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一章 聖獣への道のり編
6話 人は強欲らしい
しおりを挟む神の庭に帰った瞬間に込み上げる感情は
もう二度と会えないと自覚させるものだった
遠吠えに混じり泣いていた俺は、シロの気配に気付き泣くのを止め飛び付いていた
永く会ってなかった感覚がして、お土産話も沢山有る事を伝えたくて
全身で嬉しさを表現して居れば人の姿へとなっている彼は、俺の首へと腕を回し抱き締めては
只一言" おかえり "と告げたんだ
その言葉を聞いて、俺にとって此所が故郷であり
一つの大きな仕事を終えた気分になった
聖獣としての初任務、主を最後まで見届けることの出来た俺は一つ成長したんじゃないかと思う
『 其でルイスったら沢山の部下がいて…… 』
「 コウガ 」
『 んー? 』
人臭いと言われ、森の中にある川でシロ直々に身体を洗って貰っていた俺は沢山、ルイスの話をしていた
楽しそうに話す、俺の名を呼んだシロへと視線を戻せば彼は眉間にシワを寄せ
じっと金色の瞳を向けてくる
なに?とばかりに見ていれば彼は手を滑らせ後ろから抱き締めてくれば、片手は胸板をなぞり臍へと触れる
ぞわっとする感覚に身震いすれば、獣の耳へ囁かれる
「 恋人の前で他の男の名を連呼するとはいい度胸じゃねぇか…… 」
『 !! 』
「 妬くぞ 」
そうだ、シロは恋人だったんだと実感する言葉と
甘く低い声に身震いすれば彼の指は俺の胸板を撫でては、乳首を軽く摘まんだ
月明かりに照らされ、川には俺達だけの姿がある
『 っ!シロッ、此所外だろ…… 』
「 妬かせるのが悪い。人の匂いを染み込ませて…… 」
ヤキモチを誰かに妬いて貰う事が無かったことに嬉しくなるが、其を口に出せば怒られそうで
首筋へと噛み付く感覚に息は漏れ彼の頭へと手を置いていれば
身体を離したシロは、俺の肩を掴み自分の方へと向けた
『 っ、人の姿じゃなかったら溺れ…… 』
仰向けになった俺に、犬なら溺れていたと文句を言おうとすれば
シロの自然と重なり言葉を失う
白い体毛の狼を見たときは一瞬疑ったが、人の姿をしてる時は見慣れた
金髪に褐色肌、堀の深く整った顔立ちは今は只一人、俺をその瞳に映す
『( 俺の彼氏はイケメン過ぎる…… )』
狡い、と目線を逸らした俺にシロの手は頬の輪郭をなぞり、言葉を発することなく顎を持ち上げ
その顔は目の前へとあった
ゆっくりと瞼を閉じた時には鼻先は触れ、唇へと感じる感触は懐かしさがある
「 俺の匂いで掻き消してやる 」
『 はぁー、うん…… 』
いつから彼はこんなにも嫉妬深かった者だったけ、そう思うぐらいに、簡単に割り入った舌先はねっとりと舌先を絡ませ、俺の身体を求めてくる
自然と求め、身体へと抱き着いていた俺だが直ぐに体位は変わり川に入ったまま岸に手をつけ、
腕の筋力だけで身体を支えた時には熱い陰茎が深く埋まり、内部を擦り上げる
『 ぁ!あっ、水が、はいっるっ、ぁあっ! 』
「 っ…… 」
俺から触れようとすれば手を退かせられ
シロは早々に四つん這いにしてくれば、挿入迄は早かった
それだけ妬いてるのか、荒く擦り上げる内部は熱くなり荒々しい攻めに外だと忘れ声を上げる
人間界に居たときに一度だけ攻めを経験したが、やっぱり受けが向いてるんじゃ無いかって位に気持ちがいい
相手がシロって事も有るだろうが、この身体は雄を求める側だろう
『 シロッ、ひっ、ぁあっ、いっ、くっ、ぁあ! 』
彼が動く度に水の揺れる音が響き、半分腰が川に浸かってるまま、腰を揺らされれば
水が隙間から入ってくる感覚に身震いする
滑り気がなくキツく痛みしか無いのに、自身の陰茎は膨張し、限界を迎える
『 ひっぅ、っ~~! 』
顎を掴まれたまま喉を反り、吐き出した精子は川に溶けることなく流れうっすらと白く濁らせ
俺に合わせて胎内に注がれる精子は川の温度とは比べられないほどに熱い
「 ン……ハァー」
『 はっ、はぅ、はっ…… 』
荒く呼吸し、注がれ入ってくる精子に顔が緩むのが分かる
背後で動くことを止め、只ひたすら種付けするシロを感じれば
このまま孕みたいと思う俺は、この時だけ相当雌落ちしてると思う
顔を動かし、耳やら首筋へと甘噛みしたり舐めてくるシロは腰をグッと奥へと動かし尚更深く挿入してくる
『( うわっ、きっと無自覚で種付けしてるわ…… )』
敢えて深く挿入するシロに、内部は麻痺したように震え強弱を付けて締め付ける
其を感じては、彼が犬の様に頬を髪に擦り寄せ抱き締め来る重みに耐えるしかない
「 ハァー、愛してる……コウガ。俺の匂いでいっぱいだな 」
『 ん、俺も…… 』
髪を揺らし、彼のある顔の方へと視線を向ければ目が合い額をコツンと合わせ、唇を重ね口付けを落とす
甘い雰囲気に長く交尾を楽しんでいれば、風の音と共に砂利に降り立つ足音に視線だけを向ければ固まった
「 フッ、聖獣同士の交尾など珍しいな。獣へと成り下がったのを見るのは面白味がある 」
『 !!? 』
「 っ!馬鹿、うごくなっ。いっ、てっ…… 」
長い黒い鬣を靡かせて、蹄を砂利の石を掻いては
広げていた羽を畳むペガサスのレイヴンの姿を見ては、
恥ずかしさに焦って動いてしまった俺へと、痛がり雌が暴れた時のように本能的にうなじに噛み付いてきたシロの犬歯の痛みで硬直する
だって、誰かに見られてるなんて恥ずかしくて仕方無いだろ!
「 抜かないのか? 」
「 抜けねぇんだよ…… 」
「 フッ…… 」
勿論、レイヴンに鼻で笑われた事に俺は穴があったら隠れたくなった
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