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二章 宝物捜索 編

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ライフが聖獣を創り出したのも、きっと感情面でなにかを知る事が出来ると思ったから……
なんて事を前に聞いて知ったけど、
その意味がやっと理解した

誰にも会わず、話し相手すら居ないここでずっと独りぼっちなのは辛いと思う
俺なら耐え切れなくて孤独死すると思うぐらい、人っていうのは一人じゃ生きていけないんだ

それが神様だろうとも、元々人間としての記憶が残ってるなら、寂しいと思う

「 っ……!コウ…ガ? 」

背後から腰辺りへと抱き着いて、摺りつく俺に彼は驚きながら顔を向けた

『 そんなの、寂しいじゃんか……。俺がここに来る事が許可されてるなら…俺はずっと…シロの側にいるから…… 』

「 ライフが作った町が楽しみなんじゃないのか? 」

『 そんなのいい!シロと会えないなら、行かなくたっていい! 』

駄々を捏ねる子供のようで、俺は結局…聖獣としても、心の面でも成長しきれてない未熟者だと思う
困らせてばかりだと自覚しても、
今…この手を離せば、シロは寂しそうにすると思ったからだ

ライフには申し訳ないけど……
俺は、シロの元から離れる事は出来ない

「 此処はつまらない場所だというのに、御前は俺の元を選ぶんだな 」

呆れたように溜息を吐いた彼は、身体を動かした事に合わせてちょっと腕を緩めれば、膝を曲げしゃがみこんだ
敢えて目線を合わせ、大きな手は頬へと触れた

『 ん…… 』

「 コウガ、御前を愛してる 」

言おうとした言葉が見つからなかったように
全ての感情をその一言で表したシロは、前髪へと口付け落とし、俺の背中に腕を回し引き寄せてきた

肩口へと顎を乗せ、軽く髪へと頬を擦り寄せれば軽々と身体を抱き上げられた

『 っ……これはちょっと、恥ずかしい…… 』

子供のように片腕で支えられてる事に、確かにチビだけど……
恋人なんだ…と言いたくて口先がモゴモゴしてしまえば、シロは鼻で笑い気に求めず寝室の方に歩いていく

「 俺は、物作りには長けてないが……。御前の為ならもう少し、この内装を考えてもいい 」

『 やっぱり、ライフは物作りが得意だからあんな空間がつくれるんだな? 』

「 嗚呼、他の神々もそれなりに好きな場所へと変えていくだろうが。俺はまだ新米だからな…受け取ったものを変えていく事をしてないだけだ。この城や、周りの背景すら好きなように出来るはずだが…… 」

『 センスがないってことな! 』

どんな風にしたらいいのか分からないみたいなシロに、一言で言い表したら彼は分かりやすく眉を寄せた
センスが無いって言われたくなかったんだ……

いや、でも…数の多い廊下とか、
無駄に部屋数が多かったり、お風呂が沢山あっても困ると思うんだ

「 やっぱり軍人をしてたから、罠とか置いてたのが間違いか 」

『 俺、それに当たらなくて良かったよ!寧ろ、誰に攻められるって認識で作ってたんだよ!? 』

「 いや、御前の気配には作動しないようにしてたが…例えば 」

シロは爪先で、カツンと廊下に音を立てた瞬間、床から剣山がズラっと出てくるわ、左右から槍やら鉄砲玉が放ち、しまいには廊下の壁が狭くなり、デカい岩が転がってきた

『 意味分かんない!!逃げて!逃げて!! 』

「 ははっ、此のぐらい避けれるようにならなければ、戦場じゃ死ぬぞ 」

『 聖獣は死なないって言いたいけど!これは心が折れる!! 』

避ける為に俺を肩へと担いだシロは、そのまま走りながら剣山やら避けていくけど
俺は目の前に剣が現れて怖い!

めちゃくちゃ怖いんだからな!

尻尾が腹へと丸まってペタリと耳が下がりきった頃に、やっと寝室へと戻った

「 久々に楽しかったな? 」

『 楽しくねぇよ!!ちびるかと思ったじゃんか!ちびってないけどな! 』

なんで、そんなに爽やかに笑ってるのか分からないぐらい恐ろしかったんだけど……

俺がプルプル震えてるのを見てシロは、とてもいやーな顔をした

「 折角なんだ、ここに居る間に暇つぶしがてらに鍛えたらいい。御前の気配には作動しないつもりだったが、作動させよう 」

『 え、いや……死ぬよ?俺、真面目に……最初の剣で串刺しになるよ?? 』

「 問題ない。聖獣は死なないからな。それに俺にも痛みがある。そう、下手に受けないだろ? 」

シロにも痛みがいくってのは知ってるけど
神の庭ディヴァインガーデンの修行の続行が、余りにも過酷な気がするんだけど……
まだ、攻撃を避けてるだけの方がいいと思っていれば、シロは笑った

「 それとも、呼ばれるまで交尾をし続けるのどっちがいい? 」

『 どっちもハード過ぎて選べないんだが……選べって顔だよな……。マジか…… 」

正直、シロはいいだろうけど…俺はまだ小さいから体格差でハードなんだよ
あんな身体に合わないやつを突かれると、精神的にも肉体的にもボロボロになる

俺が色々感じるなら、シロにも流れてこんでるはずなのに…
それでもやるって……とんだ変態だよ

今に始まって無いからなんとも言えないが……

「 じゃ、始めようか。俺の訓練はハードだぞ? 」

『 訓練ってレベルなんだな!?俺は元大学生だぞ!?自衛隊に所属なんてしてないからな!!いやぁぁぁぁあ!! 』

シロが床を踏んだ瞬間、床は揺らぎ俺はズルズルと廊下へと出された
泣き泣き立ち上がれば背後から迫る剣の付いた壁に押しつぶされそうな勢いだったから、走るしかない

やっぱり、交尾を選択したほうが良かったかも知れない……

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