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年齢なんて気にしない
⑤2️⃣【雪と康介】
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「うわーここが雪さんの部屋かあ。」
「あまりジロジロ見ないでよ。」
「そうだよ。康ちゃん。女性の部屋をジロジロ見ちゃいけないよ。」
「はーい。」
3人は雪のマンションにやって来た。
取り敢えず静かなところで話しをしようと言うことになって何故か雪のマンションになった。
食卓を前にして椅子に大人しく座っている康介と叔母さん。
雪はコーヒーをお盆に乗せて運んできて康介と叔母さんの前に置いて椅子に座った。
叔母さんが話し始めた。
「ねえ、雪ちゃん。康介と付き合うだけ付き合ってみちゃもらえないかねえ。」
「叔母さん。さっきも言ったけど無理です。」
「雪さん。」
「待って。名前で呼ばないでくれる?中谷君。」
「そうですね。すみません。」
「雪ちゃん。名前呼びくらいいいじゃないの。」
叔母さんが康介の味方をする。
「駄目です。私たちはまだ赤の他人なんですから。」
「真面目だねえ。雪ちゃんは。」
雪は康介を見て
「なんですか?中谷君。」
「あのう、加賀さん。加賀さんは結婚を一生しないつもりなんですか?」
「そんなことはありませんよ。いい御縁があればいいなと思っています。」
「こんな事を言うと怒るかもしれませんけど。選り好みをしていると売れ残りますよ?加賀さん。」
雪は顔を真っ赤にして
「選り好みなんてしてません。」
「これ!康ちゃん。余計なこと言わないの!」
雪は立ち上がって
「もう帰ってください。話はこれで終わりです。」
雪は二人を追い立てるように玄関へ誘導した。
「雪ちゃん。断るなら、一度康ちゃんとデートをして。」
「それでも嫌ならしょうがない。だから1回だけ。お願い。」
叔母さんが手を合わせて雪に拝む。
叔母さんのうしろを見ると康介も拝んでいた。
雪は無意識にそんな康介が可愛と思ってしまった。
そして年の差があるから無理だと分かっているのに雪の口から
「分かりました。1回だけですよ。」
と言う言葉が出てしまっていた。
叔母さんは雪の気が変らない内に引き上げようと康介を玄関から外へ押し出した。
「雪ちゃん。日は改めて連絡するから。じゃあまたねー。」
康介は「さようならーーーー。またねーーーー。」と叫んでいた。
「あの2人には負けるわ。すごい粘り。」
でもなぜか雪の心は弾んでいた。
約束のデートの日
二人はボーリング場にいた。
雪はボーリングはそんなに得意でもなかったが、康介よりも得点が多かった。
ちょっと年上の貫禄を見せる事が出来たようで少し鼻がたかかった。
「ねえ。加賀さん。次で最後のゲームにしましょう。」
「うん。わかった。」
康介は雪に賭けを持ちかける。
「加賀さん。俺と賭けをしませんか?」
「いいわよ。」
私が負けるわけないものと思っていた雪は自信満々で
「何を賭けるの?」と聞いた。
「俺が勝ったら加賀さんの事を名前で呼ばせて下さい。」
「えーー。」
「いいでしょう?」
にやりと笑って
「それとも俺に負けるのが怖いんですか?」
「わかった。じゃあ私が勝ったら?ご褒美は?なに?」
康介は真面目な顔で言った。
「加賀さんを諦めます。」
「え?」
「あなたの望み通りにします。どうですか?」
雪は言葉に詰まった。
すぐに返事を出来ない自分に雪は内心驚いていた。
いつの間にか康介と一緒にいることが楽しくなっていたからだ。
「加賀さん。どうしますか?」
引くに引けなくなった雪は
「いいでしょう。やりましょう。」
「決まりですね。」
先攻は雪になった。
二人の得点は拮抗していた。
第8、第9フレーム共にストライクもスペアも無く二人の得点は雪が100点。康介が99点。
残すは第10フレームのみ。
雪の1投目ストライク。
2投目ストライク。
3投目8ピン。
合計128点。
雪は適当になげただけなのに、高得点が出てしまった。
康介が雪に勝つにはストライク3つ取って129点にするしかない。
康介1投目ストライク。
2投目ストライク。
雪はいつの間にか康介を応援していた。
あとひとつストライクを取って私に勝ってと。
康介は黙って雪の顔を見てボールを構えて投げた。
8ピンは倒れたが2ピンが残りその内の1ピンがまだ揺れて動いていた。
くるくるコマのように揺れて残っていた隣のピンに、もたれかかるように・・・・2ピンとも倒れた。
129点。
康介が勝った。
雪も劇的な康介の勝ち方に飛び跳ねるように康介の元へハイタッチをしにいった。
ハイタッチをしたあと我に返った雪は、康介に何も言わずスーっと幽霊のように姿を消してお化粧室に行った。
「どうしよう。私。あんなに喜んで。あれじゃあ中谷くんと縁を切りたくないみいたいじゃないの。」
「恥ずかしくて戻れない。」
雪はその後30分間、お化粧室から出て来なかった。
諦めてそこから出て戻ってみると康介はいなかった。
「あの子・・・いない。」
「ゆーーーきちゃん。」
雪が呼ばれた方を振り向くと康介が、満面の笑みで後ろに立っていた。
あ・・だめ・・この子・可愛い
「約束通り呼ばせてもらいます。」
「うん。」
加賀 雪35歳独身・・私、この子に恋しちゃったかも。
「あまりジロジロ見ないでよ。」
「そうだよ。康ちゃん。女性の部屋をジロジロ見ちゃいけないよ。」
「はーい。」
3人は雪のマンションにやって来た。
取り敢えず静かなところで話しをしようと言うことになって何故か雪のマンションになった。
食卓を前にして椅子に大人しく座っている康介と叔母さん。
雪はコーヒーをお盆に乗せて運んできて康介と叔母さんの前に置いて椅子に座った。
叔母さんが話し始めた。
「ねえ、雪ちゃん。康介と付き合うだけ付き合ってみちゃもらえないかねえ。」
「叔母さん。さっきも言ったけど無理です。」
「雪さん。」
「待って。名前で呼ばないでくれる?中谷君。」
「そうですね。すみません。」
「雪ちゃん。名前呼びくらいいいじゃないの。」
叔母さんが康介の味方をする。
「駄目です。私たちはまだ赤の他人なんですから。」
「真面目だねえ。雪ちゃんは。」
雪は康介を見て
「なんですか?中谷君。」
「あのう、加賀さん。加賀さんは結婚を一生しないつもりなんですか?」
「そんなことはありませんよ。いい御縁があればいいなと思っています。」
「こんな事を言うと怒るかもしれませんけど。選り好みをしていると売れ残りますよ?加賀さん。」
雪は顔を真っ赤にして
「選り好みなんてしてません。」
「これ!康ちゃん。余計なこと言わないの!」
雪は立ち上がって
「もう帰ってください。話はこれで終わりです。」
雪は二人を追い立てるように玄関へ誘導した。
「雪ちゃん。断るなら、一度康ちゃんとデートをして。」
「それでも嫌ならしょうがない。だから1回だけ。お願い。」
叔母さんが手を合わせて雪に拝む。
叔母さんのうしろを見ると康介も拝んでいた。
雪は無意識にそんな康介が可愛と思ってしまった。
そして年の差があるから無理だと分かっているのに雪の口から
「分かりました。1回だけですよ。」
と言う言葉が出てしまっていた。
叔母さんは雪の気が変らない内に引き上げようと康介を玄関から外へ押し出した。
「雪ちゃん。日は改めて連絡するから。じゃあまたねー。」
康介は「さようならーーーー。またねーーーー。」と叫んでいた。
「あの2人には負けるわ。すごい粘り。」
でもなぜか雪の心は弾んでいた。
約束のデートの日
二人はボーリング場にいた。
雪はボーリングはそんなに得意でもなかったが、康介よりも得点が多かった。
ちょっと年上の貫禄を見せる事が出来たようで少し鼻がたかかった。
「ねえ。加賀さん。次で最後のゲームにしましょう。」
「うん。わかった。」
康介は雪に賭けを持ちかける。
「加賀さん。俺と賭けをしませんか?」
「いいわよ。」
私が負けるわけないものと思っていた雪は自信満々で
「何を賭けるの?」と聞いた。
「俺が勝ったら加賀さんの事を名前で呼ばせて下さい。」
「えーー。」
「いいでしょう?」
にやりと笑って
「それとも俺に負けるのが怖いんですか?」
「わかった。じゃあ私が勝ったら?ご褒美は?なに?」
康介は真面目な顔で言った。
「加賀さんを諦めます。」
「え?」
「あなたの望み通りにします。どうですか?」
雪は言葉に詰まった。
すぐに返事を出来ない自分に雪は内心驚いていた。
いつの間にか康介と一緒にいることが楽しくなっていたからだ。
「加賀さん。どうしますか?」
引くに引けなくなった雪は
「いいでしょう。やりましょう。」
「決まりですね。」
先攻は雪になった。
二人の得点は拮抗していた。
第8、第9フレーム共にストライクもスペアも無く二人の得点は雪が100点。康介が99点。
残すは第10フレームのみ。
雪の1投目ストライク。
2投目ストライク。
3投目8ピン。
合計128点。
雪は適当になげただけなのに、高得点が出てしまった。
康介が雪に勝つにはストライク3つ取って129点にするしかない。
康介1投目ストライク。
2投目ストライク。
雪はいつの間にか康介を応援していた。
あとひとつストライクを取って私に勝ってと。
康介は黙って雪の顔を見てボールを構えて投げた。
8ピンは倒れたが2ピンが残りその内の1ピンがまだ揺れて動いていた。
くるくるコマのように揺れて残っていた隣のピンに、もたれかかるように・・・・2ピンとも倒れた。
129点。
康介が勝った。
雪も劇的な康介の勝ち方に飛び跳ねるように康介の元へハイタッチをしにいった。
ハイタッチをしたあと我に返った雪は、康介に何も言わずスーっと幽霊のように姿を消してお化粧室に行った。
「どうしよう。私。あんなに喜んで。あれじゃあ中谷くんと縁を切りたくないみいたいじゃないの。」
「恥ずかしくて戻れない。」
雪はその後30分間、お化粧室から出て来なかった。
諦めてそこから出て戻ってみると康介はいなかった。
「あの子・・・いない。」
「ゆーーーきちゃん。」
雪が呼ばれた方を振り向くと康介が、満面の笑みで後ろに立っていた。
あ・・だめ・・この子・可愛い
「約束通り呼ばせてもらいます。」
「うん。」
加賀 雪35歳独身・・私、この子に恋しちゃったかも。
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