転生したら召喚獣になったらしい

獅月 クロ

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一章 聖獣への道のり編

05

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彼等の宿が見える程度の、裏の林

ファルクが居た辺りとは少しずれた木の影に
フィンレーは俺を連れ、此処までやって来た

少しばかり期待する俺に、彼は的はずれな言葉を呟く

「 あの少年、只の旅人じゃないだろ? 」

『 えっ?あぁ、うん。まぁーな 』

ファルクの事を聞く為に敢えて此処まで連れてきたのか
リリアに聞かれて不味いことかと思ったのだろうか
どっちにしろそんな事かと何処か残念に思う俺は平然を気取り、腰に右手を当てては左手を動かす

『 知ってたんだ、気づいてたのか? 』

「 前に嗅いだ銀狼の匂いと、血の匂いが交じってたからな…。ウルヒリ盗賊団の一員だろ? 」

流石の嗅覚に、俺はふざけた態度を止めた
警戒心が混じることで少しだけ声が低くなるのが分かる
盗賊団だと知って殺す気だろうか、それなら彼相手でも止めるだけの事はする

『 そうだが、何か悪いか? 』

冷たくいい問い掛けた俺に、フィンレーは溜め息を漏らした
その困ったような態度にキョトンとすれば、彼は自らの髪を掻いてから告げる

「 リリアは箱入り娘だぞ。あんな少年見せたらどう思うか……」

『 えっ、なにが? 』

ちょっと理解出来ないとフィンレーの服を掴み僅かに見上げれば、彼は俺の髪に触れ軽く撫でてきた
撫でられることは好きなために尾を揺らして言葉を待てば、聞こえてきた女の悲鳴に肩を揺らす

『 なっ!?リリアに何かあっ……』

「 落ち着け、行かなくていい 」

振り返り、フィンレーから離れて宿へと戻ろうとすれば彼は手首を掴み引き留めた

『 リリアが何かあるってことはファルクも…… 』

「 いや、あれは只の生理現象だ 」

『 生理現象? 』

焦ったまま振り返る俺と比べて彼は冷静なまま
生理現象と告げた後に手首を引き、近くの木に押し当てた

『 っ…… 』

簡単に身体は揺れ動き、背に当たる僅かな痛みに眉根を寄せる
助けに行かなくていいのかと思う俺に、フィンレーは白手袋をした片手を首筋へと触れ、迷うこともなく反対の頬へと口付けを落とす

『 ん、フィンレー? 』

「 雄と雌が、一つの部屋にいりゃ…。後はやることは分かるだろ? 」

獣の耳へと甘く囁く言葉に、やっと理解した俺は先程のフィンレーの誘い文句に彼等が乗ったことになる

『 そんな、まだ若いのに…… 』

彼等の年齢を考えて、大学生まで童貞だった俺には、反対する意思すらある
けれど彼は、開いてる手で下半身のズボンに触れ中心部を撫でながら耳へと甘く噛んできた

「 この世界じゃ関係ねぇ…。それに、質のいい二人だ。交じり合えば魔力も強くなる。共有される俺達もまた、腹が満たされる 」 

他の戦力なんて必要なくなると、囁いた彼の言葉に其では態と二人が交じり合う為に誘ったように見える
無駄に発達した獣の聴覚で聴こえる、リリアの声を聞けばファルクが優しく扱ってるのが分かるが、其でいいのだろうか 

悩む俺は女の喘ぎ声や共有され流れる魔力に、考える思考は薄れ理性は揺らぎ
目の前にいる似た魔力を持つ者を求めそうになる

『 はぁー、そんな……。戦うために、盗賊と王女が交じり合うなんて…… 』

「 まぁ、なんとかなるだろ 」

いつもならちゃんと考えてそうなフィンレーだが、今は彼自身も興奮してるのか甘いフェロモンを放ち、
香りに頭は溶けるように考えが纏まらなくなる 

「 ロルフ 」

『 狡い…… 』

そんな声で名を囁かれたら、身体が痺れそうだ
首筋から胸板をなぞる手に身震いすれば、彼の髪は揺れ俺の額やら頬へと口付け

優しく唇へと触れてきた
押し付ける程度で感じる幸福感と本能に両手を動かし首へと腕を巻けば
口付けは深くなり咥内へと入る舌先を自ら求めた時には、理性など消え去っていた
 
『 ふぅ、ンッ、はぅ、ん…… 』

フィンレーの表情が見たくて、うっすらと目を開け  
彼の閉じる瞼が震え、睫毛すら金色の綺麗な瞳は僅かに開き、視線が重なれば彼は眉間へとシワを寄せ、舌先を程いた

『 はぁ、ふぃんれー? 』

「 っ……御前のその顔、反則だな…… 」

僅かに舌先を出して、垂れる唾液を拭くこと無く
名を呼べば、彼の身体は密かに震えもう一度咬み付くように深く重なった

『 んんっ、んぅ…… 』

狡いと呟いた言葉は、簡単に消え
何度も求めるように口付けられれば、其だけで頭は真っ白になる

触れる舌先が程け、唾液を飲み込んだ彼は
俺の口元を舐めてからスルッと身体を下げてしゃがみこむ

『 ふぇ、なに……? 』

「 キスだけで、反応してるの気付いてたか? 」

『 ぁ!あっ、っ……! 』

彼に合わせて目線を下げれば、ズボンの上からでも分かるほどに硬く勃起した陰茎へと
撫でた手は股の間へと滑らせ、赤い舌先は布の上から形にそって舐め上げた

ぞわっとした感覚と共に、布から触れる玉袋を揉まれ、陰茎を舐めるフィンレーに腰は震え
両手で木へと爪を立て腰を反り上げる

「 唾液で濡らすより濡れたな、此所の毛は乾くまでに時間かかりそうだ…… 」

『 はぁぅ、ァ、クゥン、んっ 』

舌先は外れ、ベルトを外しゆっくりと下げたファスナーから現れる陰茎に、手袋の左右を外し、胸元のポケットに入れそして優しく掴めば舌先を割れ目へと当て咥内へと招き軽く吸った

『 あぁっ!だめっ、ふぇら……好きだから…… 』

「 なら、今日は特別に沢山やってやる。飲んでやるから、出せ 」

ルイスとは多少違い、好きな相手からのフェラに興奮するのは当たり前のもので
舐められる度に身体は熱が上がり、汗が滲む
冷気によって冷える身体より  
魔力と血が巡るような感覚に熱くなる


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