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エピローグ

03

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だから言ってやろうと、" 俺のものになれ "と....

海賊だとかキャプテンだとかルイだとか記憶だとかそんなの全て放り投げてこいつに短剣で刺されようが殺されようが良かった

愛してしまったのだから....


沈むような冷たさと愛しい者が泣くような
声に目を覚まし軽く手を伸ばしその顔へと触れる
人の姿からかけ離れても御前には変わらないことに俺は緩く笑えば咳をした後に身体を起こした

「 っ、いって..... 」

「「 キャプテン!!? 」」

「 ティタン!直ぐにオルガの場所へ!!! 」

どうやら俺の" 恋患い "と言う病気は愛してると言えば心の痛みが無くなることに気付いた

そして、手術を終えた俺は起き上がれば部屋にいたオルガは小さく笑う

「 恋患いは治ったようじゃの? 」

「 嗚呼、本当だ....痛くない 」

何処に銃弾が当たったとかそんなのどうでもよくて只ずっと記憶が戻らずモヤモヤして感覚とウィンドに言えずに後回しになったことが不思議なほどにスッキリすれば包帯の巻かれた胸元から手を離せば扉が開く

「 オルガ....ご飯......!! 」

入ってきたスクードに視線を向ければ俺のあげたバンダナを何時ものように目元まで被るように巻いていれば直ぐにトレーを持ったまま走っていく
あんなに騒がしいやつだったかと思いながら上半身裸のまま部屋を出れば甲板へと向かった

いつから寝ていただろうかと吹き抜ける風と青空に昼間にかかわらず出ている月を見ればそれは既にかけ始めた十九夜

其なりに寝ていたなと思えば背後から走って来る音に振り返れば其処にはクルーが姿を見せる

「 なんだ、全員そって仕事をサボって.... 」

『 デリット!!! 』

「「 キャプテン!!! 」」

見慣れた人の姿をしたウィンドは駆け寄り俺の身体へと抱き着いてきた
流石に起きたばかりで痛む身体は後ろへと尻餅をつけば彼は涙を流しながら笑った

『 馬鹿!! 』

「 その、涙の意味を教えてくれるか? 」

頬をなぞれば俺を乱し何時も泣く男は笑顔で答えた

『 嬉し涙だ、馬鹿!! 』

抱き着くように首へと顔を埋める彼が震えてることに俺はそっと抱き締めた
正直、毒と痛みで半分ぐらい覚えてないからこそ其処まで泣くことかと笑っていれば周りのクルーも泣きながら笑った

「 流石に今回は心配したよ.... 」

「 キャプテン!!よ"か"った"!!  」

「 ....うん...よかった。 」

俺はまた泣かしたなと眉を下げ見ていればゆっくりと歩いてきた金髪に明るい目をしたコバルトブルーの瞳のアランは笑みを溢す

「 ....よかった、ルイ 」

「 嗚呼....アラン 」

溢れるように涙を溢すアランは密かに頷けば其々に言葉を交わしていればゆっくりと顔を上げたウィンドは何処か目線を外した

「 そう言えば、御前は元気なのか? 」

『 朝日と共に元の姿に戻ったんだ...その、俺は勘違いしてた 』

「 なにがだ? 」

『 ずっと心と身体はその日に繋がらなきゃと思ってたけど....その... 』

何処か言いづらそうにしたウィンドに何が言いたいのかそれとなく察すれば俺は笑みを溢し顔を近づけた

「「 おぉっ!! 」」

『 っ!! 』

「 ウィンド、御前を愛してるよ。俺のものになってくれ 」

『 ......その、宜しくお願いします 』

口付けを交わした後にセシアブルー色を美しい目を持った俺の愛しい者は目を逸らした後に何時ものように顔を下げた
その顎を持ち上げ再度深く口付けを交わせば心の痛みは面白いほどに消え去った

『 んぅ、んっ....!ちょっ、デリットまって.... 』

「 待てない.... 」

『 いや、だって....みんな、みてるからな.... 』

舌を絡ませていた唇をほどけば胸元を押すウィンドを抱き締めれば彼の言葉に周りを見ればそう言えば傍観者が沢山いたなと思い出せば俺は立ち上がりウィンドを引き寄せそのまま横抱きへとする

「 そう言うことだ御前等、当分....船長室に近付くなよ?来たら、鮫の餌だ 」

『 デリット!!お、降ろしてくれ!!怪我というより恥ずかしいだろ!! 』

言葉を閉じていたクルーはわーわー騒ぐウィンドと俺を見送れば其々に顔を合わせ一つ息を吐いた

「「 やっとくっついてくれた 」」

「 お.....お、俺は認めないからね!! 」

「 海賊に助けられてる人がなに言ってるの?海軍辞めさせられたくせに~ 」

「 五月蝿い!! 」

無銘の海賊が手に入れた美しい人魚

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