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二章 宝物捜索 編
04
しおりを挟む胸元に手を置き、必死に止めていれば何かに気付いたライフはどこか残念そうに笑ってから俺の額へと口付けを落とした
「 この遊びは御預けのようだ。まぁ、よい……十分楽しめた 」
『 えっ?なにがって……っ!! 』
急に止めるなんてどうした?と疑問になれば、背後に現れた魔法陣と共に光に包まれ
あぁ、聖獣召喚がされるんだと察しては服を身に付け気持ちを落ち着かせて前へと視線をやる
現れるまでに片膝を付いた姿勢に変わってた為に、早々に立ち上がればシエルはカボチャを向けてきた
『 えっ……? 』
「 ルーナもカボチャ切り抜いてみよ! 」
一瞬なんでカボチャ?と疑問になったが、思い出せばシエル達はカボチャを作ってる最中で時間が止まっていた
俺が数日修行してる感覚があったから忘れていたんだと思い出し、向けられたカボチャとナイフを受け取り笑みを向ける
『 いいぜ!作ってみようか 』
助かった!ファルが時間を進めていてくれたおかげで、俺の浮気は免れたと心底安堵していれば、同じくテールによって召喚された、少年の姿をしたソレイユも驚くような表情を向ける
「 ほら、ソレイユもカボチャ手伝ってな! 」
「 あ、あぁ…… 」
そういう反応になるよな、分かるって思う
二人でカボチャを受け取り、座り直せば兄弟はカボチャを取りに行き戻ってくれば、皆で和になり作る
『 意外に硬いな…… 』
ヘタの部分から下を1㎝残し、ヘタが取れない程度で切り、中の種をナイフでくり貫き中央にある
広げられた紙の上へと置き、次は目などを切り抜く為にナイフを刺すも硬さがある
よく兄弟は出来たなと感心していれば、ソレイユはポツリと呟いた
「 御前、ライフが好きなのか 」
『 っ!!なっ!?なわけ、ないだろ!? 』
「「 ん?? 」」
急に何を言い出すんだと驚いてソレイユの方を見れば、彼の獣の耳は前へと垂れるように下がっている
「 俺より抱き締めて欲しいぐらいに…… 」
『 あ、違う!あれは親みたいなもんだし、一番はソレイユに決まってんだろ!? 』
凄く雰囲気がブルーなんだが
そりゃ、突然と抱き締めて欲しいことを宣言したのを聞き、身体が動かなくなればそう思うだろう
実際にちょっと危なかったけど、それでもソレイユが一番だと、立ち上がって告げた俺に彼は答えた
「 二番はライフか……簡単に順位が変わりそうだな 」
『 二番とか考えてない、ソレイユが一番好きに決まってるだろ! 』
一番とか、二番とか、無いはずなのに
結局、一番という言葉を使ってじゃないと俺は上手く言葉を発することが出来ないのか
なんて、情けないんだと拳を握り締めれば、ぬるっとした感覚に気付き、よく見れば兄弟が青ざめていた
『 なんだ? 』
「 ルーナ……血が…… 」
「 な、ナイフが…… 」
『 あ…… 』
血を見慣れてな兄弟はガタガタと震えて、同時に俺の片手へと指を向けた
其処には、驚いた事で勢いよく突き刺さっているナイフがあった
垂れる血がポタポタと地面に落ちてるのを見れば、気に求めずナイフを引き抜いてから血が飛び散るより、ソレイユへと話をする
『 そんな事より、とにかく御前が好きなんだよ!! 』
「 ぎゃぁっ!!ルーナ、血が!! 」
「 えっと、えっと、止血!! 」
『 いや、直ぐに治るから……ほら、聖獣だし 』
「「 えっ…… 」」
痛覚すら鈍ったんじゃ無いかって思うが、この程度なら回復する方が早く
丁度いいとばかりに手の平を見せれば、傷口は塞ぎ初め、簡単に痕すら残ってない
「「 わー!聖獣すごっ!! 」」
『 だろ?だから、大丈夫! 』
血だけは残ってるために拭こうと、手を動かせば、手首はがっしりと誰かに掴まれた
なに?とばかりに視線をやれば、ソレイユは掴んだ手を引き顔を寄せた
「 その言葉、忘れるな。御前の血肉も心も全て俺のものだろ…… 」
『 っ~~!! 』
舌先で血を舐めたソレイユは丁寧に舐めとってから、手首を離しごく普通にカボチャの続きをし始めた
「 今の、なんか……えっち!! 」
「 ソレイユ、カッコいい!! 」
キラキラと目を輝かせた兄弟に教育に悪いと、透かした顔をしてる彼を睨む
『 子供は見てはダメってか、ソレイユ!場を弁えろ!! 』
「 毛繕いをしなくてすんだな。有り難く思え 」
『 あ、そうだな……じゃない!! 』
ちょっと流されそうになったけど、絶対良くないと首を振った俺に、何処かソレイユは笑っていた
一番とか、二番とか、分からないが……
ソレイユの傍がいいのは他の誰でもないとは分かる
ライフのは単純に、彼が俺達を造り出した主だからだろ
触れられて分かったのは、"愛情"が無いってことだ
四人で騒ぎながらもカボチャを造り終えて、下手だとか色々話してはふっとファルの姿が無いことに気付く
「 呼ばれてないだけ 」
『 あ、なるほど…… 』
うん、叔父さんは何処かにフラフラ遊びに行ってるらしいから、ファルはずっとあの空間の中なのだろ
引きこもらず出てくれば良いのに、きっと彼は彼なりに楽しんでるのだろうな
「( 寂しくないし……グスンッ )」
寂しがっていた彼を俺達は知らない
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