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年齢なんて気にしない
④強盗団
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深夜1時55分加賀邸前に静かに黒のワンボックスカーが止まった。
後部座席から黒の目出し帽を被って3人の男が降りて来た。
1階の部屋の窓ガラスを割って侵入した3人。
1人はすぐに玄関の鍵を開けておいた。
情報では夜は1階には誰もいないことになっている。
男たち3人は素早く2階へと向かう。
突き当たりを右に曲がると娘が、左の部屋に母親がいることになっていた。
車に残っていた男が目出し帽を被って5分後、遅れて玄関から侵入して1階で待機していた。
暫くしすると2階から足音がして雪と栄子が両手首を縛られて降りてきた。
二人は食卓の椅子に座らせられて、テーブルの上には通帳と印鑑、キャッシュカードが置いてあった。
男が二人にメモを見せた。
『暗証番号を教えろ。』
二人はどうしていいかわからず黙っていた。
パン! パン!
男は栄子と雪の頬を平手打ちしてまたメモを見せた。
『次は殺すぞ』
『暗証番号を教えろ』
ちょうどその時、中谷はトイレに行きたくなって目をさまして廊下に出た。
左側の突き当たりリの左右の部屋の戸が開いて明かりがついていた。
栄子さんと雪さんの部屋だ。
女性二人の部屋を除いては悪いと思ったが気になったのでそーっと覗いてみた。
部屋が散らかっていた。
次の瞬間、中谷は部屋に戻り服を着替えて、何か武器になるものをさがして、目についた突っ張り棒の竿を外して手に持った。
静かに階段を降りてそーっと1階を覗いてみると栄子と雪が手を縛られていた。
あ!
栄子と雪の頬が赤く腫れていた。
中谷の怒りが爆発してしまった。
奇声を発して中谷が突っ張り棒を持って出てきた。
刀で切るように
「きえーーーーっ!」
バシッ!バシッ!バシ!バシ!
あっという間に4人を倒してしまった。
栄子と雪の縄をほどいて二人を抱きしめた。
「もう大丈夫だから。」
と声を掛けた。
二人は泣いていた。
「栄子さん。雪さん。あなた達に暴力をふるったのはどいつですか?」
栄子と雪が同時に指をさす。
中谷はそいつの目出し帽を剥ぎ取り、張り手を10発かましてやった。
そのあと目出し帽を被せて他の男たちと一緒に縛り上げた。
この事件から3ヶ月後、栄子と中谷は結婚した。
栄子57歳。
中谷35歳。
あの事件がなかったら二人は結婚してなかっただろう。
一応雪は母を止めたが無駄だった。
不幸になるのが目に浮かぶような結婚を選ぶなんて、雪には信じられなかった。
これから一人で自由に暮して行けば良いものを。
中谷は結婚を期に引っ越して来た。
そして雪は近くのマンションで一人暮らしをすることになった。
そんなある日、雪は西田の叔母さんから呼び出された。
待ち合わせの喫茶店に行くと、叔母が先に来ていた。
軽く手を上げて、こっちこっちと呼ぶ叔母さん。
「叔母さん。用事って何?」
「あんたにお見合い写真持ってきたの。」
ウエイトレスが注文をとりに来たのでコーヒーを頼んだ。
「叔母さん。私はお見合いしませんよ。」
「まあまあ。写真だけでもみてよ。」
いやだな。
見るの。
どうせ。
40代、50代のおじさんでしょ?
そう思いながら取り敢えず写真を見てみた。
20代前半くらいの若いお兄さんの写真があった。
雪はため息をつきながら
「叔母さん。写真。間違えてるよ。」
「え?どれどれ。」
と叔母も写真を見た。
「ううん。この人だよ。」
「え?」雪はもう一度写真を見てみる。
「え?ほんとにこの子なの?」
「そうだよ。この子。」
「あんたの写真を見せたらぜひお見合いをお願いします。って頼まれてさあ。一目惚れだって。」
これは・・・嫌な予感がする。
「この子も拓坊と同じで年上が好きなのよ。」
「まさか。」
「そうなの。この子は拓坊の弟さんで中谷康介君21歳。大学3年生。」
「お、叔母さん。無理。年が違い過ぎる。」
「でもー、康ちゃんあなたに会いたいって。来てるのよ。」
「え?私のマンションに?」
「まさかあ。」
叔母さんが雪のうしろに視線を移した。
視線を追った雪は、はっとして後ろを振り向いた。
背の高い青年が立っていた。
この写真の男だった。
「こんにちは。はじめまして。中谷康介です。」
ニッコリと笑って
「よろしく。加賀 雪さん。」
後部座席から黒の目出し帽を被って3人の男が降りて来た。
1階の部屋の窓ガラスを割って侵入した3人。
1人はすぐに玄関の鍵を開けておいた。
情報では夜は1階には誰もいないことになっている。
男たち3人は素早く2階へと向かう。
突き当たりを右に曲がると娘が、左の部屋に母親がいることになっていた。
車に残っていた男が目出し帽を被って5分後、遅れて玄関から侵入して1階で待機していた。
暫くしすると2階から足音がして雪と栄子が両手首を縛られて降りてきた。
二人は食卓の椅子に座らせられて、テーブルの上には通帳と印鑑、キャッシュカードが置いてあった。
男が二人にメモを見せた。
『暗証番号を教えろ。』
二人はどうしていいかわからず黙っていた。
パン! パン!
男は栄子と雪の頬を平手打ちしてまたメモを見せた。
『次は殺すぞ』
『暗証番号を教えろ』
ちょうどその時、中谷はトイレに行きたくなって目をさまして廊下に出た。
左側の突き当たりリの左右の部屋の戸が開いて明かりがついていた。
栄子さんと雪さんの部屋だ。
女性二人の部屋を除いては悪いと思ったが気になったのでそーっと覗いてみた。
部屋が散らかっていた。
次の瞬間、中谷は部屋に戻り服を着替えて、何か武器になるものをさがして、目についた突っ張り棒の竿を外して手に持った。
静かに階段を降りてそーっと1階を覗いてみると栄子と雪が手を縛られていた。
あ!
栄子と雪の頬が赤く腫れていた。
中谷の怒りが爆発してしまった。
奇声を発して中谷が突っ張り棒を持って出てきた。
刀で切るように
「きえーーーーっ!」
バシッ!バシッ!バシ!バシ!
あっという間に4人を倒してしまった。
栄子と雪の縄をほどいて二人を抱きしめた。
「もう大丈夫だから。」
と声を掛けた。
二人は泣いていた。
「栄子さん。雪さん。あなた達に暴力をふるったのはどいつですか?」
栄子と雪が同時に指をさす。
中谷はそいつの目出し帽を剥ぎ取り、張り手を10発かましてやった。
そのあと目出し帽を被せて他の男たちと一緒に縛り上げた。
この事件から3ヶ月後、栄子と中谷は結婚した。
栄子57歳。
中谷35歳。
あの事件がなかったら二人は結婚してなかっただろう。
一応雪は母を止めたが無駄だった。
不幸になるのが目に浮かぶような結婚を選ぶなんて、雪には信じられなかった。
これから一人で自由に暮して行けば良いものを。
中谷は結婚を期に引っ越して来た。
そして雪は近くのマンションで一人暮らしをすることになった。
そんなある日、雪は西田の叔母さんから呼び出された。
待ち合わせの喫茶店に行くと、叔母が先に来ていた。
軽く手を上げて、こっちこっちと呼ぶ叔母さん。
「叔母さん。用事って何?」
「あんたにお見合い写真持ってきたの。」
ウエイトレスが注文をとりに来たのでコーヒーを頼んだ。
「叔母さん。私はお見合いしませんよ。」
「まあまあ。写真だけでもみてよ。」
いやだな。
見るの。
どうせ。
40代、50代のおじさんでしょ?
そう思いながら取り敢えず写真を見てみた。
20代前半くらいの若いお兄さんの写真があった。
雪はため息をつきながら
「叔母さん。写真。間違えてるよ。」
「え?どれどれ。」
と叔母も写真を見た。
「ううん。この人だよ。」
「え?」雪はもう一度写真を見てみる。
「え?ほんとにこの子なの?」
「そうだよ。この子。」
「あんたの写真を見せたらぜひお見合いをお願いします。って頼まれてさあ。一目惚れだって。」
これは・・・嫌な予感がする。
「この子も拓坊と同じで年上が好きなのよ。」
「まさか。」
「そうなの。この子は拓坊の弟さんで中谷康介君21歳。大学3年生。」
「お、叔母さん。無理。年が違い過ぎる。」
「でもー、康ちゃんあなたに会いたいって。来てるのよ。」
「え?私のマンションに?」
「まさかあ。」
叔母さんが雪のうしろに視線を移した。
視線を追った雪は、はっとして後ろを振り向いた。
背の高い青年が立っていた。
この写真の男だった。
「こんにちは。はじめまして。中谷康介です。」
ニッコリと笑って
「よろしく。加賀 雪さん。」
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