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二章 宝物捜索 編

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何度も言うが、此処に時間の流れは存在しない
時の神様が干渉してないって事も有るけど、
聖獣には寿命がないのも大きな理由だ

だからこそ、俺の休憩時間は存在しなかった

『 いやぁぁあ!! 』

「 随分と避けれるようになったじゃないか……ゴフッ 」

『 っ……!!よけ、ないと…シロも…ボロボロだからだよ…… 』

俺達、では無く…俺は好きで剣に刺さってる訳じゃない

話したせいで、下から現れた剣に避けきれず、背中から腹へと貫通して突き刺さっただけなんだ
どちらかと言えばシロの方がドMだと思う

『 っ!ガバッ……ぅ、抜けない…… 』

身動き取れなくなった為に、シロは腹を押さえて俺の元までやって来れば指を鳴らし剣を消した

『 っ……ゴホッ、ゴホッ 』

床へと倒れ、咳を込みながら腹の傷が一気に癒える感覚に鳥肌が立つ
神の庭ディヴァインガーデンより、回復速度が速い為に気持ち悪い

痛みもすぐに消えるのはいいけど、腹に貫通した記憶は無くなることは無い

「 はぁー……。さっきの間に…何回刺された? 」

『 腕と脚が数回無くなって……腹と首に……計十二回ぐらい? 』

「 十四回だ。それが自分が死んだ回数と思えばいい 」

余りにもサラッと告げられた言葉に胸に槍が貫いた気がした
物理的な攻撃よりもずっと痛くて、一瞬動きが停止する

『 そんな…事言わなくてもいいだろ。俺だって頑張ってるじゃないか! 』

「 なんで、ムキになる必要がある?」

『 うっ…… 』

やっと言えた文句でさえ、事実を告げられて唇は閉じてしまう
シロの言った通り、ムキになる必要はないのに直ぐにカッとなってしまうのは俺のせいだ

『 だって……死んだ回数なんて…… 』 

「 事実だろう。聖獣だから生きてるが、人間なら死んでいる 」

『 じゃぁ、どうしろって言うんだよ!こんなの、如何考えても全部避けきれるわけないじゃん! 』

シロが避けていた時より明らかに罠の数も、量も増えた
前方面から来る銃弾を全て避け切るみたいなもの
そんなの掠ったり、何発か当たっても文句言わないで欲しい
俺だって、未熟なりに頑張ってるのに……

シュンっと落ち込んで、やる気を無くしてふてぶてと座り込めばシロは溜息を吐く

「 誰も…無抵抗で避けろとは言ってねぇだろ。当たりそうなのは能力で交わしたりするんだ 」

『 それしてるし!でも、氷使っても…貫くし 』

シロが作り出した剣の速度と威力が、俺の氷を上回ってる事さえ分かっている
何度、鎧が壊されたか…何度、氷壁を突き破って来たか……
その度に、自身の弱さに苦痛になる

「 まだ防御力が弱いんだろ。剣ぐらい防げ 」

『 そんなの……っ!? 』

俺の恋人は、無茶難題を言ってくる
そんなの出来るわけ無い!と言おうとした瞬間、壁から飛び出してきた剣がシロへと向かっていく

危ない!と思った時には、目の前で有り得ない光景が広がった

『 えっ……… 』

シロが防いだ腕に合った瞬間、パリンと割れたのは剣の方だ
刃が駄目になったように、折れたことに驚けば彼は防いだ部分を見せてきた

「 御前は全体的に守り過ぎて強度が落ちる。そりゃ、強い攻撃なら全身防御が一番だが。人間……主を守る程度なら、部分武装ぶそうで十分だ 」

『 部分武装…? 』

また、聞き慣れない言葉だと思っていれば言葉を続けた

「 今のは腕当バンブレスだが、こんな規模もいらないけどな。当たると分かった一部分だけをダイヤよりも硬い強度にする為に魔力を集める。それだけだ 」

『 シロって…大雑把に見えて…そんな細かな事まで出来るんだな……あ、いや、褒めてんだぜ!? 』

一瞬、滅茶苦茶睨まれた気がしたから必死に否定した

『 腕当部分だけに魔力を集めるなんて…… 』

全身装備は何となく出来るようになってたから、そのまま強度を高めていたけど、
それを当たると分かった一部だけに魔力を集める……
なんとも、少し離れた距離から針に糸を通してるようなぐらい難しいんじゃないか?

何気なく、自分の腕の部分に触れながら言えばシロは答えた

「 もし、それが出来無ければ……御前はこの罠を攻略することは出来無いな。この部分武装が出来ていれば…主が刺されて死ぬこともないが…… 」

『 ………! 』

シロは…俺がこれまでどんな風に主を失ったか、知ってるような口振りで告げた
記憶に蘇る主の死に方を思い出すと、盾にもなり切れてない自身に嫌気がした

「 御前は出来ないのか~。それならしかたないなぁ~ 」

『 やるさ…… 』

「 ん? 」

『 俺はその、部分武装ってのを覚えてやる!
そしてもう二度と……二度と、主が刺されて死ぬなんて見なくていいようにするんだ!! 』

氷鎧が出来るなら、部分だって出来るようになるに決まってる
腕でも、首でも、腹の一部でも瞬時に造れるようになればいいだろ!!

「 ほぅ? 」

『 見てろよ!!一年もせずに覚えてやるよ!! 』

「 百年の間違いじゃないか? 」

『 うるさい!!俺はやるんだ!! 』

自分の判断か遅れた事によるミスで、
もう二度と…家族よりも深い絆で結ばれる主を失いたくはないと思ったんだ

俺を呼ぶ事が出来る、新しい主の為に…
此処で、手に入れてる魔力の使い方を学んでもいいじゃないか
召喚された時に、凄い!って言ってもらえるようにな……

『 っ~………俺の首、じゃない、からだ…どこ? 』

「 身体の方が、首を探してるぞ…… 」

けれど、俺は…意気込みは良いけれど
飲み込みの悪さはお墨付きだった……

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