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第十五章 明かされた秘密

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 私とアルベール様は、謁見の間に通された。ミレー邸もかなり豪華なのだけれど、もちろん比較にならないくらいのきらびやかなお部屋で、私は緊張が高まるのを感じた。高い天井に、ため息が出るほど美しいシャンデリア、洒落た調度品……、そして極めつけは、堂々たる玉座だ。

 室内では、先に王宮入りされたミレー公爵が、すでに待機されていた。表情はひどく深刻で、私は怪訝に思った。

(結婚のお許しの、お礼を申し上げるだけ……よね? 何かあったのかしら……?)

 まさかこの期に及んで、国王陛下がお許しを撤回なさったのではあるまいな。ミレー夫人の態度の変化を思い出して、私は何だか不安になった。

 そこへ、ジョゼフ五世陛下が入って来られた。マルク殿下と、重臣の方々もご一緒だ。私とアルベール様は、謹んでお迎え申し上げた。

 陛下は玉座へおかけになり、マルク殿下はそのお隣に腰を下ろされる。するとなぜか、重臣の方々は、一礼して出て行ってしまわれた。残されたのは、陛下とマルク殿下、ミレー公爵、アルベール様、私の五人きりだ。不思議な状況に戸惑っていると、陛下が口火を切られた。

「アルベール殿、怪我の具合はいかがかな。わざわざお越しいただき、すまない。私がミレー家を訪問することも、考えていたのだが」

 仰天した。いくら陛下のご親戚の家とはいえ、一公爵家の息子が負傷したくらいで、国王陛下が直々にお出ましになるなんて、通常では考えられない。口調も妙にお優しくて、私はますます当惑した。

「とんでもありません。お気遣いいただき、恐縮でございます」

 アルベール様も、一瞬不思議そうなお顔はされたものの、すぐに丁重にお答えされた。

「……そして、申し訳ございませんでした。本来なら、結婚をお許しいただいた際、すぐにお礼に参上するべきだったのですが、遅くなってしまいました。モニク嬢との結婚をお認めいただき、誠にありがとうございました。また、彼女には褒美まで賜り、光栄に存じます」

 私は、ドキドキしながら陛下のお返事を待った。

(お願いですから、やっぱり取り消す、などと仰らないで……!)
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