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十話 最終章
08
しおりを挟む満月の光に照らされた白い大きな海軍船を見付けたウィンドは合ってるか確認するために近付きロープを掴み息を潜めた
「 ったく、中将の我儘には参るぜ 」
「 あの海賊と全く同じ顔なんてな... 」
『( 当たったか.... )』
此処だと分かったウィンドは人の脚へと変えればロープから上へと上り持ってきていた短剣を抜けば背後から二人の首の頸動脈を切り裂いた
「「 えっ?っ.... 」」
どさりと倒れた海軍に彼は他の見張りを倒していく
デリットを助けるために一人ずつ確実に倒せばこの静かな夜のお陰で油断してる彼等にウィンドは適当な服を掴み、自分の身体に着れば鱗が見えることに眉を寄せるが
其も余り気にせず背後から近付いた敵の首へと短剣を向けた
「 っ、誰だ...! 」
『 キャプテン・デリットは何処だ?言わなければ殺すぞ 』
低く告げたウィンドに海軍はごくりと喉を鳴らせば静かに答える
「 せ、船長室だ...其処に、囚われている... 」
『 そう、ご苦労 』
「 !! 」
首を落とした彼は血を浴び、冷めた瞳を向けた後に短剣の付いた血を振り落とし船長室へと向かっていく
『 此所か.... 』
船の構造は似てるために直ぐに辿り着いた彼は短剣を握り締め中へと入る
静かに扉を開き中は薄暗く灯りが無いことに眉を寄せるウィンドは剣を胸元に寄せベッドへと近付けばふっと金髪の髪を見れば目を見開く
『 ....デリット? 』
囚われていたと言われたがやっぱり家族会議程度で後は余り喧嘩してなかったのかと一瞬安堵し剣を下げれば手を伸ばした瞬間にその手首は掴まれる
「 残念、彼なら居ないよ 」
『 っ!! 』
そのままベッドへと押し倒されたウィンドは油断したと短剣を掴んだ手首を頭の上で拘束され見上げれば暗闇に慣れた瞳はその金髪であり明るいコバルトブルーの瞳を見れば眉を寄せる
『 アラン王子...なぜ、ルイ王子に剣を向けるのですか.... 』
「 君、キース? 」
覚えていたのかとウィンドは思うも直ぐにアランは笑い彼の手首に力を込めれば外れた剣を持ち部屋へと飛ばし落とす
「 もちろん海賊だから。俺ね、実は君のことが大嫌いなんだよ.... 」
『 好かれてるとは思ってませんでした 』
いい放つウィンドに彼は手首から腕にかけて見れば笑みを溢す
「 そりゃね...この鱗。君、もう死ぬならさ...ルイに関わるの止めてくれるかな? 」
『 っ、俺は...仲間と約束したんだ...キャプテンを連れて帰ると...! 』
「 ぐっ!! 」
ウィンドは彼の腹を蹴り飛ばせば腕が外れたと同時にベットから降り短剣を掴めば上半身裸のアランはベットに立て掛けられた自身の剣を抜けば鼻で笑い自分の身体に触れる
「 ねぇ、いいことを教えてあげようか 」
『 ..... 』
「 此処に来てから毎晩ルイは俺の身体を激しく求めてくるんだよぉ?困っちゃうね! 」
『 !! 』
アランはそう告げれば剣を向け一気に距離を縮める言葉に油断していたウィンドはすれすれで剣を受け止めれば睨む
『 どんなに君を求めようが構わない。俺は" デリット "を信用するだけだ! 』
「 諦めちゃいなよ。それに君は俺に勝てない 」
何度も剣を振るアランに比べ此処に来る迄に体力の削られたウィンドは尚更相手がルイと同じ顔であり兄弟の事を知ってる為に剣を向ける事が出来ずに居た
響く金属音が重なる音にウィンドは涙を流した
「 いってー! 」
「 あーもう...勝てないよ.... 」
『 御二人ともまだまだですね 』
あの時の思い出を思い出すウィンドは手から剣が外れればアランは喉元で剣先を向ける
「 もう、昔のようには戻れないんだよキース 」
『 俺は戻れると信じてる 』
彼は剣先を避け横へと移動し壁にかけてある剣を持てば向き合う
再度剣を重ね合い互いに譲らない
頬を斬るアランは眉を寄せ、肩を斬ったウィンドは奥歯を噛み締めていれば部屋の扉は開いた事に視線を向けた
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