転生したら召喚獣になったらしい

獅月 クロ

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一章 聖獣への道のり編

04

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向けられた鎌に避ける反応もなく、只呆然してる俺の身体はふっと動き、立ち上がったネロによって横抱きにしに、彼はシャルル達の元へと戻っていた

「 ネロ、良くやった! 」

「 ……! 」

フリーレンの傍へと置かれた俺に、ネロは膝を付き自らの腹を抑え、息を荒くし体勢を崩せば
先にシャルルが動いた

「 紛れ込む噂は聞いてたが、よくも俺の可愛い下僕を怪我させてくれたな……。天に輝く一番星、御前の幾年の時を俺に貸せ……夜鬼天衣やこのはごろも 」

シャルルは黒い服装から、魔法と共に格好が変わり、飾りの着いた濃い青と白に輝く漢服には天女が使うような羽衣を羽織り  
しゃらん、と聞こえてきた手首に現れた鈴音共に、次の魔法を呟く

「 へぇ、殺る気?いいよ……キマイラ、殺しちゃいな 」

「「 グアッ!! 」」

少年の足元から現れた魔法陣と共に、四体の見たことのないキマイラが現れればその全てに" 聖獣 "が使われてることに気付き、吐き気がする

『 うっ…… 』

「 チッ、聖獣を使ってるのか。ネロ、俺のナイトを頼む。我が声に答えよ、氷蛇ひょうじゃ! 」

「 鈴音響く、神の笛。全てを切り刻め風鎌の舞かぜかまのまい 」

フリーレンが造り出した氷の蛇は一頭の、ライオンにカラスの羽根が生えたようなキマイラを縛り付けそのまま絞め殺し、身体の骨を折り、ネロの魔法は他のキマイラを粉々に切り裂いた

「 そんな魔法じゃ、聖獣を宿したキマイラは殺せないよ? 」

「「 !! 」」

「 グハァッ…… 」

「 ガルルッ…… 」

身体の傷は超高速再生をし、キマイラは元の姿へと戻った
その光景を見て彼等は次の魔法をする

「 氷華ひょうか! 」

「 二の舞、風蓮ふうれん!! 」 

二人の魔法ですら、簡単に再生する様子を見て周りにいた魔女は動き始めた

「 手を貸すよ、氷の魔法使い、星詠みの魔法使い! 」

「 我等がそいつ(錬金術師)と同じとは思われたくないね。行くよ、赤百足ムカデ! 」

「 御意 」

彼等が戦い、聖獣の俺が只見てるだけ?
血を流しながらも傷の回復を優先してるネロが横にいて、その姿でも俺を守ろうとして

別に守られなくても死にはしないのに

「 クッ……百華狼氷ひゃっかろう! 」

「 蓮の章れんのしょう……風切りかぜぎり! 」

死ぬことがない……俺が傷付かないように……

「 チッ…… 」

「 シャルル! 」

「 平気、あの超高速回復さえ無ければな…… 」

「 厄介だな……聖獣の力…… 」

「 ははっ、たかが四体のキマイラ相手に誰も手が出せないなんて!!それでも名のある魔法使い? あーいや、大半は知らないんだけどね! 」

怪我をするシャルルを心配するネロは、動こうにも動けず眉を寄せ、けれど苦しそうにしてる様子は見せないよう、奥歯を噛み締めてるのが分かる

羽衣が傷付き、砕けていく氷の音
自らの使い魔がやられては自分の魔法を使う魔女の苦戦する声

そんな中で、唯一不死身である俺が怖がって動けずにいるのか?
あんまりにも情けない……こんなんじゃシロに近付くのとすら何一つ出来はしない

動け、吠えろ、御前は聖獣なんだろ!!

『 はっ……聖獣には、聖獣しか勝てないから、手を出すなよ!! 』

「「 !! 」」

吐き出すように声を上げた俺に、彼等の視線は此方へと向いた
けれどもう、そんな事はどうでもいい

『 傷を付いても回復しない使い魔なんて相手になるわけない……聖獣は、主が死なない限り……何度も回復するのだから…… 』

態々怪我をする必要はない、
俺の為に身を犠牲にする必要もない

だから、これ以上、誰も傷付かない前に攻撃を止めて離れて欲しい

「 御前、なに言って…… 」

『 シャルルはネロとフリーレンを守ってくれ!俺は殺る……氷鎧ひょうがい 』

「「 氷属性を持つ聖獣!? 」」

口輪があって良かった、こんな乱れた気持ちじゃ上手く力のコントロールは恐らく出来なかった

冷気を放ち、酸素を氷らせ、身体へと纏うように軽鎧で身体を護るようにし
足元から冷たく氷っていく地面に視線を落とし方手を動かす

『 氷河牢ひょうがろう! 』

「 何度もその魔法は通用しないよ、キマイラ!! 」

「 グァッ!! 」

『 哭け、天狼鏡てんろうきょう 』

地面から現れる氷の牢を避けた四体のキマイラに向け、同じ大きさである氷の狼を造り出し向かわせれば互いに身体をぶつけ合い噛み合う

態々、使い魔が怪我する必要はない
だから、もう殺してはくれるな

「 流石にレベルが上がってるか…… 」

『 我が兄弟を返して貰おうよ!氷壁狼ひょうへきろう二重魔方!氷連鎖爆ひょうれんさばく 』

「「 !! 」」

自分以外の者達の前に氷の壁を造り守れば、氷の塊を投げ飛ばしそれは直ぐに其々に爆発を繰り返す
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