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第1章
第9話 プーレナイト人
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俺が持つ規格外の魔力。それは俺が日本で生まれた異世界人ということが起因している。
日本って、きっとみんな魔力に満ち溢れているところなんだろうなぁ‥
母は俺が異世界人であるとバレてはいけないと言っていたけど、詠唱なしで魔法が使えるなら他人にバレる心配もないだろう。
そう思ってドトルを探す裏山の中、何度も心の中でドトルの居場所を探っているんだけど‥なかなかこれがうまくいかない。誰かを探す魔法なんて初めて使うから、一応『ジークの居場所は?』と、すぐ近くにいるジークを用いてシュミレーションをしてみた。
脳裏にパッとジークの姿が浮かんで、周辺の映像も細かく確認できる。望めば上空から俯瞰することもできる為、誰かを探すにはかなり有効な手立てだと感じた。
だけど『ドトルの居場所は?』と心の中で唱えても何かに遮られているように、脳裏によぎる映像が真っ暗になる。
不安になって、試しに孤児院のミシェル先生の居場所を探ってみると、みんなで埋葬した墓場が脳裏に流れてきて、心がまた沈んだ。
でも‥亡くなっている人は埋められた場所が流れるなら、ドトルの映像とはまた別だ。だから、ドトルは生きている。
ドトルは何か魔法を遮るようなものの中にいるのだろうか?
でも秘密基地内にそんな道具なんてない。それなら、そんな道具を持っている誰かと遭遇した‥とか?
これは完全に憶測の範囲でしかないけど、試してみる価値はあるだろう。というか、ドトルを見つける為なら手段なんて選べない。
『‥‥ドトルと一緒にいる人は誰』
全て心の中で行っていること。他人から見られた時に不自然にならないよう、山道をちょろちょろと歩きながら心の中で唱えてみた。
すぐに脳裏に見知らぬ女の人が映った。
ーーやっぱり、誰か他の人といたんだ‥。
【コーラル・グレンダ・プーレナイト 14歳】
そばかすがのった白い肌に、薄茶色の髪。穏やかそうな、どこにでもいそうな素朴な女の人。‥こういう風に魔法を使うと、名前まで出るんだ‥。
「って‥‥‥え??プーレナイト‥‥??」
名前にプーレナイトが入ってるって‥‥プーレナイトの皇族‥?
え、なんでそんな人がドトルといるんだよ。
「どうした?」
近くにいた兵士が俺の独り言に反応したけど、こんな意味のわからない魔法を伝えたら俺が異世界人だとバレてしまう筈だ。
「‥‥なんでもないです」
「そうか」
戸惑ったまま、今度はコーラルの居場所を魔法で探ることにした。
『コーラル・グレンダ・プーレナイトの居場所は?』と尋ねると、すぐにコーラルの映像が流れた。俯瞰で見てみると、ここからそう遠くない場所にいるのが分かった。川沿いで火を焚いていることから、しばらくはその場にいるつもりなんだと予想できる。
でもプーレナイトの皇族(?)が、何故ドトルといるんだよ‥。
半ばパニックになりながらも、俺はジークとレグラの手を取った。兵士たちには伝えられないから、俺たちだけで行くしかない。ジークとレグラなら間違いなく一緒に来てくれる筈だ。
こうして俺たちは、兵士たちと共に裏山を捜索している最中に姿をくらませたることになったのだった。
日本って、きっとみんな魔力に満ち溢れているところなんだろうなぁ‥
母は俺が異世界人であるとバレてはいけないと言っていたけど、詠唱なしで魔法が使えるなら他人にバレる心配もないだろう。
そう思ってドトルを探す裏山の中、何度も心の中でドトルの居場所を探っているんだけど‥なかなかこれがうまくいかない。誰かを探す魔法なんて初めて使うから、一応『ジークの居場所は?』と、すぐ近くにいるジークを用いてシュミレーションをしてみた。
脳裏にパッとジークの姿が浮かんで、周辺の映像も細かく確認できる。望めば上空から俯瞰することもできる為、誰かを探すにはかなり有効な手立てだと感じた。
だけど『ドトルの居場所は?』と心の中で唱えても何かに遮られているように、脳裏によぎる映像が真っ暗になる。
不安になって、試しに孤児院のミシェル先生の居場所を探ってみると、みんなで埋葬した墓場が脳裏に流れてきて、心がまた沈んだ。
でも‥亡くなっている人は埋められた場所が流れるなら、ドトルの映像とはまた別だ。だから、ドトルは生きている。
ドトルは何か魔法を遮るようなものの中にいるのだろうか?
でも秘密基地内にそんな道具なんてない。それなら、そんな道具を持っている誰かと遭遇した‥とか?
これは完全に憶測の範囲でしかないけど、試してみる価値はあるだろう。というか、ドトルを見つける為なら手段なんて選べない。
『‥‥ドトルと一緒にいる人は誰』
全て心の中で行っていること。他人から見られた時に不自然にならないよう、山道をちょろちょろと歩きながら心の中で唱えてみた。
すぐに脳裏に見知らぬ女の人が映った。
ーーやっぱり、誰か他の人といたんだ‥。
【コーラル・グレンダ・プーレナイト 14歳】
そばかすがのった白い肌に、薄茶色の髪。穏やかそうな、どこにでもいそうな素朴な女の人。‥こういう風に魔法を使うと、名前まで出るんだ‥。
「って‥‥‥え??プーレナイト‥‥??」
名前にプーレナイトが入ってるって‥‥プーレナイトの皇族‥?
え、なんでそんな人がドトルといるんだよ。
「どうした?」
近くにいた兵士が俺の独り言に反応したけど、こんな意味のわからない魔法を伝えたら俺が異世界人だとバレてしまう筈だ。
「‥‥なんでもないです」
「そうか」
戸惑ったまま、今度はコーラルの居場所を魔法で探ることにした。
『コーラル・グレンダ・プーレナイトの居場所は?』と尋ねると、すぐにコーラルの映像が流れた。俯瞰で見てみると、ここからそう遠くない場所にいるのが分かった。川沿いで火を焚いていることから、しばらくはその場にいるつもりなんだと予想できる。
でもプーレナイトの皇族(?)が、何故ドトルといるんだよ‥。
半ばパニックになりながらも、俺はジークとレグラの手を取った。兵士たちには伝えられないから、俺たちだけで行くしかない。ジークとレグラなら間違いなく一緒に来てくれる筈だ。
こうして俺たちは、兵士たちと共に裏山を捜索している最中に姿をくらませたることになったのだった。
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