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1章:新たな人生編
3話,元勇者、ダンジョンで、ラスボスをアッパーカットの刑にする
しおりを挟むダンジョンの中は想像通り魔物で溢れていた。右を向いたらゴブリンがいて、左を向いたらソーサラーがいる。前を向けばサマンティスがいて、後ろはスカベンジャースライム。コレはダンジョンからのサービスなのだろうか?
とはいえ、《虎王の迷宮》とは名ばかりで、ほぼクズ以下のモンスターしかいねぇじゃねえか。
小枝で軽く受け身を取ってから体験でグサリ。超簡単な倒し方を俺は編み出したんだぜ!?(※お前は規格外)
それでブッ倒してったら結構スキルも獲得したし。俺ってラッキーだな!(※自覚ないんか?)
そんな感じでどんどん降りていっていよいよ最下層目前。階数だけはあったな。多分100は降りたぞ?
最下層には、結構立派な扉があった。ここが恐らくラスボスがいる部屋なのだろう。
「さーてと、ラスボスはどんなんだろうな。やっぱ魔神か? それとも悪魔《デーモン》?」
ワクワクしながら扉を開けた。
ギギ―ッ!・・・・・・バタン。
えーと? さっき見たのは気のせいか?? なんであいつがいるんだよ!?
「あは、アハハハ。いやー、アレは気のせいだ。ずっとこもってたから頭がおかしくなったんだ。うん絶対そうだ」
俺は「気のせい気のせい」と繰り返しながら再び扉を開ける。
【ジー!ジ、ジ】
・・・・・・・気のせいじゃなかった。俺は危うく白目をむきそうになるところだった。
触覚に6本足。おまけに真っ黒な体。本来台所にいるはずのアレが、でっかい玉座でふんぞり返ってる。
皆はお気づきだろうか。
「ご、、、GOK○○URI~~~!! ぎゃあああああああああ!」
あ、あいつが・・・・。しかもオーガサイズのGが、いる・・・!!!?
【ジジ―――――――!!】
「こっち来んなぁーーーーーーーーーーー!!!!!」
あれってモンスターか??!! アレがラスボス? ざけんな!! あんなのが《虎王の迷宮》のラスボスって、冗談じゃねえ!! もっと虎とか、ドラゴンとか出せよダンジョン!
【ジジジジジジジジジーーーー!】
「くんなクソムシ!!」
思ったとおりに戦えない。あいつに追いかけられているからです。想像するだけでも・・・オエッ。は、吐き気が・・・。
あーーーーーーーー。やべぇ、ちょっとマジでキレそう。こんなのがラスボスなのがマジでうざいわ。
「・・・・・・う。・・・・・ねや・・・」
【ジ?】
俺はその場で止まって、拳を固めた。
「このクソムシ!! 死ねやゴルァ~~~!!!」
あいつの顎?めがけてアッパーカットを食らわせた。
【ジジジジーーーーーーーーーーーーー!!!!」
あいつは天井を破り、どんどん上へ突き抜けた。・・・よし、害虫駆除完了!
冥王様、見てますか? 俺、5歳にしてあいつを駆除しましたよ。母さん、父さん。俺、成長したよ・・・・!
「ウウッ・・・。大きな試練を乗り越えたよーーーー! うわぁぁぁぁぁ!!!」
その後大きなドラゴンのような泣き声が、街のふもとで聞こえたとかなんとか。
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