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エピローグ

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俺の情報を嗅ぎたがる変な新人クルーが最近入った 
前の戦闘で余り財宝を持ってなかったのに関わらず此方のクルーは二人死んだことや自分の弱さを感じて苛立ってた時に適当に許可したに過ぎない 

だが、人魚の港町で気分害させた程には悪いと思っているからな....それに溺れたときも助けてくれたし、ジャックにも言われたからな...

" キャプテンらしく御礼したらどうですか? "

次に辿り着いた港で暇そうに甲板を適当にブラシで掃除をしていた後ろ姿を見る
黒髪の少し長めの短髪を見ればもう少し長めでも似合いそうだと思うが言ってはやらん

「 はぁ....あいつ、他人事だと思って... 」

女をデートに誘うならしたことはあるが相手は男だし新人クルーだと思いながらガサガサと金髪の髪を掻き深く溜め息を吐けば踵のあるブーツを鳴らし近付く

「 おい、 」

『 はいっ? 』
 
声をかければ振り返るセシアブルー色の瞳は俺を移すなりブラシを背後に隠し男にしては綺麗な程の表情で笑った

別にブラシを隠無くさなくてもいいと思うが俺はキャプテンだからな、とこういった時に新人クルーとの立場に嫌気がすると思うも此処からなんて言えばいいか分からずあーとか、言葉を出せば傾げる

「 なんだ、俺の荷物持ちにさせてやるからそれ片付けさっさと来い 」

『 !!はいっ、直ぐに片付けて来ます 』

ぱぁと分かりやすく顔色を明るくさせる少し年上の男に胸は変に高鳴る
立ち去る彼奴が離れれば胸元に手を置く

「( 胸が、速い....病気か? )」

健康体の筈なんだがと思いながらその辺で適当に手摺に凭れて待っていれば走って戻ってきた彼奴は笑みを溢す

「 行くぞ.... 」

もう少し柔らかな言い方が有るだろうが俺には其が分からずにきついもの言いに密かに舌打ちを漏らせばふっと少し後ろに歩く彼奴を見れば目を見開く 

『( 俺は...何かしただろうか )』

しゅんと分かりやすく落ち込む表情に舌打ちが不味かっただろうかと思えばどうするべきかと考えながら港へと降り歩いていく
 
多少広い町なら彼奴にも何か欲しいものの一つでも有るだろうと適当に見ていれば背後を見れば既に人込みに戸惑ってる様子に驚く

「 ばか、何処行こうとしてんだ 」

人込みすら慣れてないのかと何処の育ちなんだと呆れるが心配だと思う面もある

手首を掴み引き寄せれば驚いた様子の後に目線を外す

『 あ、すみません.... 』

そう言えば抱いてから顔を会わせて無かったなと思えば何故か頬を染めるもんだから俺まで初が移る

「 い、いや....離れなければいいんだ 」

『 は、はい.... 』

「『 ..... 』」

「( 気まずい!!! )」

こんなに男と買い物に行くだけで気まずいものかと互いに顔を染め無言の沈黙

俺はその空気を壊しさっさとそのまま掴んだ手首を引き歩いていく

このまま港町周辺の人込みに紛れ見失えば出港前にジャックが点呼を取る時にいないとかなったら洒落にならない

彼奴を見れば不安そうな顔にそんな気がする

人込みからから広くなる町中につけば屋台に並ぶ金品やこの辺りの名産の物が並ぶ

「 ....これ知ってるか? 」

『 なんでしょ? 』

「 マンゴスチンってんだ 」

果物屋の前に立てばそれなりに珍しい果物を手に取れば、それは紫色の果皮は分厚く硬く
剥けば、現れる白い身を差し出せばこいつは顔を上げる

「 食ってみろ、果実の女王と呼ばれるんだ 」

『 ...いただきます 』

知らないと言う様子に育ちは良さそうなのになにも知らないと見て思う

パクリと口を開け食べた後に笑みを浮かべる

『 見た目に反した柔らかくて上品な甘味ですね。これ、甘くて美味しい.... 』

「 そうだろ?買って帰るか 」

店のものに金を渡せば近くを通りかかったクルーに買わせるよう指示を出せば
彼奴は告げる

『 俺、ルイに果物とか教えて貰ったんですけど....こういった果物も美味しいですね 』

「( あぁ、またルイ.... )」

此処に来て直ぐに" ルイ "と言う名前のやつは居ないかと聞かれた
俺はそんなやつは聞いた程度で知る筈がないだからこそこいつが名を出す度に嫌気がする

「 次だ.....行くぞ 」 

『 あ、はいっ! 』

俺はルイじゃない、なのにこいつの瞳にはそいつしか映ってない
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