ハズレスキル「落下ダメージ減少」と世界のシステム「飛び降り自殺」を組み合わせると人間メテオが使えました。

黒飛清兎

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6話 朝

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「はぁ。」

俺は深いため息をついた。
昨日はメイラのせいで全然寝れなかった。

「おはよう。メイラ。」

俺はまだ隣で俺を抱いているメイラを揺すった。

「んんぅっ。」

メイラは昔から朝が弱く、酷い時は丸一日寝ているときだってあるくらいだ。
お客さんが店に入ってくる音で起きて、バタバタとレジに向かうなんてことも良くあることのそうだ。
一応泊まらせて貰ってるわけだし、目覚ましがわりにくらいなってやろう。

「起きたか?」
「んんぅー。おきたぁー。」

そう言ってしばらく俺の事を見ていた。
すると、しばらくしてニヤニヤとした顔になった。

「ん?なんだ?」
「けだものー。」
「うっ、誤解だ!!というかお前の方がけだものだろ!!」
「へー、そうなんだー。女の子にけだものとか言っちゃうんだー。」

メイラは少し悲しそうな顔をした。
むぅ。ちょっと言い過ぎたかな?

「ごめん。それはちょっと言い過ぎたかもしれない。」
「いやー、良いんだよ。」

そう言ったがメイラの目が笑っていない。
どうしよう。怒らせてしまったか......。

「ホントにごめんって。なんでもするから許してくれ。」
「いいよっ!!」

そう言ってメイラはぱぁっと笑った。
くっ、そう言う魂胆だったのか......。
いつもだったら気付けたのに寝起きだったせいか、全然気付けなかった。

「やっ、やっぱりいまのなs」
「男に二言はないよね?」
「ううっ......。」
「ふふっ。」

メイラは勝ち誇ったかのように笑った。
くっそ、しょうがない。ここはメイラの言うことを聞くしかないか。
メイラは優しいし酷いことはしないだろう。

「うぅーん。じゃあ、今日からうちに泊まるってのはどう?」
「ん?それは頼みごとなのか?逆に俺が頼むことだと思うんだが......。」
「あぁ、もちろん無料じゃないよ?朝の棚並べとか、力仕事とかを手伝ってくれれば良いよ。」
「それだけか?」
「あぁー。じゃあ、ご飯も作ってくれると嬉しいな。」
「わかった。」

俺は料理はまぁまぁ得意だ。
店を出せるレベルではないが、家庭で食べる分には十分美味しい。
しかし、やっぱりメイラは優しいな。
どっちにもメリットがある頼みごとをしてくるなんて。
だが、一つだけ頼まなければいけないことがあるな。

「「そのかわり後ろから抱きつかないでくれ(つくからね?)」」
「え?」
「え?」

ん?なんて言ったんだ?後ろから抱きつくからね?

............

「「ええぇぇぇぇ!!」」
「いやいやいや!!流石にもう駄目だぞ!!俺も全然寝られないし、流石に間違えが起こったら駄目だろ!?」
「良いじゃん!!リエルはそんなことしないよ!!」
「する!!」
「えぇっ!!」

なんか地味にセクハラ宣言した気がするが、まぁいい。
そこだけは譲れないところだ。まず、眠れない。
メイラは女性として見たことはないが......ほとんどないが、それでも魅力的であることは間違いがない。
だが、好きでもない相手に勘違いされるのはいくら優しいメイラでも嫌だろう。
なので抱きつかれたりしたら理性が吹っ飛びそうで怖いのだ。

「とにかく、それはだめだ!!」
「だっ、だって......リエルと一緒に寝ていたらいつもよりもしっかりと寝れたんだもん。最近よく眠れてなくて。でも、リエルといたらなんだか落ち着くというか......。」
「......。」

そんな風に思っていたのか。
メイラにとって俺は安心できる存在ということなのか?

「......わかった。百歩譲って一緒の布団に寝ることは許可しよう。だが、間違いが起こっても文句は言うなよ!!」

ちょっと嬉しかったから少しだけ譲歩しようと思った。

「ボソッ リエルが相手だったら間違いが起こっても良いんだけどね。」
「ん?なにか言ったか?」
「っ!! いや、なんでもないよ。本当は抱きつきたかったけど、それは百歩譲って止めてあげるよ!!」
「それはこっちの台詞だ!!」

楽しい。幸せだ。親友というのはやはり良いものだ。
だが、俺の幸せはこんなものじゃない。
もっと幸せになってやる!!

「よし、じゃあご飯でも作るよ。」
「あっ、それなら同居記念にどこかに食べに行かない!?」
「おっ、いいね!!」

俺たちは近くの洋食屋へと足を運ぶことにした。



ーーーー

ーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーー




「ふぅー。満腹満腹ー。」
「美味しかったな。特にあのパン!!もちっとした食感が堪らなかったなー。」

モチッ

「なっ、何をする!!」
「いやー。リエルのほっぺたもモチモチだなーって。」
「止めろよ!!」

口ではこう言っているが本当はちょっと嬉しいんだよなー。
本当に俺は天の邪鬼だ。

「んじゃ、ここで俺は仕事に行くから。じゃあな。」
「うん。じゃあね。」

そうして、俺たちは別々の道を歩きだした。
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