はじまらない物語 ~僕とあの子と完全犯罪~

玄武聡一郎

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出題篇 □■□■君は

第九話 (5) 『図書室の妖精』

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 放課後はもうあまり時間がないという事で、僕の推理の検証は夜の自習の時間に持ち越された。
 静まり返った図書室に、僕は七々扇さん、そして――――柊さんを呼び出していた。

「ごめんね、自習時間に」
「いえ……」
「日向君、どうして柊さんだけ呼んだの? 謎が解けたなら、他の二人も誘った方が……」
「いや、まずは柊さんに聞いてもらおうと思って。いいよね?」
「……はい」

 緊張しているような、あきらめているような。
 そして、どこか少し嬉しそうな。
 そんな複雑な表情を浮かべて、柊さんは首肯した。僕は話し始める。

「そもそも、Xはどうしてこんなことをしたんだと思う?」
「それは……相談事に乗ってあげるため?」
「うん、その通り」

 ララちゃんの言葉を受けて、僕はいつも小説を読むように、この謎の事も『読んで』みることにした。
 
 僕は普段『物語』に深く感情移入するために、別段変わったことをやっているわけではない。
 文章や行間といった本の中にある情報から、人物関係や登場人物の感情を読み取っているだけだ。
 ただ、どうも人より少しその精度がいいらしい。ララちゃんに言わせてみれば共感力エンパスがある、と言う話だけど……僕は未だに懐疑的だ。
 だって僕は、実生活では誰かの感情を読み取ったりすることはできない。

 本の中には、本の中だけの世界があって、現実世界はからは隔離されていて。それ故に情報量は限定的だ。
 けれど現実世界はそう単純ではない。
 目まぐるしく変わる人間関係に、まことしやかに吐き出される嘘。
 読者のいない現実世界は、登場人物の動きに整合性を持たせる必要も、理屈を通す必要もない。
 思うがままに移ろいゆく人々の感情は、さながら色とりどりのペンキをぶちまけた現代アートの様で――――僕はその情報の激流をさばききる事が出来ず、精査することができず、ただ飲まれて溺れてしまう。

 だからこそ、僕が感情や行動原理を深く読み取ることができるのは『物語』の中の人間だけなのだ。

 話を進めよう。

 面白い事に、今回謎を解くにあたっては、僕のこのちょっとした特技が役に立った。
 
 『謎』を『物語』と置き換えれば、何故か僕は意外にもあっさりと、登場人物の気持ちをトレースすることができた。
 与えられた情報が限定的で、かつ、登場人物がある程度整合性の取れた行動を取っている必要があったからこそ、成り立ったのではないかと推測はしているけれど……いかんせん不思議なので、今度ララちゃんにでも聞いてみようかなと思っている。

 さて『図書館の妖精の謎』を仮に『物語』だとするならば、Xは中心的なキャラクターだ。
 だから僕は慣れ親しんだやり方で、Xの気持ちを、感情を、とらえてみた。

 まず感じたのは、柔らかな陽だまりの様な温かさだった。
 思春期の真っただ中にある少女たちの悩みを聞き、できることなら力になりたいと願う、温かな気持ち。

「思春期の女子中学生、あるいは高校生の深い悩みを聞いて、それに親身になって応える。何通も、何通も。伊達や酔狂じゃ続けられるものじゃない」

 いいやつなんだ、Xは。
 それはきっと間違いない。

 一方、相談者の方はどうだろうか。
 この学院に通う女子生徒の気持ちを、僕は考えてみた。

 悩みを話すというのは、実に繊細な事柄だと僕は思う。
 しかも、これだけ閉鎖的な空間だ。プライベートな空間は一切なく、人との距離はあまりにも近い。
 もちろん良い点もあるけれど、同時に時に鬱陶しく思う部分もあるだろう。
 
 例えば悩みを吐き出したい時。
 誰かに見られたくない。
 誰にも知られたくない。
 けれど、この想いを吐露したい。
 叶うならば、ささやかでも道しるべを示して欲しい。

 そんな生徒にとって、Xの行う『図書館の妖精』というシステムは実に好都合だ。
 図書館で本を借りるフリをすれば、誰にも見られることなく手紙を挟むことはできる。
 しかも、その本は指定されていない。
 興味本位で探そうとしても、ほぼ確実に見つかることはないだろう。

 安心で安全。
 生徒の事を心から思いやったシステム。そのはずだ。
 。明らかな矛盾がある。

「手紙を読んだだけで、『本当に困っている生徒』っていうのは、一体どうやったら見分けられるんだろうね」
「……中の文章で判断してる……って事はないよね」
「うん」

 それはあり得ない。
 例えば如月さんの「痩せたい」という願いは、確かに心からの悩みではなかった。
 だけど、もし本当に思っていたとしたら?
 それは手紙の文面だけで見分けがつくのだろうか?
 そして、こんなにも生徒を想っているXが、そんな曖昧な手段を取るのだろうか?

「Xなら、もっと確実な手段を取ると思うんだ。そう、例えば――――事前に悩み事がありそうな生徒に声をかけておくとか、ね」
「……え?」

 Xは学院内で、悩み事がありそうな生徒を見つけると声をかけ、例えばこう言うのではないだろうか。

『~~という本に悩みを綴った手紙を挟みなさい。一週間後、返事が来るはずです』

 こうすれば、毎回ランダムに手紙の隠し場所を選ぶことができ、且つ、その隠し場所を知るのはXと相談者だけとなる。
 これだけ沢山の本がある図書館だ。本の場所も、同時に教えている可能性もある。

「こうなると残る問題はただ一つ。相談者がいつ、その手紙を隠したかを知る方法、だけど……そっちはもう解決済みだ」

 手紙を書いた主さえ分かっていれば、監視カメラで図書館に入ったタイミングを見計らって手紙の回収に向かう事ができる。
 学生が自由に手紙を置くことができる時間帯は放課後か夜の自習時間。も
 しかしたら、予め時間の指定までしてあるのかもしれない。そこに絞って監視カメラの録画映像を確認すれば、自ずと手紙をいれた日時は判明する。
 監視カメラを確認できるのはこの学院でただ二人、江口さんと守口さんだ。
 加えて、学院内をいつも自由に移動していて、悩み事がありそうな生徒を見つけられそうな人物と言えば――――。

「『図書館の妖精』は江口さんだ。そうだよね、柊さん?」
「……はい……」

 こくりと小さく頷いた柊さんを見て、僕は放課後の会話を思い出す。

『へー、そんな不思議な事があるんだ。私、全然知らなかった』
『いやー、私も知らなかったんだけどさ、鈴奈ちゃんが図書室の本棚から手紙を取り出すのを由奈ちゃんがたまたま見つけて、それで発覚したってわけ。ね?』
『そーなんですー! 今一部の女子生徒の間で話題になってて、『図書室の妖精』って呼んでるんです!』

 図書館で手紙を取り出す瞬間を見られたことが、そもそもの始まりだったのだろう。
 播磨さんは天真爛漫てんしんらんまんで押しが強く、柊さんは物静かで押しに弱い。
 彼女に色々と聞かれるうちに、手紙の件について何か釈明をしなければならなくなった。

「手紙の相手を『図書館の妖精』という架空の人物にすることで、その正体を不明瞭にしたんだね」
「そうです……」
「そっか……江口さんに気を使ったんだね……」

 再び小さく頷くと、ぽつりぽつりと柊さんは話し始めた。

「江口さんの事は、みんな大好きですから……私だけが文通してるって知ったら、絶対皆ずるいって、私もやる、って、そう言いだすと思って……ただでさえ忙しい中、私の悩みを聞いてくれてるのに、それ以上負担が増えたらって思うと、申し訳なくて……」
「優しいんだね、鈴奈ちゃんは」

 七々扇さんがそっと柊さんの頭を撫でた。彼女の手がゆっくりと往復するたびに、柊さんの肩から少しずつ力が抜けていくのが分かった。

 恐らく今まで『図書館の妖精』の話が知れ渡っていなかったのは、江口さんに悩みを相談した皆が、柊さんと同じ様な気持ちを抱いたからだろう。
 江口さんが『図書館の妖精』であることがばれれば、彼女に色々な人が話を聞きに行くだろう。文通をしたがるだろう。江口さんが図書館に入ったところを目撃した人間が、興味本位で後をつけることもあるかもしれない。
 そうなれば、江口さん自身も困るし、何より、今後彼女に救われるはずの人間が消えてしまうかもしれない。
 
 人の興味は、時に無自覚に人を傷つけ、がんじがらめにする。
 僕たちも危うく、沢山の人を傷つけるところだったのかもしれない。
 江口さんの言葉が脳裏をよぎる。
 『より良い選択』、か……。
 
「鈴奈ちゃん」
「はい……」
「私ねー最近、忘れっぽいんだ」
「は、い……?」
「ね、日向君?」

 透き通った瞳に、図書室の優しい照明がキラキラと反射していた。
 そのまっすぐな視線を受けて、僕も頷く。

「奇遇だね、七々扇さん。実は僕もなんだ」
「なんか、予感がするんだよねー。今日の日向君が言ってた話、明日には忘れちゃってそう」
「僕も自分が何言ってたか、もう忘れちゃいそう」
「ふふ、同じだね。……だからね、鈴奈ちゃん」

 優しい瞳と、とろけそうな声音と、柔らかな表情で七々扇さんは言う。
 『より良い選択』を一瞬で決断した彼女に、形容しがたい、ただ温かい感情を。僕は抱いた。

「真実は、貴方の中だけにある」
「……あ……あの……ありがとう、ございます……っ」
「ふふ、何のことかさっぱりだなー」

 あ、でもね、と七々扇さんは付け加えた。

「一つだけ、お願いがあるんだけど……いいかな?」


◇◇◇


 一週間後、柊さんがこっそりと僕たちに手紙を持ってきてくれた。
 柊さんが手紙を挟む時に、僕と七々扇さんの手紙も一緒に挟んでもらったのだ。
 『図書館の妖精』の真実は、決して口外しない事、スクフェスの出し物には使わないことを記して。
 便せんの上を舞うような文字で書かれた返事の内容は、以下のようなものだった。


『七々扇さん 日向さん
 限られた情報から私の正体を見破ったその推察力、お見事です。またそれ以上に、その推察力を良き方向へと使ってくれていること、何より嬉しく思います。
 真実を明らかにする才能は、あまりにも眩しく、時に濃い影を落とします。
 今回、『図書館の妖精』の真相を公にしないという判断をしてくれたこと、全ての迷える生徒を代表し、お礼申し上げます。
 今度、美味しいマフィンを御馳走しますね。守口さんにも手伝っていただきます。
 お二人の部活動が今後益々発展しますよう、心からお祈りしております。

 追伸――――』 



「ふふ、マフィンだって。嬉しいね」
「そうだね」

 相談をしてくれた播磨さんと如月さんには、残念ながら現時点では真相を突き止めることはできなかったと報告しておいた。加えて、やはりこのことはあまり口外しないで欲しい、ということも付け加えた。

 播磨さんと如月さんは残念そうな顔をしながらも、「まぁそれはそれでガチの七不思議っぽくていいよね」と盛り上がっていた。その陰で、柊さんがぺこりと小さくお辞儀をしていた。僕と七々扇さんは黙って小さく笑って、それに答えた。

 一部の女子生徒の間では噂が広まってしまったようだけど……いずれみんなの記憶からは消えていくだろう。もっと面白い話が、噂が、流行が、女子中高生の中には常に溢れているだろうから。

「それにしても今回は、かんっぺきに日向君のお手柄だよねー! くやしいけどすごかったー!」
「たまたまだ――――むぐっ」
「たまたま何かじゃないよ!」

 七々扇さんの細い人差し指が、僕の唇に触れていた。たった一カ所、体の一部が触れ合ってるだけなのに、なぜか鼓動が高鳴った。

「日向君は、思考のトレースが得意なんだね。起こった事象を文脈として、行間として、感情として読み取って、犯人になりきって、登場人物の気持ちになって、推理できるんだよ。これってすごいことだよ!」

 まぁ犯人って言い方は、今回ちょっとふさわしくないけど。とさらりと笑って、手を引っ込めた。

「今回の事件。私は『数ある本の中から無作為に選ばれた一冊を知る方法』を解くことに必死になってた。だから、『本当の相談事』を見分ける力の方まで頭が回らなかった。その二つの間にある矛盾に気付けなかったんだよ」
「正攻法はそっちの解き方だと思うけどね……」

 僕は決して論理的に物事を解釈することが得意なわけではない。AだからB。BだからC。つまるところ、AはCだ、なんて。日常生活でそんなことを考え始めれば、僕の頭はショートしてしまう。
 けれど、謎解きに本当に必要なのは、きっとそういうロジカルな思考回路で……今回僕が真実に少し早くたどり着けたのは、本当にたまたまだと思う。

「ふふ、麗華さんを『寄り添う天才』とするなら……日向君は『読み取る天才』って感じかな?」
「ララちゃんと比べられるのは正直こそばゆいものがあるなぁ……」

 大体天才ではないしね。
 今回はうまくいったけど、次どうなるかは分からない。
 そもそも、もとをただせばこの謎を解くヒントは、彼女からもらったようなものだ。一体何を、どこまで把握していたのかは分からないけれど、つくづく規格外な子だと思う。
 そんな事を考えていると、七々扇さんが珍しく仏頂面で僕の事を見ている事に気付いた。
 どうしたのだろうと疑問符を浮かべていると、七々扇さんが口を開いた。

「……ララちゃん、だってさ」
「はい?」
「なにさなにさ、仲良くなるまではあだ名で呼ぶのはハードル高い、とか言ってたくせに、麗華さんのことはすぐにあだ名で呼んじゃってさ……。ララちゃん、だってさ。やーらしーんだ」
「い、いやそれは……」

 のっぴきならない事情がありまして、と説明しようとしたが、どこから説明すればいいか分からず、僕は口ごもった。まさかいきなり胸を触った話をするわけにもいかない。

「私は部活にも誘ったし、沢山話しかけてるし、ぼ、ボディタッチもしたし……親密になろうと努力したのに……どういうことですか、日向君」
「え、と……」

 あれやっぱり全部狙ってやってたのか……。
 控えめに言って最高です。本当にありがとうございます。これからももっとお願いします。なんでそんなに僕のことを気にかけてくれてるのかは分からないけど。
 そんな内心とは裏腹に、煮え切らない態度の僕を見て、ますます七々扇さんは眉をひそめ、頬を膨らませた。ふくよかで可愛らしい形の唇が、不服気に開いた。

「……今から独り言を言います」
「はい?」
「独り言だからね。あくまで。別に誰かに聞かせたいわけじゃないんだからね」
「は、い……」

 どうやら僕に発言権はないらしい。ここは大人しく従うに限るだろう。

「一緒に謎解きもして、なんなら同じ部に所属してて、これから一緒に行動することもたくさんあるような人には、苗字じゃなくて名前で呼んで欲しいなー」
「な、名前⁈ あだ名じゃなくて⁈」 
「あー、夢莉さんって呼んで欲しいなー」
「は、ハードルが高いって……」
「んー、夢莉ちゃん、にしてもらおっかなー」
「なんでハードルあげたのっ⁈」
「誰とは言わないけど、呼んでくれないかなー」
「~~~~っ!」

 ちらちらとこっちを見ながら、だんだんと恥ずかしくなってきたのか、頬に赤みが差した七々扇さんの表情が。仕草が。立ち振る舞いが。あまりにも可愛くて。
 僕は火照る顔を右手で押さえて、声を振り絞って、言った。

「わかったよ……ゆ……夢莉……さん」
「んー?」
「夢莉、さん」
「もう一声?」
「も、もう許して……」
「えへへ、冗談だよ」

 そして彼女は。
 ぱっと花が咲いたみたいに笑った。
 くるりとこちらに反転し、スカートを、背中の辺りでたっぷりと揺れる黒髪を。
 カーディガンの裾を。
 何とも言えない、甘い香りを。 
 ふわりとなびかせて。

「改めて、これからもよろしくね! 奏汰君っ!」

 彼女は僕をそう呼んだ。
 六月が始まったばかりの、良く晴れた日の事だった。
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