サイライズの子供達

電動奥歯

文字の大きさ
上 下
1 / 4

生命式時限爆弾

しおりを挟む
20××年1月3日
小国サイライズ
子供が激増した。
人1人がやっと生活出来る中
平均的に一世帯に3人の子供がいるという
状態だった。
それにより育て切らず孤児が激増した。
そんな中サイライズは
大国アヴァロンとの宣戦布告を表明した。
だが小国、武器などが圧倒的に少ない、
そんな時ルーカス大佐
サイライズになくてはならない存在
ルーカス大佐の計画は、
今急増している孤児を使ったものだという
その計画は
まず孤児をサイライズ本部基地イージスで、
保護しパイプ式爆弾、いわゆる時限爆弾を、
孤児達の体内に内蔵するというもの
子供達の死への恐怖が大人より少なく無心で
敵地へ攻められる。
この時限爆弾を内蔵した。
孤児達を敵地へ送り捕虜へとする。
そして時間が経ち敵地で爆発を起こすという
単純な計算だ。
この孤児と爆弾を合わせた兵器を
《生命式時限爆弾》と名付けた
今回孤児1人に対し1人二等兵・一等兵の兵士が
着くことになった。
そして俺
エルヴィン・アダムス一等兵がつくことになった
'今回'担当する子は
アリス・ベイリー白髪の綺麗な子だ。
上官達はあまり子供達と話すなと言っていた。
情が湧くと面倒な事になるからと
『一等兵のエルヴィンだこれから半年宜しく』
手術後半年間の間付き添う
アリスは『うん』と小さく言った。
その日はそれ以外の会話はなかった。
次の日の朝同じ部屋で寝ているアリスを起こした。

『起きろ朝だぞ朝礼に急ぐぞ』

俺は少し大きな声でアリスを起こした。
アリスは眠たそうに返事をしゆっくりと
体を上げた。

『おはよう』

今日も小さな声で顔を擦りながら
言った。

服を着替え
朝礼へ向かった。
その途中同期のオリヴァーに会った。
その横にはオリヴァーが担当している、
オリビアがいた。
オリビアはアリスと比べ、
明るい子だ本当に孤児なのかと思わせるほどに

『おはよう!エルヴィン!』

元気よくオリビアが言った。
オリヴァーとオリビアは、
よく話しているらしい上官達に
言われた事を忘れたのだろうか

朝礼が始まるとトーマス・ウィリアム少佐
が話し始めた。

『昨日から君達、一等兵、二等兵の兵に子供達を任せたが、出来るだけ会話は無いように、
その子達が`逝く'時、悲しまないためにも
私からは以上だ。』

そして朝礼が終わった。

歩いているとアリスが

『私達は何のためにここにいるの?』

と聞いて来た、今この子達には自分達が、
半年後どうなるかは伝えていない

『君たち孤児達を管理するためだ、道端で
死んでもらっても困るからな』

嘘をついた
自分達が兵器になる事は伝えなくてもいいと言われたが、
この際は伝えた方がいいのだろうか
何のために自分がいるのか、
何のために存在するのかなんてこんな小さい子に
考えさせない方がいいのかもしれない。

『さぁ朝食を食べに行くぞ』

そう言いアリスの手を引いた、
するとアリスは転んでしまった、
力を入れたつもりはなかった、少し疑問に思い
アリスを抱き上げると、とても軽かった、
その時本当に孤児だったんだなと再確認した。

『すまない怪我はないか?このまま連れて行くよ』

少し申し訳なさを抱きながら言った。

『大丈夫今度から気をつける』

アリスはいつもより少し大きい声で言った。

食事を終え部屋に戻った
アリスは部屋の端で本を読んでいた、
本の題名は

《幸せ兎》

という小説を読んでいた。

『お前難しい本読んでるなぁそれ小説だろ?』

俺がそうゆうとアリスは本を閉じ

『この兎みたいに生きてみたい、
お母さんとお父さんと普通の幸せを味わってみたい』

と小さな声で言った、
やはりまだ子供だ、
両親と普通の幸せを過ごしていたいと思うのだろう。

『少し散歩に行こう』

父親になることは出来ないだが、
このくらいなら出来る。

外を歩いていると他の兵士たちが訓練をしていた
それを見たアリスは

『エルヴィンさんはやらなくていいの?』

『俺や他の子供達を見ている奴はこの半年間訓練をしなくていいのさ』

この半年間子供達から出来るだけ目を離してはならない、子供達が脱走しないためにもだ

『さぁ公園にでも行こう』

アリスを抱きかかえ公園に向かった

『他にも子供がいる兵士さん達も』

アリスは少し興奮しながら言った
他の兵士達も公園に連れて来てた。

考える事は一緒のようだ

『他の子達と遊ぶか?』

アリスに聞くとアリスは
少し考えた後

『やめとく』

と言いベンチに座り本を読み始めた

30分ほど経った後1人の女の子が
アリスに話しかけた

『私ミーシャ!一緒に遊びましょ!』

アリスは少し動揺していた
すると後ろから1人の女兵士が走って来た
そいつは後輩のベティ・ユートル

『何だお前の担当の子か?』

俺が聞くとベティは申し訳なそうに

『すみません少し他の人達と話してたらいつのまにかいなくて』

出来るだけ目を離すなと言われているのに
コイツは何をやってるんだろうか

『このお姉さんあまり私と話してくれないの』

ミーシャは少し不機嫌そうに言った
それもそうだあまり話すなと言われてるからな

『きっとベティも緊張してるのさあまり機嫌を損ねないでくれよ』

俺は下手な笑顔でミーシャに言った

『あ、エルヴィンさん!午後から会議あるじゃないですか!』

ベティが焦った声で俺に言った
俺は急いで本部に戻った

[視点がアリスに変わる]

エルヴィンさんは会議に行っちゃけど
何でこの子達が

『アリスちゃん遊びましょう!』

ミーシャさんに

『私も私も!』

それとオリビアさん

『2人はオリヴァーさんとベティさんのとこには居ないでいいの?』

今から本を読もうと思っていたのにこの2人がいると静かに読めない

『私もミーシャちゃんの人も会議行っちゃった!』

『わ、分かったなら2人で遊んだら?』

このまま部屋にいられるとこの2人は何をするか分からない

『嫌!私はアリスちゃんと遊びたい!』

そんな事をミーシャさんが言い出した。

『分かった遊ぼう』

このまま居てもらっても部屋に戻らないだろうから私は2人と遊ぶことにした。

『それで何をして遊ぶの?』

2人に聞くとミーシャさんが

『かくれんぼしよう!』

じゃんけんをし
アリス、オリビアが隠れる事になった。

『オリビアさんどこに隠れる?』

『とりあえず倉庫に隠れよう!』

倉庫に隠れるとオリビアさんが
少し神妙な面持ちで言った。

『半年後どうなるかアリスちゃんは知ってる?』

『知らない』

『死ぬんだよ』

それを聞いた時私はオリビアさんが
何を言ってるのか訳が分からなかった。

『し、死ぬって?』

『少し前に手術したでしょあれ体内に爆弾を入れる手術だったんだって他の兵隊さんが話してるの聞いちゃった』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】復讐は計画的に~不貞の子を身籠った彼女と殿下の子を身籠った私

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
公爵令嬢であるミリアは、スイッチ国王太子であるウィリアムズ殿下と婚約していた。 10年に及ぶ王太子妃教育も終え、学園卒業と同時に結婚予定であったが、卒業パーティーで婚約破棄を言い渡されてしまう。 婚約者の彼の隣にいたのは、同じ公爵令嬢であるマーガレット様。 その場で、マーガレット様との婚約と、マーガレット様が懐妊したことが公表される。 それだけでも驚くミリアだったが、追い討ちをかけるように不貞の疑いまでかけられてしまいーーーー? 【作者よりみなさまへ】 *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

『別れても好きな人』 

設樂理沙
ライト文芸
 大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。  夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。  ほんとうは別れたくなどなかった。  この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には  どうしようもないことがあるのだ。  自分で選択できないことがある。  悲しいけれど……。   ―――――――――――――――――――――――――――――――――  登場人物紹介 戸田貴理子   40才 戸田正義    44才 青木誠二    28才 嘉島優子    33才  小田聖也    35才 2024.4.11 ―― プロット作成日 💛イラストはAI生成自作画像

思い出を売った女

志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。 それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。 浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。 浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。 全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。 ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。 あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。 R15は保険です 他サイトでも公開しています 表紙は写真ACより引用しました

目が覚めたら夫と子供がいました

青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。 1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。 「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」 「…あなた誰?」 16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。 シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。 そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。 なろう様でも同時掲載しています。

【完結】会いたいあなたはどこにもいない

野村にれ
恋愛
私の家族は反乱で殺され、私も処刑された。 そして私は家族の罪を暴いた貴族の娘として再び生まれた。 これは足りない罪を償えという意味なのか。 私の会いたいあなたはもうどこにもいないのに。 それでも償いのために生きている。

処理中です...