。
「この道を進めばどうにかなると思っているの?」「この道を進んで望むものを手に入れて」
彼女たちはそれぞれが真逆のことを言っているようだ。
「ぐるぐると廻り続けるのよ、あなたたちはメリーゴーラウンドで剥製として展示されるの」「あなたたちは前へと進み続けている」
1体は呪詛、もう1対は激励の言葉を発する。
「カップル毎に組み合わせて素敵な木馬を作ってあげましょう」「試練に打ち克って私たちを解放して」
ピンがぽろりと落ち、ピンどめされたアラクネーはぼとりと床に落ちる。
これまで理知的に喋っていた口からいつものような悲鳴が漏れ出てくる。
「燃やせっ!」
反射的に叫ぶ。
サチさんは俺の声に反応して火炎放射器を構えると2体のアラクネーをまとめて灰にする。
「何だったんだろう?」
誰も答えられない。
でも、この先に何かがあるのだけはわかる。
「君と1つになるというのは、魅力的だけど、ケンタウロスの素材としてとなると……それは面白くないよな」
変な仮面のようなものを被せられたら可愛らしい顔も見られない。
ミカは「キザっぽい言い方しても似合わないよ」と笑う。
そして、俺たちは扉を開けて次の部屋に進む。
俺たちはいくつもの部屋を通り過ぎた。
ある部屋ではまた新種の敵に出会った。
巨大な頭にヘッドギアのようなものを被り、貧相な体を手術衣のようなものに身を包んだ男がかっと目を見開くと、地面に転がっていたナイフが一斉に飛んできた。
先頭を歩いていた俺は反応できず、ナイフを全部受け止めることになった。
俺の防具はナイフの刃なんて通したりしないはずなのだが、ヘッドギアの男のナイフは全て俺の鎧を貫通し、俺はその場で戦闘不能になった。
戦闘自体はそのあと、突進していった仲間たちによってあっという間に片がついたが、俺の大事な防具はところどころ穴が開いた。
気がつけば皆多かれ少なかれ装備にガタがきているようだった。
それでも俺たちは先に進む。永遠にここをさまようのか、先があるのか。どちらにしても進む以外の選択肢はないことだけは確かなのだ。
◆◆◆
扉を開けると、先は部屋の色が変わっていた。
真っ黒な壁の部屋、磨かれた黒曜石のような壁が鏡のように光や俺たちの姿をうつしだす。
壁の向こうには色鮮やかな衣装に身を包んだ4人のピエロらしきものが貼り付けられている。
奥の壁に貼り付けられた4人のピエロがかっと目を開く。
「この先謁見の間!」「王と側近と寵姫が永遠の時を過ごす天国!」「変化のない天国!」「未来永劫の時を魂がなくなるまで過ごす場所!」
「無礼者はミンチにされる!」「無礼者は穴だらけ!」「無礼者はかみつかれる!」「無礼者にはツブテを投げろ!」
ピエロたちを貼り付けにしていた大きなピンが外れる。
4人のピエロはそのまま地面にべちゃりと落ちると、服だけを残し、そのまま溶けていった。
ピエロが貼り付けられていた壁の真ん中にある大きな扉がきしむような音をたてて開く。
玉座なのか。遠くの豪華な椅子に座る小さな人影、その前には見慣れてしまったけれど、見慣れたくない怪物たちがたたずむ。
ケンタウロスが2体、アラクネー1体、テケテケ2体、そしてヘッドギア野郎が一体。
ケンタウロスはこれまでのものと違ってチェーンソーを装備している。
2体の怪物はゆっくりとした動作でチェーンソーのエンジンをかける。
騒がしいチェーンソーの音に負けじと、アラクネーが悲鳴をあげ、テケテケが笑う。
「近づかれる前にハリネズミみたいにしてやれ! 射て射て射てっ!」
狭い部屋続きで使うこともなかった飛び道具を構える。
矢が飛んでいく。
すさまじいスピードで突進してきたテケテケのうちの1体が矢を食らって動かなくなる。
もう1体はそのまま突っ込んでくる。
カチカチカチと歯を鳴らしながら飛び上がったテケテケを俺はクロスボウで殴り飛ばす。
壊れたクロスボウを捨て、金砕棒を構える。
「石っ! 隠れてっ!」
ミカが盾を構えて前に出る。
俺は慌ててミカの後ろにしゃがみ込む。
彼女の盾に無数の石つぶてがばちばちと当たる。貫通はしなかったものの盾の表面にはいくつも石がめりこんでいる。
立ち上がった俺は再び飛び上がってきたテケテケをヘッドギアの方向に打ち返す。
ふっ飛ばされていくテケテケは石つぶての2撃目をくらい、穴だらけになる。
テケテケに当たらなかった石つぶてが俺の金砕棒を粉砕し、バシネットに穴を開ける。
金棒とか鉄兜に穴を開けるとかおかしいだろ!
「あのヘッドギア野郎を!」
「任せろ!」
叫んだチュウジが手にした大剣をぶん投げる。
投げるのに適したとは思われない剣だが、それでもヘッドギアの男の貧相な胸に突き刺さる。
「でかした!」
残るはケンタウロス2体とアラクネー1体。
「まとめて酸で焼きましょう!」
サゴさんが前に出て酸を吐く。
2体のケンタウロスは盾をかかげる。
酸はアラクネーの顔と胴を焼くだけに終わった。
アラクネーも仕留めきれてはいないだろうが、しばらく動けないだけでも助かる。
「ケンタウロスは2対1で囲むぞ。チェーンソーに注意。下手に受けたら武器ごと体まで持ってかれるぞ!」
「ミカ殿。バカを借りるぞ! もう1体をほんの少しだけ足止めしておいてくれ。ついて来い」
バカだけど、バカ呼ばわりすんじゃねぇ。
「一瞬だけすきをつくる。その一瞬で切り倒せよ!」
チュウジは叫ぶと、鎖分銅を振り回しながら、ケンタウロスに突っ込んでいく。
そして、鎖分銅をチェーンソーに向かって投げる。
チェーンソーがぎりぎりと鎖分銅を巻き込み回転速度を下げる。
チュウジはそのままスライディングして、ケンタウロスの股の下をくぐり抜けて、背後をとる。
「闇の女神に抱かれて眠れっ!漆黒の左!」
こんなツギハギの化け物にもスタミナが存在したのか、ケンタウロスの動きがゆっくりとなる。
格好いいぜ、チュウジ。
お前の格好は馬を獣姦しているようにしか見えないけどな!
俺はケンタウロスの斜めから飛びかかる。
盾は小剣でつきとばし、チェーンソーを持つ右手を長剣で切り落とす。
チェーンソーが回転を止める。
もう片方の手も切り落とす。
落としたチェーンソーをチュウジのほうに蹴り飛ばす。
チェーンソーを拾ったチュウジはすぐさまエンジンをかけなおすと、ケンタウロスを後ろから切り倒す。
格好いいぜ、チュウジ。
やっぱり獣姦しているようにしか見えないけどな!
チュウジはそのまま、もう1体のケンタウロスに向かう。
邪魔になるアラクネーを俺は蹴り飛ばす。
子蜘蛛にたかられないように注意しながら腕や足を切り落としていく。
走ってきたサチさんがアラクネーを火炎で子蜘蛛ごと焼き尽くす。
もう1体のケンタウロスの胴体をチュウジのチェーンソーが切り倒し、戦闘は終わった。
俺たちは玉座に座る「王」のほうを向く。
つややかな肌をもつそれは干からびた老人のようなうつろな目でこちらを見つめ口を開く。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
核醒のカナタ -First Awakening-
ヒロ猫
ファンタジー
日本に住む高校二年生永田カナタはひょんな事から同級生のワキオとマルタと共に別の世界に転移してしまう。様々な困難が待ち受ける中、果たしてカナタは無事に元の世界に戻ることができるのだろうか...
⚠この小説には以下の成分が含まれています。苦手な方はブラウザバックして下さい
・漢字
・細かい描写
・チートスキル無し
・ざまぁ要素ほぼ無し
・恋愛要素ほぼ無し
※小説家になろう、カクヨムでも公開中

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる