ハズレスキル「落下ダメージ減少」と世界のシステム「飛び降り自殺」を組み合わせると人間メテオが使えました。

黒飛清兎

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7話 ギルドマスター

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俺はまたウルフの居る草原に来ていた。
また何体か狩る予定だ。
今回はもう少し慣れたので、五体ほど狩る予定だ。
俺は意気揚々とウルフを探しに行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふんふふーん。」

俺は鼻歌交じりにギルドへと向かっていた。
俺はウルフを本当に五体倒すことが出来たのだ。
本当は最高五体といった感じにする予定だったのだが、以外とうまく行った。
多分称号のレベルが上がったのだろう。
称号というのは普通そう簡単に上がるものではない。
しかし、命懸けであればあるほど上がるのが早いらしい。
人間メテオは殆んど自爆みたいなものなので、それに関連する称号やスキルがとても上がりやすいみたいだ。
それのお陰で俺はレベルが2レベル上がった。
身体能力もしっかりと上がっている感覚があり、強くなったことを実感できる。
体感で感じるよりもさらにそれを感じられるものがあって、それは人間メテオだ。
飛び降り自殺では体力が丁度尽きる所から落ちているから、体力が上がるにつれてどんどん高度が上がっていくのだ。
高度に比例してダメージも上がる。
つまり、俺の攻撃力は体力に比例していると言えるのだ。
まぁ、魔法も俺は使いたいと思っている。
もとより俺は魔法使いを目指していたし、それに向かって努力もしてきた。
技術はなかなかにあるはずだ。
あとはそれにステータスがついていけばいいだけだ。
まぁ、それはまだまだ先だろうな。
取り敢えずウルフの素材を売るか。
俺はギルドへ向かって歩きだした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「リエルさん。また盗みですか......って!!なんでそんなに持ってるんですか!?」
「いや、狩ってきたんだが。」
「そこまで盗まれてしまったらギルドの信用問題もあります!!ちょっとこっちに来てください!!」
「は?」

俺はその受付嬢に連れられてギルドの奥へと連れていかれた。
はぁ、本当に盗みなんてしてないのに。

「ちょっとここで待っていてください。」

俺は少ししっかりとした扉の前で立ち止まらされた。
受付嬢はそこの中へと入っていき、何かを話していた。
うぅーん。何を話しているんだろう。
全く聞こえていないが、一つだけ分かることがある。
あの受付嬢は俺が少しでも悪くなるようなことを言っているに違いない。
しかも呼んだ癖にかなりまたされている。
普通パッと行ってパッと戻ってきて用事を済ませるものだろ?なのにあいつはまだまだ出てくる気配がない。
それから五分がたった。
もうそろそろ帰ろうかなと思い始めたその時、扉が開いた。

「リエルさん。入ってください。」
「はい。分かりました。」

受付嬢は勝ち誇ったような声で俺を呼んだ。
物凄くムカついたが、心を穏やかにして返答した。
少し棒読みになったが、そのくらいはいいだろう。

俺と受付嬢はその部屋に入っていった。
入ってすぐに緑色の髪をした細身の男がソファーに座っていた。

「君が盗難を繰り返しているっていうリエル君かい?」
「は?」

俺はいきなりこんなことを言われるとは思わなかったため、少し驚き、口が悪くなっていた。
俺は素早く訂正する。

「僕はそんなことしてないですよ!?」
「そうかい。まぁ、一旦座りなよ。」

俺はその男に座るよう指示されたため、従い、ソファーに座った。

「僕はギルドマスターのデルだ。よろしく。」
「!?」

その男改め、デルさんはそう言って手を差し出した。
って、ギルドマスター?
それって、ギルドの一番偉い人じゃないか。粗相があってはいけない。やはり、あの時素早く訂正しておいてよかった。

「よ、よろしくお願いします。」

俺は恐る恐るデルさんの手を掴み、握手をした。

「それで、ご用件はなんですか?」
「それがね、君について悪い噂があるんだよ。」
「何ですか?」
「君がウルフを他人から家の権力を使って奪っているという噂なんだ。」

何だって?
それってまさかあの受付嬢から始まったものなのじゃないか?
はぁ、だからあいつはどや顔だったのか。
しょうがない。話を聞こう。
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