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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟む起き上がり動いたソレイユは、逆に今度は俺の身体へと鼻先を当て起こそうとしてくる
この気紛れ加減と面倒さいような態度に、イラッとしてきて顔を持ち上げる
『 なんだよ!不機嫌なら寝ろよ 』
「 少しは考えるとかしないのか! 」
『 しても無駄って、分かったから寝て過ぎ去ろうとしてんだよ 』
考えて、其でもご機嫌斜めな理由に心当たりは無い
風呂に入る前は交尾とかしてたほどに機嫌良かったのに、急に風呂に入ってから悪くなった
セバスチャンに見られたときは、抜けないことに切れてたがそんなに引き摺るほどではなかった
だが、風呂で洗われてるときは……
あの時の場面を思い出しながら、ぐっと奥歯を噛み締め何か言いたそうな彼を見て、首を傾げ考えても尚更分からなくなる
『 風呂が嫌いとは思えなかった 』
「 そうじゃない 」
『 ん~、じゃぁなんだよ…… 』
仰向けになり身体を捻り、頭を擦り付けながら全身で悩むように考える俺を見下げたまま、答えを待ってそうな様子に眉間のシワは濃くなる
『 俺の恋愛経験舐めんなよ、片手で数える程も付き合ってないのに…… 』
「 恋愛経験の人数なんてどうでもいい、考えただけで腹が立つ 」
『 なんで……、……! 』
腹が立つ、そう言ったソレイユの言葉にハッとする
彼へと視線をやれば横を向き、俺に怒ってるのではなく自分自身に苛ついてるような態度に一つの事を思い出す
それは、彼が"恋人"で有りながら俺は主だからとシエルに触れられたり、洗われてるのを全身で喜んでいたから
そして、嫉妬した相手も違ったんだと....
『 もしかして……ヤキモチって、シロ以外にニコニコしてたから嫌だったのか? 』
「 !! 」
それはビンゴの様で、瞳の瞳孔は開き、獣の耳は後ろへと下がった
身体を起こし、座り直した俺はちょっとだけ優越感に浸れる
それは彼がとてもヤキモチ妬きで可愛い部分もあるってことだ
『 降参して、言えよ! 』
「 っ!! 」
肩を押し、ベッドへと押し倒した俺に仰向けになったシロは驚きと戸惑いの表情を見せる
珍しい程に普段動かない尻尾は軽く腹下へと回り、耳すら頭の上から無くなったように見え、その目は泳ぐ
「 自分で……思ってる以上に嫌だったんだ…… 」
『 んー?嫌? 』
「 っ……御前が、召喚される度に主にあんなに懐ついてるなんて、そんな気はしてたが……目の前で見るのと……また、別に…… 」
俺は多分、恥ずかしくて途切れ途切れに言葉を言うシロが可愛くて仕方無いんだと思う
胸の辺りがぎゅっと締め付けられて、腰に来る重みを感じてる
『 嫉妬してたんだ? 』
「 聖獣だからと……考えてたのに、俺も元人間だ。あんなの、見たくねぇ…… 」
彼の目は涙を浮かべるように潤んだ
こんなにもヤキモチ妬きだっただろうか、
こんなにも恋愛に臆病だった人なのか?
聖獣として格好いいと思ってたイメージは崩れた
『 なにそれ…… 』
「 こんな奴、嫌いになんだろ、もういいだろ……話は、いっ!おまっ……! 」
逃げようとした彼が背を向けたと同時に、そのうなじへと強く噛み付いていた
痛がると言うより驚く様子の彼の背中へと乗ってる俺は、今とても気分がいい
『 嫌いになるわけない。寧ろ、聞いてもっと好きになった 』
「 はぁ?なんで…… 」
『 完璧で強すぎて、憧れさえあるシロが嫉妬してくれるんだ、それもまだ幼い主相手に…… 』
シエルはまだ幼い子供なのに、彼と仲良くしてるだけで嫉妬して、これまでの主との関係すら想像して、勝手に妬いてる
それのどこに嫌いになる要素があるんだ
『 確かに俺は、どの時でも主が好きだ。守りたいとずっと一緒に居たいと願う。でも、帰る場所は変わらないシロの隣なんだよ 』
うなじから口を離し、頭へと頬を擦り付ければ
一瞬、纏う冷気と共に人型の姿を得れば
その俯せになった獣の身体を頭から背中にかけて撫でるように触れる
『 人でも獣の姿でも、御前が好きなのに……それを信用できないの? 』
「 信用できない訳じゃねぇ。仲良くしてるのが、凄く嫌なだけだ…… 」
『 でも、それはどうしようも出来ないな。俺は仲良くしたいから 』
「 分かってる、分かってるから苛ついてんだ 」
触れられることに怒ること無く、只受け入れるように撫でられていて
其でも態度はずっと落ち込んでいる
難しいな、主と仲良くしてたら嫉妬するなんて
きっとシエルが大人になって大きくなり今の俺と同じぐらいになればもっとヤキモチを妬くのだろう
妬かさせる事は出来ないと眉を下げ考えながら、頭を撫でて優しく耳へと触れる
獣になってから心地いいと知った部分を優しく撫でていれば、彼の尻尾は僅かに振るように動き始めた
『 なぁ、シロ……どうしたらヤキモチ、無くなる? 』
過剰スキンシップを控えろ、なんていいそうだなーって考えつつ、座り直せば獣の彼は起き上がり
無言で膝の上へと頭を乗せた
「 ふんっ、二人の時ぐらい、その分、独占させてくれ…… 」
『 ふはっ、いいよ 』
寧ろいつも、独占されてる気がするんだが……と笑えば彼は撫でられながら心地良さげにしてた
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