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出題篇 □■□■君は
第六話 (2) 『図書室の妖精』
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次の日の放課後、人のいない教室で僕は七々扇さんと向き合って座っていた。
大体の生徒は放課後、体育館で運動をしたり、寮の部屋でだらだらしたり、その他自分の部活に励んでいるから、教室はがらんとしている。放課後の教室がいっぱいになるのは、期末テスト前くらいのものなのだそうだ。
年季を感じる机の上にいそいそと何かを用意する七々扇さんを僕はぼんやりと眺めた。
今日の七々扇さんはポニーテール。いつもは隠れていて見えないうなじがちらちらと見えて、これまたポイントが高い髪型だ。
日によって髪型や小物を上手に使って、簡単ながらも効果的にお洒落をしてくれる七々扇さんは、僕たち男子生徒の目の保養だよなぁ、うんうん。
「それで、一体文芸部っていうのは何すればいいの?」
「ふふーん、まぁまぁそう慌てなさんなお若いの、なんちゃって。まずはこれを見てくれる?」
机の上に並べられたのは、数枚の可愛い便せんだった。中身は見えないけれど、便せんの柄から、差出人は女子だろうと推測できた。
「私ね、恥ずかしながら、この学院でよく相談事を受けるんだ。と言っても、物探しとか、人探しとか、そんな日常の些細な事が多いんだけどね」
「あぁ、そう言えば入学当初に何か事件を解いて、そこから噂が広まったんだっけ?」
「あ、知ってたんだ。あはは、恥ずかしいなぁ……。うん、そうなの。ほんと、事件なんて言えないような、下らない事だったんだけどね」
困ったように笑いながら、七々扇さんが言った。本人的には、大した事をしたつもりではないらしい。
「どんな事件だったの?」
「えー、ほんと下らないよ?」
「せっかくだし、聞いておきたいなって」
「もー、大したことじゃないんだけどなぁ。えっと、日曜礼拝ってあるじゃない? 週に一度のながーい礼拝」
僕はこくりと頷く。入学してもう三回は体験している。
「四月最初の日曜礼拝の日だったんだけど、礼拝が終わってしばらくして……丁度お昼ご飯の前だったかな? 誰かが言ったの『礼式がない』って」
礼式、というのは、礼拝で斉唱する聖書の内容が書かれた青色の小さな冊子のことだ。
一人一冊必ず持っていて、毎日使うものだからと、大体みんなブレザーの内ポケットに入れている。
「そしたらびっくり、『私も!』『僕も!』って、次々に同じように礼式がなくなった人が続出してね。結局、クラスの半数の子の礼式がなくなってることが分かったの」
「それはまた変だね。一人ならまだしも、半数だなんて」
「だよね。それでクラスは騒然。なくした子があまりにも多かったから、誰かが盗んだんじゃないか! なんて意見まで出始めて……」
「まぁ、そう思うのも無理ないよね」
一人二人ならまだしも、うちのクラスの半分となると十人以上の子が同時に礼式をなくしたことになる。誰かが作為的に持ち出したと思う人が出てきても不思議じゃない。
「でもおかしいじゃない? 礼式なんて盗んだって、その人には何の得もないし……」
「確かにね」
礼式なんて別に価値のあるものじゃないし、沢山持っていて得がある物でもない。はっきり言って邪魔になるだけだと思う。
「それで、結局どこにあったの?」
「讃美歌集の中だよ」
讃美歌集の中……?
少し考え、僕は一つの可能性に思い当たった。
「もしかして、挟んじゃってそのまま……?」
「そ。笑っちゃうよねー」
日曜は歌う讃美歌がいつもより多いため、入り口で讃美歌集が配られる。
もちろんそれは、退場する時に返さなくてはならない。
讃美歌集は礼式よりもはるかに大きく、分厚いから、確かに礼式を間違って挟んでしまえば気付かないだろう。けれど……
「どうしてクラスの半分もの生徒が? そもそも、なんで七々扇さんはそれに気づいたの?」
「無くした人の名前を聞いてみるとね、みんな高校から入学した人ばっかりだったの。それにその日は、四月に入って初めての日曜礼拝だったから――――」
「なるほど。高校から入学した人にとっては、初めて体験する長い礼拝だったって訳か」
「ふふ、そういう事。しかも、退場のタイミングも最初だったからね」
慣れていない生徒は、司教様の長いお話しにウトウトとし、そして讃美歌斉唱の段階になって慌てて立ち上がり、ページをめくる。讃美歌と礼式は交互に用いるから、開いた讃美歌集の上に礼式を広げる子は多いだろう。
そして最後の讃美歌斉唱が終わればすぐに退場だ。退場するタイミングは学年ごとに決まっていて、その週は高一が一番に席を立つ番だったのだろう。
歌い終わって讃美歌集を閉じ、すぐに退場するから、間違って讃美歌集に礼式を挟んでしまっていても、気付くタイミングはない。
「それにしても人数が多い気はするけど……」
「先生の話だと、毎年数人は同じことしちゃう人がいるんだって。でも今年は特に多い、抜けてる子が多いのかもって、先生が苦笑いしてた」
「なるほど」
つまり、七々扇さんは「日曜礼拝という特殊な状況」と「礼式を失くした人の共通点」をつなぎ合わせ、そこから想定できる状況を想像し、答えを描き出したという訳だ。
「因みに七々扇さんは失くした人の中に入ってたの?」
「私? 私は違うよ?」
「そう」
「どうして?」
「いや……。自分が失くしてないのに、失くした人の状況を想像できるって、すごいよなぁと思って」
きょとんとした顔の七々扇さんを見つつ、僕は思う。
起こった事件自体は、確かに些細な出来事だ。密室殺人事件を解決したわけでもなければ、連続強盗事件を解決したわけでもない。
けれど、与えられた情報から答えを導き出すまでのプロセスには、やはり非凡なものがあると思う。
僕はこうして、七々扇さんにすぐに答えを聞いたから何ともない事件に思えるけど、果たして当事者としてその場にいた時、同じ思考を辿れるだろうか。
七々扇さんは、冷静に事件が起こった時の状況を把握して、共通項をくくりだし、更にそこから真相を探り当てた。論理的、且つ柔軟な推理力を持っているんだろう。
「ほ、ほめすぎだよー……」
「そうかな? 現にその事件から一か月以上経つ今でも、そうやって相談事が持ってこられてるよね。それって、七々扇さんがその後も、問題を解決し続けてるからでしょ?」
その事件一回こっきりなんだとしたら、相談事が届けられ続けることはないだろう。
礼式事件はあくまできっかけであって、全てではないはずだ。
気になるのは、ララちゃんのあの言葉だけど……
気づくと、暫し考え込んでいた僕の顔を、七々扇さんがじーっと見つめていた。
今日は両目とも二重だ。日によって左目は一重になったり、二重になったりするらしい。なんだっけ、疲れてるときは二重になりやすいって言ってたかな。
「日向君ってさ……」
「な、なに……?」
数拍の後、ふわっと笑うと、七々扇さんは「ううん、なんでもない」セリフを閉じた。何を言いかけたんだろう……?
「話を戻すね。とにかく、私の元にはこうして週に二、三通、お悩み事が届くの。で、その中にはちょっと面白いのもあって……」
「面白い相談?」
「うん、いわゆる『学校の七不思議』みたいなやつ。多分七つに限らないとは思うけど、形式的にそういう名前で呼ぶね」
話が見えてきた気がして、僕はなるほどと相槌を打った。
「スクフェスではそれを発表しようって思ってるんだね」
「せーかい! 別にね、発表形式は何でもいいかなって思ってるんだ。スクフェス当日に配られるパンフレットに挟んでもらってもいいし、スタンプラリー形式にして、『七不思議』の概要を書いた小冊子を学院内にちりばめてもいい。学院を面白く、新しい切り口で皆に見てもらえる、いい企画だと思わない? あ、その『七不思議』と似たような話が載っている小説を紹介したら、もっと良いかも!」
面白い、とひいき目なしで僕は感じた。
特にスタンプラリー形式なのはいい。ゲーム感覚でこの学院内を練り歩くのは、外部から来たお客さんにとってもきっと楽しいだろうし、何より『七不思議』に関わる内容というのもキャッチーだ。ただし。
「問題が二つあると思う」
「ほいほいなんでしょう」
「一つは、相談事の内容として持ち掛けられているんだから、あまり公にしない方がいいんじゃないか、ってこと。内密に済ませたい子も、いるんじゃないかな」
「ふむふむ」
「もう一つは『七不思議』の真相を解明しないと、発表内容としては少しぬるいとんじゃないかって思うこと。こんな不思議があります! だけじゃ、ちょっと弱いよね」
「ふむふむふむ、さすがは日向君、鋭いねぇ」
いやこれくらいは普通だろう。
現に七々扇さんの表情を見れば、この質問は想定内だったことが分かるし、なんなら答えも用意してあることは明らかだ。
「一つ目に関しては、勿論本人に確認するよ! 興味本位、軽い感じで私に相談してくる人も結構いるから、その点は問題なさそうかな。現にこの後、図書室で『七不思議』の一つを相談してくれた人に会いに行くんだ」
「そうなんだ」
なるほど、そういう事まで請け負っているのか。
この感じだと、~さんと~君が付き合ってるって噂があるんですけど、調べてください! みたいな相談事もありそうだ。大変だな、七々扇さん……。
「で、もう一つ。こっちに関しては私一人だとちょっと不安だったんだけど……強力な助っ人も来たし、あんまり心配してないんだ」
「あー……」
「という訳で日向君。一緒に図書室行こ?」
まぁ、そりゃそうなるか。僕も文芸部の部員なわけだから、当然手伝う義務がある。
けど僕、強力な助っ人って言う程、謎解きとか得意じゃないんだけどなぁ……。
大体の生徒は放課後、体育館で運動をしたり、寮の部屋でだらだらしたり、その他自分の部活に励んでいるから、教室はがらんとしている。放課後の教室がいっぱいになるのは、期末テスト前くらいのものなのだそうだ。
年季を感じる机の上にいそいそと何かを用意する七々扇さんを僕はぼんやりと眺めた。
今日の七々扇さんはポニーテール。いつもは隠れていて見えないうなじがちらちらと見えて、これまたポイントが高い髪型だ。
日によって髪型や小物を上手に使って、簡単ながらも効果的にお洒落をしてくれる七々扇さんは、僕たち男子生徒の目の保養だよなぁ、うんうん。
「それで、一体文芸部っていうのは何すればいいの?」
「ふふーん、まぁまぁそう慌てなさんなお若いの、なんちゃって。まずはこれを見てくれる?」
机の上に並べられたのは、数枚の可愛い便せんだった。中身は見えないけれど、便せんの柄から、差出人は女子だろうと推測できた。
「私ね、恥ずかしながら、この学院でよく相談事を受けるんだ。と言っても、物探しとか、人探しとか、そんな日常の些細な事が多いんだけどね」
「あぁ、そう言えば入学当初に何か事件を解いて、そこから噂が広まったんだっけ?」
「あ、知ってたんだ。あはは、恥ずかしいなぁ……。うん、そうなの。ほんと、事件なんて言えないような、下らない事だったんだけどね」
困ったように笑いながら、七々扇さんが言った。本人的には、大した事をしたつもりではないらしい。
「どんな事件だったの?」
「えー、ほんと下らないよ?」
「せっかくだし、聞いておきたいなって」
「もー、大したことじゃないんだけどなぁ。えっと、日曜礼拝ってあるじゃない? 週に一度のながーい礼拝」
僕はこくりと頷く。入学してもう三回は体験している。
「四月最初の日曜礼拝の日だったんだけど、礼拝が終わってしばらくして……丁度お昼ご飯の前だったかな? 誰かが言ったの『礼式がない』って」
礼式、というのは、礼拝で斉唱する聖書の内容が書かれた青色の小さな冊子のことだ。
一人一冊必ず持っていて、毎日使うものだからと、大体みんなブレザーの内ポケットに入れている。
「そしたらびっくり、『私も!』『僕も!』って、次々に同じように礼式がなくなった人が続出してね。結局、クラスの半数の子の礼式がなくなってることが分かったの」
「それはまた変だね。一人ならまだしも、半数だなんて」
「だよね。それでクラスは騒然。なくした子があまりにも多かったから、誰かが盗んだんじゃないか! なんて意見まで出始めて……」
「まぁ、そう思うのも無理ないよね」
一人二人ならまだしも、うちのクラスの半分となると十人以上の子が同時に礼式をなくしたことになる。誰かが作為的に持ち出したと思う人が出てきても不思議じゃない。
「でもおかしいじゃない? 礼式なんて盗んだって、その人には何の得もないし……」
「確かにね」
礼式なんて別に価値のあるものじゃないし、沢山持っていて得がある物でもない。はっきり言って邪魔になるだけだと思う。
「それで、結局どこにあったの?」
「讃美歌集の中だよ」
讃美歌集の中……?
少し考え、僕は一つの可能性に思い当たった。
「もしかして、挟んじゃってそのまま……?」
「そ。笑っちゃうよねー」
日曜は歌う讃美歌がいつもより多いため、入り口で讃美歌集が配られる。
もちろんそれは、退場する時に返さなくてはならない。
讃美歌集は礼式よりもはるかに大きく、分厚いから、確かに礼式を間違って挟んでしまえば気付かないだろう。けれど……
「どうしてクラスの半分もの生徒が? そもそも、なんで七々扇さんはそれに気づいたの?」
「無くした人の名前を聞いてみるとね、みんな高校から入学した人ばっかりだったの。それにその日は、四月に入って初めての日曜礼拝だったから――――」
「なるほど。高校から入学した人にとっては、初めて体験する長い礼拝だったって訳か」
「ふふ、そういう事。しかも、退場のタイミングも最初だったからね」
慣れていない生徒は、司教様の長いお話しにウトウトとし、そして讃美歌斉唱の段階になって慌てて立ち上がり、ページをめくる。讃美歌と礼式は交互に用いるから、開いた讃美歌集の上に礼式を広げる子は多いだろう。
そして最後の讃美歌斉唱が終わればすぐに退場だ。退場するタイミングは学年ごとに決まっていて、その週は高一が一番に席を立つ番だったのだろう。
歌い終わって讃美歌集を閉じ、すぐに退場するから、間違って讃美歌集に礼式を挟んでしまっていても、気付くタイミングはない。
「それにしても人数が多い気はするけど……」
「先生の話だと、毎年数人は同じことしちゃう人がいるんだって。でも今年は特に多い、抜けてる子が多いのかもって、先生が苦笑いしてた」
「なるほど」
つまり、七々扇さんは「日曜礼拝という特殊な状況」と「礼式を失くした人の共通点」をつなぎ合わせ、そこから想定できる状況を想像し、答えを描き出したという訳だ。
「因みに七々扇さんは失くした人の中に入ってたの?」
「私? 私は違うよ?」
「そう」
「どうして?」
「いや……。自分が失くしてないのに、失くした人の状況を想像できるって、すごいよなぁと思って」
きょとんとした顔の七々扇さんを見つつ、僕は思う。
起こった事件自体は、確かに些細な出来事だ。密室殺人事件を解決したわけでもなければ、連続強盗事件を解決したわけでもない。
けれど、与えられた情報から答えを導き出すまでのプロセスには、やはり非凡なものがあると思う。
僕はこうして、七々扇さんにすぐに答えを聞いたから何ともない事件に思えるけど、果たして当事者としてその場にいた時、同じ思考を辿れるだろうか。
七々扇さんは、冷静に事件が起こった時の状況を把握して、共通項をくくりだし、更にそこから真相を探り当てた。論理的、且つ柔軟な推理力を持っているんだろう。
「ほ、ほめすぎだよー……」
「そうかな? 現にその事件から一か月以上経つ今でも、そうやって相談事が持ってこられてるよね。それって、七々扇さんがその後も、問題を解決し続けてるからでしょ?」
その事件一回こっきりなんだとしたら、相談事が届けられ続けることはないだろう。
礼式事件はあくまできっかけであって、全てではないはずだ。
気になるのは、ララちゃんのあの言葉だけど……
気づくと、暫し考え込んでいた僕の顔を、七々扇さんがじーっと見つめていた。
今日は両目とも二重だ。日によって左目は一重になったり、二重になったりするらしい。なんだっけ、疲れてるときは二重になりやすいって言ってたかな。
「日向君ってさ……」
「な、なに……?」
数拍の後、ふわっと笑うと、七々扇さんは「ううん、なんでもない」セリフを閉じた。何を言いかけたんだろう……?
「話を戻すね。とにかく、私の元にはこうして週に二、三通、お悩み事が届くの。で、その中にはちょっと面白いのもあって……」
「面白い相談?」
「うん、いわゆる『学校の七不思議』みたいなやつ。多分七つに限らないとは思うけど、形式的にそういう名前で呼ぶね」
話が見えてきた気がして、僕はなるほどと相槌を打った。
「スクフェスではそれを発表しようって思ってるんだね」
「せーかい! 別にね、発表形式は何でもいいかなって思ってるんだ。スクフェス当日に配られるパンフレットに挟んでもらってもいいし、スタンプラリー形式にして、『七不思議』の概要を書いた小冊子を学院内にちりばめてもいい。学院を面白く、新しい切り口で皆に見てもらえる、いい企画だと思わない? あ、その『七不思議』と似たような話が載っている小説を紹介したら、もっと良いかも!」
面白い、とひいき目なしで僕は感じた。
特にスタンプラリー形式なのはいい。ゲーム感覚でこの学院内を練り歩くのは、外部から来たお客さんにとってもきっと楽しいだろうし、何より『七不思議』に関わる内容というのもキャッチーだ。ただし。
「問題が二つあると思う」
「ほいほいなんでしょう」
「一つは、相談事の内容として持ち掛けられているんだから、あまり公にしない方がいいんじゃないか、ってこと。内密に済ませたい子も、いるんじゃないかな」
「ふむふむ」
「もう一つは『七不思議』の真相を解明しないと、発表内容としては少しぬるいとんじゃないかって思うこと。こんな不思議があります! だけじゃ、ちょっと弱いよね」
「ふむふむふむ、さすがは日向君、鋭いねぇ」
いやこれくらいは普通だろう。
現に七々扇さんの表情を見れば、この質問は想定内だったことが分かるし、なんなら答えも用意してあることは明らかだ。
「一つ目に関しては、勿論本人に確認するよ! 興味本位、軽い感じで私に相談してくる人も結構いるから、その点は問題なさそうかな。現にこの後、図書室で『七不思議』の一つを相談してくれた人に会いに行くんだ」
「そうなんだ」
なるほど、そういう事まで請け負っているのか。
この感じだと、~さんと~君が付き合ってるって噂があるんですけど、調べてください! みたいな相談事もありそうだ。大変だな、七々扇さん……。
「で、もう一つ。こっちに関しては私一人だとちょっと不安だったんだけど……強力な助っ人も来たし、あんまり心配してないんだ」
「あー……」
「という訳で日向君。一緒に図書室行こ?」
まぁ、そりゃそうなるか。僕も文芸部の部員なわけだから、当然手伝う義務がある。
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