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第2部1章 指と異端と癒し手と
066 アレフィキウム のどかな村を通り過ぎて
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報告の翌々日、俺たちはアレフィキウムに出発した。
食料以外に俺たちはクロスボウを購入することにした。
すでに小さな弓をもって練習を続けているサゴさん以外もクロスボウ装備で全員が遠距離戦対応になった。
イングランドのロングボウ兵がフランスのクロスボウ兵を圧倒したというのは世界史の授業中、先生の雑談で聞いたことがあった。
ただ、それでもクロスボウのほうが手軽だ。
サゴさんに弓を借りて試してみたが、普通の弓なんて俺たちじゃまともに当てることもままならない。ましてや軌道を読んで山なりの矢を当てるなんて芸当もできるわけがない。
それに某有名ファンタジー映画に出てくるエルフのように颯爽と駆け抜けながら、次々に矢を射掛けるという戦い方は装備の重さから言っても無理そうだ。
ならば、ゲームセンターの銃の感覚に近そうなクロスボウが良いという結論になった。
戦術としては、1発か2発射ってあとは突撃しようということになった。
「戦術というより、ワッって射っておどかして、わーって突っ込んでいくだけだよね。うまくいけば相手がばーって逃げてくんだよね」
ミカがオノマトペ多めのツッコミを入れてくれたが、まぁ、そのとおりだ。
ワッっていってわー以上の込み入った動きや連携をするような訓練も積んでいないし、経験もない。
食料は審問官見習いのカルミさんのウマに積んでもらえた。
実は荷馬程度ならば、そろそろ手が届くくらいのお金が溜まってきている。
荷物も多くなってきたし、この仕事が終わったら購入してもいいのかもしれない。
◆◆◆
往路は何事もなく進んだ。
目的地となる邸宅は村を通り過ぎてさらに小一時間ほど歩いたところにあるらしい。
道中、何かあったら、金持ちの物見遊山の護衛だということで口裏を合わせることになっているが、何もなかった。
アレフィキウムは粗末な家が30ほど立つ小さな集落だった。
小さな村ではあるが、井戸があった。
いくばくかの金を払って井戸から水を汲ませてもらいながら、話を聞く。
この井戸はこの地にある教会、ルーマンさんいうところの異端派が掘ってくれたものなのだそうだ。
井戸だけでなく、この小さな村には場違いな教会もあった。
2階建ての教会は建物こそ大きくないものの、綺麗に手入れがされているし、人の出入りも多い。
修道士が何名か共同生活をしているのだそうだ。
「あの人たちが布教に来てから、村は暮らしやすいところになりました」
井戸の管理をしているというおじさんはしんみりとつぶやいた。
教会に礼拝という名の偵察に行ったカルミさんとその護衛をしているタケイさんたちが戻ってくるとすぐに出発した。
俺は井戸番のおじさんにお礼を言って出発する。
「あなたがたの旅路に幸あらんことを」
おじさんは祝福の言葉とともに見送ってくれた。
邸宅を遠目に俺たちは歩く。
遠目ながら邸宅の外には武器をもった男が数名居ることが確認できる。
「盗賊避けにしても、仰々しすぎるでしょう? これはクサいですね。先ほどの村でも臭いましたが、ここでも迷信に囚われた野人の臭いか狂信者の臭いかはよくわかりませんが、何か嫌な臭いがします」
カルミさんは右腕の切断面で鼻の頭を拭ったあとに鼻をひくつかせる。
「とはいえ、ここでいきなり審問官が突入するわけにはいきません。もう少し、先に行きましょう」
しばらく行った人気のないところでウマをとめる。
「私はここで待っています」
そう告げながら、カルミさんは片手で器用に荷を解いていく。
「みなさんはここから戻って邸宅を偵察、その後に臨機応変に動いてください」
明日の朝までに戻ってこない場合は、カルミさんは一人互助組合に報告に戻るとのことだ。
金で雇われている以上しょうがないが、彼らにはあまり誠実さを感じないのは俺だけだろうか。
「明朝は早すぎます。せめて偵察に一日はもらえますか?」
俺たちの抗議で彼が報告に戻るのは明後日の朝ということになった。
◆◆◆
「カルミさん、犠牲者であるけど、なんか腹に抱えてそうで気になりますよね」
屋敷の偵察に向かう途中、隣を歩くダイゴさんに話しかける。
「そうだな。まぁ、そもそも俺たちは使い捨ての便利屋みたいなもんだからな」
ダイゴさんはそう答えた後に「でも……」と続けた。
「あの人は悲惨な事件の犠牲者だけど、いや、だからこそか? そこらへんはわからないが、自分を狩ったのと同じような奴には容赦しないだろうな」
そこらへんの気持ちはわからなくもない。
自分も生まれのせいでいきなり腕切り落とされたりなんかしたら、相手に復讐するに違いない。
ちなみに偵察はタケイ隊からは一番小柄なダイゴさん、うちからはうちのパーティーで一番背が高い俺が出ることになった。
俺たちの間で一番小柄なのはミカ、その次にチュウジなのだが、とりあえずチュウジは悪目立ちする中二病サーコートを着用しているので却下。負傷したときの命綱、癒し手のサチさんは当然偵察になんか出せない。
サゴさんは……手をあげた彼の頭頂部に光が指して、綺麗に反射したのを見て、彼以外の全員が反対した。反対の理由は誰も口に出せなかった。
ミカも行くといったのだが、ある程度の背丈がないとあたりを見渡せないのじゃないかということで、俺がいくことになった次第だ。
ちなみにタケイ隊からダイゴさんが偵察に出ることになった理由は「筋肉ダルマどもは暑苦しくてそれだけで見つかりそうだから、俺が行くことにした」のだそうだ。でかすぎるのは、それはそれで問題のようだ。
屋敷の近くに丘があったので、丘の上の藪の中に身を隠し、観察をする。
外を見張っているのは6人、表以外に裏にも出入り口があるようだ。
「アレフィキウムの教会の修道士と同じような服装のやつらが入っていくな……」
アレフィキウムの村でカルミさんの「礼拝」についていったダイゴさんがつぶやく。見ると苦虫を噛み潰したような渋い顔をしている。
「ここの教会とあの屋敷の主人はなんらかのつながりがあるってことがほぼ確定になっちゃいましたよね」
「もう嫌な予感しかしないよな」
ですよねー。俺は無言でうなずく。
俺たちは帰って、カルミさんに見たものを報告した。
「奇襲、強襲、やり方はどのようなものでも構いませんが、邸宅に突入していただけるようお願いします」
彼は穏やかな表情で俺たちに戦闘の指示を出す。
そして、中の異端派修道士に関して必ず捕縛するようにとつけくわえる。
「手足の一本や二本切り落としても構いませんからね。あ、でも切ったあとはすぐに死んだりしないように止血だけしておいてくださいね」
カルミさんはニコニコと笑いながら、手首から先がない右腕で顔をこすった。
食料以外に俺たちはクロスボウを購入することにした。
すでに小さな弓をもって練習を続けているサゴさん以外もクロスボウ装備で全員が遠距離戦対応になった。
イングランドのロングボウ兵がフランスのクロスボウ兵を圧倒したというのは世界史の授業中、先生の雑談で聞いたことがあった。
ただ、それでもクロスボウのほうが手軽だ。
サゴさんに弓を借りて試してみたが、普通の弓なんて俺たちじゃまともに当てることもままならない。ましてや軌道を読んで山なりの矢を当てるなんて芸当もできるわけがない。
それに某有名ファンタジー映画に出てくるエルフのように颯爽と駆け抜けながら、次々に矢を射掛けるという戦い方は装備の重さから言っても無理そうだ。
ならば、ゲームセンターの銃の感覚に近そうなクロスボウが良いという結論になった。
戦術としては、1発か2発射ってあとは突撃しようということになった。
「戦術というより、ワッって射っておどかして、わーって突っ込んでいくだけだよね。うまくいけば相手がばーって逃げてくんだよね」
ミカがオノマトペ多めのツッコミを入れてくれたが、まぁ、そのとおりだ。
ワッっていってわー以上の込み入った動きや連携をするような訓練も積んでいないし、経験もない。
食料は審問官見習いのカルミさんのウマに積んでもらえた。
実は荷馬程度ならば、そろそろ手が届くくらいのお金が溜まってきている。
荷物も多くなってきたし、この仕事が終わったら購入してもいいのかもしれない。
◆◆◆
往路は何事もなく進んだ。
目的地となる邸宅は村を通り過ぎてさらに小一時間ほど歩いたところにあるらしい。
道中、何かあったら、金持ちの物見遊山の護衛だということで口裏を合わせることになっているが、何もなかった。
アレフィキウムは粗末な家が30ほど立つ小さな集落だった。
小さな村ではあるが、井戸があった。
いくばくかの金を払って井戸から水を汲ませてもらいながら、話を聞く。
この井戸はこの地にある教会、ルーマンさんいうところの異端派が掘ってくれたものなのだそうだ。
井戸だけでなく、この小さな村には場違いな教会もあった。
2階建ての教会は建物こそ大きくないものの、綺麗に手入れがされているし、人の出入りも多い。
修道士が何名か共同生活をしているのだそうだ。
「あの人たちが布教に来てから、村は暮らしやすいところになりました」
井戸の管理をしているというおじさんはしんみりとつぶやいた。
教会に礼拝という名の偵察に行ったカルミさんとその護衛をしているタケイさんたちが戻ってくるとすぐに出発した。
俺は井戸番のおじさんにお礼を言って出発する。
「あなたがたの旅路に幸あらんことを」
おじさんは祝福の言葉とともに見送ってくれた。
邸宅を遠目に俺たちは歩く。
遠目ながら邸宅の外には武器をもった男が数名居ることが確認できる。
「盗賊避けにしても、仰々しすぎるでしょう? これはクサいですね。先ほどの村でも臭いましたが、ここでも迷信に囚われた野人の臭いか狂信者の臭いかはよくわかりませんが、何か嫌な臭いがします」
カルミさんは右腕の切断面で鼻の頭を拭ったあとに鼻をひくつかせる。
「とはいえ、ここでいきなり審問官が突入するわけにはいきません。もう少し、先に行きましょう」
しばらく行った人気のないところでウマをとめる。
「私はここで待っています」
そう告げながら、カルミさんは片手で器用に荷を解いていく。
「みなさんはここから戻って邸宅を偵察、その後に臨機応変に動いてください」
明日の朝までに戻ってこない場合は、カルミさんは一人互助組合に報告に戻るとのことだ。
金で雇われている以上しょうがないが、彼らにはあまり誠実さを感じないのは俺だけだろうか。
「明朝は早すぎます。せめて偵察に一日はもらえますか?」
俺たちの抗議で彼が報告に戻るのは明後日の朝ということになった。
◆◆◆
「カルミさん、犠牲者であるけど、なんか腹に抱えてそうで気になりますよね」
屋敷の偵察に向かう途中、隣を歩くダイゴさんに話しかける。
「そうだな。まぁ、そもそも俺たちは使い捨ての便利屋みたいなもんだからな」
ダイゴさんはそう答えた後に「でも……」と続けた。
「あの人は悲惨な事件の犠牲者だけど、いや、だからこそか? そこらへんはわからないが、自分を狩ったのと同じような奴には容赦しないだろうな」
そこらへんの気持ちはわからなくもない。
自分も生まれのせいでいきなり腕切り落とされたりなんかしたら、相手に復讐するに違いない。
ちなみに偵察はタケイ隊からは一番小柄なダイゴさん、うちからはうちのパーティーで一番背が高い俺が出ることになった。
俺たちの間で一番小柄なのはミカ、その次にチュウジなのだが、とりあえずチュウジは悪目立ちする中二病サーコートを着用しているので却下。負傷したときの命綱、癒し手のサチさんは当然偵察になんか出せない。
サゴさんは……手をあげた彼の頭頂部に光が指して、綺麗に反射したのを見て、彼以外の全員が反対した。反対の理由は誰も口に出せなかった。
ミカも行くといったのだが、ある程度の背丈がないとあたりを見渡せないのじゃないかということで、俺がいくことになった次第だ。
ちなみにタケイ隊からダイゴさんが偵察に出ることになった理由は「筋肉ダルマどもは暑苦しくてそれだけで見つかりそうだから、俺が行くことにした」のだそうだ。でかすぎるのは、それはそれで問題のようだ。
屋敷の近くに丘があったので、丘の上の藪の中に身を隠し、観察をする。
外を見張っているのは6人、表以外に裏にも出入り口があるようだ。
「アレフィキウムの教会の修道士と同じような服装のやつらが入っていくな……」
アレフィキウムの村でカルミさんの「礼拝」についていったダイゴさんがつぶやく。見ると苦虫を噛み潰したような渋い顔をしている。
「ここの教会とあの屋敷の主人はなんらかのつながりがあるってことがほぼ確定になっちゃいましたよね」
「もう嫌な予感しかしないよな」
ですよねー。俺は無言でうなずく。
俺たちは帰って、カルミさんに見たものを報告した。
「奇襲、強襲、やり方はどのようなものでも構いませんが、邸宅に突入していただけるようお願いします」
彼は穏やかな表情で俺たちに戦闘の指示を出す。
そして、中の異端派修道士に関して必ず捕縛するようにとつけくわえる。
「手足の一本や二本切り落としても構いませんからね。あ、でも切ったあとはすぐに死んだりしないように止血だけしておいてくださいね」
カルミさんはニコニコと笑いながら、手首から先がない右腕で顔をこすった。
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