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第2部1章 指と異端と癒し手と
055 カステルム・フェロールム
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「山にお城が浮かんでいるみたいで、キレイだよね」
ミカがつぶやく。
切り立つ崖の上に、秋の日差しを浴びて輝く小さな白亜の城が見える。
小さいのは遠くにあるからで実際にはかなり大きな城壁なのだろう。
城壁にもうけられた門には石の橋からは石畳の道らしきものが縦横に広がっているのが見える。
カステルム・フェロールム、通称カステの街は山あいに作られた城壁とその周囲に広がる街区からなる。
俺たちは旅人が集まる商業区に今いる。
報酬は宿で荷解きしてからヴェサ商会の建物に取りに行くことになっている。
「お嬢ちゃんは、この街に来るの初めてだもんな」
横を歩いていたアロさんがミカに声をかける。彼には良い宿を紹介してもらうことになっている。
「ここは鉄だけでなくて、石も取れるからな」
アロ隊の1人ペッコさんが続ける。
「綺麗な石も取れるし、細工師も多い。ここでアクセサリーを買って、馴染みの女のとこに持ってくといい感じになるんだよ。嬢ちゃんもノッポの兄ちゃんに1つくらい買ってもらったらどうだい?」
「えっ? えっ? ペアのアクセサリーとかはやいし!?」
ミカが狼狽している。ペアのアクセサリーか。買う、サプライズでペアリング買ってびっくりさせる。そう決めた。
いいか、主将よ。お前が煉獄で汚れきった心を浄化しているときに俺はファンタジーの世界にいるんだぞ。
今、これが死ぬ間際に見た夢だったとしても、俺は安らかな顔で逝ける自信がある。
「じゃあ、先生には読み書き教えてもらった授業料として俺が良いの買ってあげちゃおうかな」
もう1つの護衛チーム、トマ隊のリーダー、トマさんがサチさんに貢ぐ宣言をしている。
トマ隊のメンバーはぽかぽかとトマさんを殴りつけ、抜け駆けをするなと叫んでいる。
サチさんは旅の間、読み書きの先生役を勤めたこともあって、大人気だ。
「おっさんたちは私を見習ってもう少し遠慮しましょうね」
サゴさんが別パーティーのおじさんたちをなだめている横でチュウジが1人うつむいている。
とても、わかりやすいが、今しばらくは放っておいてやろう。
夕方の街、石畳の道を俺たちはわいわいとさわぎながら歩く。
出発地のグラースとカステを比べてみると、活気は変わらないが、雰囲気が違う。
海のそばでべたっとした潮風を感じることも多かったグラースに比べると、こちらは乾燥した感じだ。
標高もこちらのほうが高いのだろう。やや涼しく感じるし、街中の人々の服装も重ね着が多い。
あちらの街だと上半身裸のおっさんとか結構見たけど、ここにはいない。
過ごしやすいといえば、過ごしやすい。
しかし、ここで水浴びは辛いだろうな。
古びたレンガ作りの建物の前でアロさんが振り返った。
窓の付き方から見て、4階建てだ。
これもグラースの街、少なくとも俺たちが歩き回れる街区では見なかったものだ。
「俺たちの定宿だ。まぁ、豪華ってわけじゃないが、寝てて体中が痒くなったりしないから良いぞ」
1階は酒場になっている。
夕方の酒場はそこそこに人が入っていて賑やかだ。
アロさんはずかずかと入っていくと、中のカウンターのおばちゃんに声をかける。
「アロ、あんた、まだくたばっていなかったのかい」
「ばばぁ、俺たちがいなかったら、このボロ宿の売上が激減しちまうだろ。それにな、今回はぴちぴちの新人も連れてきてやったぞ」
「あら、可愛いお嬢さん方だこと。こんな子たちが泊まってくれるんなら、アロたちはもういらないね」
でしょ。でしょ。可愛いでしょ。なんか自分が褒められたときよりも嬉しい。
「いらないはないだろう。むしろ、紹介料として宿代まけてくれたっていいんだぜ」
トマさんが口をはさむ。
「まけるわけないだろ、ぼんくら。でも、ワイン1杯くらいはサービスしてやるよ。お嬢ちゃんたちは甘いものでもあげようね」
みんなにワイン、女性陣にはミードを振る舞ってくれるおばちゃん。
口が悪いけど、アロさんたちとは仲が良さそうだ。
「久しぶりのワイン。いやぁ、最高ですね」
サゴさんは嬉しそうに言うと、あっという間に飲み干してしまった。
「荷物片付けて、報酬受け取って、あとはこの続きをやらないと」
翌朝に落ち武者にならない程度に飲んで欲しいと思う。
宿は1室銅貨50枚の部屋と銅貨60枚の部屋を取った。2人部屋と3人部屋で2人部屋のほうが当然ながらやや高い。
そして、俺たちがこれまで泊まっていた宿よりもやや高い。でも、高いなりに整ったいい部屋だ。
「かわいいとこだね」
ミカが目を輝かせながら部屋を見渡す。
ベッド2つに小さなテーブル椅子が2脚あるだけの簡素な部屋だが、ベッドには清潔なシーツがかけられており、刺繍をほどこされた掛け布団らしきものまである。
そもそも、宿の部屋の中でテーブルと椅子を見たのは初めてだ。燭台に置かれたロウソクから魚油の臭いがすることもない。
建物はロの字型になっていて、中庭には水浴びできる場所がある。
「お前らの分も頼んどいてやったからな。ここの公衆浴場も案内してやりたいんだが、今日は遅いし、水浴びで我慢してくれ」
水浴びのできる場所は中庭に作られた木製の小さな小屋2,3人程度が一緒に入れるくらいの広さで男女別である。
「のぞいたら、誰であろうと容赦はしない! のぞいたものには苦痛とともに死を!」
俺は中庭でむさ苦しい男どもに宣言する。先輩であっても、これだけは譲れないところだ。
「でも、一番のぞいてきそうなの、シカタくんだよねっ!」
ミカがニコニコして言う。
「俺であろうと容赦はしない。我が生涯に一片の悔い無しって叫んだ後に腹かっさばいて死ぬる所存」
「そのときは我が介錯してやろう」
「チュウジくんはのぞかないんですか?」
サチさんが真顔でチュウジの顔をのぞきこむ。
チュウジが真っ赤になる。
「そのようなことはせぬ。絶対にせぬのだ!」
「のぞきたくないんですか?」
サチさんの追い打ちにチュウジは耳まで真っ赤になる。まるでお弁当に入ってるタコさんウインナーのような色だ。
からかわれてるなぁ。助け舟を出してやろう。
チュウジの肩をつかむと2人でその場に座り込んだ。
「その時は2人で、眼福やぁーと叫びながら切腹ショーを披露する所存」
「さっきから口調がおかしくなってるよ」
「いや、だって想像したら、頭に血がのぼってわけわかんなくなっちゃって……なんか鼻血出そう……」
ほっぺたをつねられた。
「散々、純情な俺たちをからかっといて、それはないでしょう?」
俺が抗議するとミカは笑って言う。
「からかうと可愛いんだもん。でも、みんなのことは信用しているからね」
ふと気がつくと、もうアロさんたちは水浴びを始めている。順番待ちしている中には小屋に入らないで服脱ぎはじめているおっさんもいる。
「アロさん曰く、『いちゃいちゃしてるの見てたら体中痒くなってきたわ』だそうです。私も先に水浴びしますからね、バカップル&その予備軍」
水はとても冷たかった。
ちなみに女性陣の使った桶の水は湯がさされていて温かかったそうである。
ミカがつぶやく。
切り立つ崖の上に、秋の日差しを浴びて輝く小さな白亜の城が見える。
小さいのは遠くにあるからで実際にはかなり大きな城壁なのだろう。
城壁にもうけられた門には石の橋からは石畳の道らしきものが縦横に広がっているのが見える。
カステルム・フェロールム、通称カステの街は山あいに作られた城壁とその周囲に広がる街区からなる。
俺たちは旅人が集まる商業区に今いる。
報酬は宿で荷解きしてからヴェサ商会の建物に取りに行くことになっている。
「お嬢ちゃんは、この街に来るの初めてだもんな」
横を歩いていたアロさんがミカに声をかける。彼には良い宿を紹介してもらうことになっている。
「ここは鉄だけでなくて、石も取れるからな」
アロ隊の1人ペッコさんが続ける。
「綺麗な石も取れるし、細工師も多い。ここでアクセサリーを買って、馴染みの女のとこに持ってくといい感じになるんだよ。嬢ちゃんもノッポの兄ちゃんに1つくらい買ってもらったらどうだい?」
「えっ? えっ? ペアのアクセサリーとかはやいし!?」
ミカが狼狽している。ペアのアクセサリーか。買う、サプライズでペアリング買ってびっくりさせる。そう決めた。
いいか、主将よ。お前が煉獄で汚れきった心を浄化しているときに俺はファンタジーの世界にいるんだぞ。
今、これが死ぬ間際に見た夢だったとしても、俺は安らかな顔で逝ける自信がある。
「じゃあ、先生には読み書き教えてもらった授業料として俺が良いの買ってあげちゃおうかな」
もう1つの護衛チーム、トマ隊のリーダー、トマさんがサチさんに貢ぐ宣言をしている。
トマ隊のメンバーはぽかぽかとトマさんを殴りつけ、抜け駆けをするなと叫んでいる。
サチさんは旅の間、読み書きの先生役を勤めたこともあって、大人気だ。
「おっさんたちは私を見習ってもう少し遠慮しましょうね」
サゴさんが別パーティーのおじさんたちをなだめている横でチュウジが1人うつむいている。
とても、わかりやすいが、今しばらくは放っておいてやろう。
夕方の街、石畳の道を俺たちはわいわいとさわぎながら歩く。
出発地のグラースとカステを比べてみると、活気は変わらないが、雰囲気が違う。
海のそばでべたっとした潮風を感じることも多かったグラースに比べると、こちらは乾燥した感じだ。
標高もこちらのほうが高いのだろう。やや涼しく感じるし、街中の人々の服装も重ね着が多い。
あちらの街だと上半身裸のおっさんとか結構見たけど、ここにはいない。
過ごしやすいといえば、過ごしやすい。
しかし、ここで水浴びは辛いだろうな。
古びたレンガ作りの建物の前でアロさんが振り返った。
窓の付き方から見て、4階建てだ。
これもグラースの街、少なくとも俺たちが歩き回れる街区では見なかったものだ。
「俺たちの定宿だ。まぁ、豪華ってわけじゃないが、寝てて体中が痒くなったりしないから良いぞ」
1階は酒場になっている。
夕方の酒場はそこそこに人が入っていて賑やかだ。
アロさんはずかずかと入っていくと、中のカウンターのおばちゃんに声をかける。
「アロ、あんた、まだくたばっていなかったのかい」
「ばばぁ、俺たちがいなかったら、このボロ宿の売上が激減しちまうだろ。それにな、今回はぴちぴちの新人も連れてきてやったぞ」
「あら、可愛いお嬢さん方だこと。こんな子たちが泊まってくれるんなら、アロたちはもういらないね」
でしょ。でしょ。可愛いでしょ。なんか自分が褒められたときよりも嬉しい。
「いらないはないだろう。むしろ、紹介料として宿代まけてくれたっていいんだぜ」
トマさんが口をはさむ。
「まけるわけないだろ、ぼんくら。でも、ワイン1杯くらいはサービスしてやるよ。お嬢ちゃんたちは甘いものでもあげようね」
みんなにワイン、女性陣にはミードを振る舞ってくれるおばちゃん。
口が悪いけど、アロさんたちとは仲が良さそうだ。
「久しぶりのワイン。いやぁ、最高ですね」
サゴさんは嬉しそうに言うと、あっという間に飲み干してしまった。
「荷物片付けて、報酬受け取って、あとはこの続きをやらないと」
翌朝に落ち武者にならない程度に飲んで欲しいと思う。
宿は1室銅貨50枚の部屋と銅貨60枚の部屋を取った。2人部屋と3人部屋で2人部屋のほうが当然ながらやや高い。
そして、俺たちがこれまで泊まっていた宿よりもやや高い。でも、高いなりに整ったいい部屋だ。
「かわいいとこだね」
ミカが目を輝かせながら部屋を見渡す。
ベッド2つに小さなテーブル椅子が2脚あるだけの簡素な部屋だが、ベッドには清潔なシーツがかけられており、刺繍をほどこされた掛け布団らしきものまである。
そもそも、宿の部屋の中でテーブルと椅子を見たのは初めてだ。燭台に置かれたロウソクから魚油の臭いがすることもない。
建物はロの字型になっていて、中庭には水浴びできる場所がある。
「お前らの分も頼んどいてやったからな。ここの公衆浴場も案内してやりたいんだが、今日は遅いし、水浴びで我慢してくれ」
水浴びのできる場所は中庭に作られた木製の小さな小屋2,3人程度が一緒に入れるくらいの広さで男女別である。
「のぞいたら、誰であろうと容赦はしない! のぞいたものには苦痛とともに死を!」
俺は中庭でむさ苦しい男どもに宣言する。先輩であっても、これだけは譲れないところだ。
「でも、一番のぞいてきそうなの、シカタくんだよねっ!」
ミカがニコニコして言う。
「俺であろうと容赦はしない。我が生涯に一片の悔い無しって叫んだ後に腹かっさばいて死ぬる所存」
「そのときは我が介錯してやろう」
「チュウジくんはのぞかないんですか?」
サチさんが真顔でチュウジの顔をのぞきこむ。
チュウジが真っ赤になる。
「そのようなことはせぬ。絶対にせぬのだ!」
「のぞきたくないんですか?」
サチさんの追い打ちにチュウジは耳まで真っ赤になる。まるでお弁当に入ってるタコさんウインナーのような色だ。
からかわれてるなぁ。助け舟を出してやろう。
チュウジの肩をつかむと2人でその場に座り込んだ。
「その時は2人で、眼福やぁーと叫びながら切腹ショーを披露する所存」
「さっきから口調がおかしくなってるよ」
「いや、だって想像したら、頭に血がのぼってわけわかんなくなっちゃって……なんか鼻血出そう……」
ほっぺたをつねられた。
「散々、純情な俺たちをからかっといて、それはないでしょう?」
俺が抗議するとミカは笑って言う。
「からかうと可愛いんだもん。でも、みんなのことは信用しているからね」
ふと気がつくと、もうアロさんたちは水浴びを始めている。順番待ちしている中には小屋に入らないで服脱ぎはじめているおっさんもいる。
「アロさん曰く、『いちゃいちゃしてるの見てたら体中痒くなってきたわ』だそうです。私も先に水浴びしますからね、バカップル&その予備軍」
水はとても冷たかった。
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