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最終章 未来ある古都
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へレーネ嬢は、他のシュトレーゼマン一族と共に、国外追放されたのである。一体今、どうしているのだろう、と私は慌てて手紙を開封した。
手紙は、結婚の祝福と、エクスクルブルクはお変わりありませんか、という挨拶から始まっていた。
『私は今、隣国に身を寄せています。そして、薬師の下で修行を始めました』
へえ、と私は目を見張った。
『『王都奪還計画』には直接関わらなかったけれど、父たちが為そうとしていることは薄々知っておりました。それを見て見ぬふりしたのですから、私も同罪ですわ。こういう処分を受けても、仕方ないと思います』
だから、と彼女は続けていた。
『その罪を償うために、私は薬師を目指します。父と義叔父は、人を殺めました。叔母も、間接的に人を死に至らしめました。彼らが奪った命の分以上に多くの命を、私は助けようと思います』
(貴女、偉いわ……)
私は、思わず頷いていた。異国からやって来た身、それも罪人として追放された身で、さぞや冷たい扱いを受けることだろうに。それでも、頑張ろうというのか……。
(誰かさんとは、ずいぶんな違いだわ)
フレデリカの顔が浮かぶ。彼女の修道院生活は、一ヶ月もたなかった。彼女は、監視をかいくぐって脱走し、エクスクルブルクを抜け出たのだ。その後のフレデリカの行方を知る者はいない。
気を取り直して、私は手紙を読み進めた。最後にへレーネ嬢は、こう綴っていた。
『なお叔母は、幽閉先にて息を引き取りました。体が弱っていたからでしょう。罪を償おうと、前向きになりかけていた矢先だったのですが……』
愕然とした。幽閉処分と聞いた時から予想はしていたが、こんなに早く逝かれるとは。エヴァ様はレオ様に捕まって地下牢へ入れられて以降、ろくに食事を取ろうとしなかった。弱っていたのは、そのせいだろう……。
私は、早速返事を書き始めた。
『エヴァ様のこと、非常に残念で、お悔やみ申し上げます。彼女を含め、亡くなった全ての方の分まで私は頑張り、このエクスクルブルクを良くしていこうと思っています。貴女も辛いことは多いでしょうが、くじけないで頑張って欲しいと思います……』
手紙は、結婚の祝福と、エクスクルブルクはお変わりありませんか、という挨拶から始まっていた。
『私は今、隣国に身を寄せています。そして、薬師の下で修行を始めました』
へえ、と私は目を見張った。
『『王都奪還計画』には直接関わらなかったけれど、父たちが為そうとしていることは薄々知っておりました。それを見て見ぬふりしたのですから、私も同罪ですわ。こういう処分を受けても、仕方ないと思います』
だから、と彼女は続けていた。
『その罪を償うために、私は薬師を目指します。父と義叔父は、人を殺めました。叔母も、間接的に人を死に至らしめました。彼らが奪った命の分以上に多くの命を、私は助けようと思います』
(貴女、偉いわ……)
私は、思わず頷いていた。異国からやって来た身、それも罪人として追放された身で、さぞや冷たい扱いを受けることだろうに。それでも、頑張ろうというのか……。
(誰かさんとは、ずいぶんな違いだわ)
フレデリカの顔が浮かぶ。彼女の修道院生活は、一ヶ月もたなかった。彼女は、監視をかいくぐって脱走し、エクスクルブルクを抜け出たのだ。その後のフレデリカの行方を知る者はいない。
気を取り直して、私は手紙を読み進めた。最後にへレーネ嬢は、こう綴っていた。
『なお叔母は、幽閉先にて息を引き取りました。体が弱っていたからでしょう。罪を償おうと、前向きになりかけていた矢先だったのですが……』
愕然とした。幽閉処分と聞いた時から予想はしていたが、こんなに早く逝かれるとは。エヴァ様はレオ様に捕まって地下牢へ入れられて以降、ろくに食事を取ろうとしなかった。弱っていたのは、そのせいだろう……。
私は、早速返事を書き始めた。
『エヴァ様のこと、非常に残念で、お悔やみ申し上げます。彼女を含め、亡くなった全ての方の分まで私は頑張り、このエクスクルブルクを良くしていこうと思っています。貴女も辛いことは多いでしょうが、くじけないで頑張って欲しいと思います……』
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