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九話 囚われた海賊
05
しおりを挟むヴォルフが予測した時間迄に急いで準備をするクルーにデリットは行こうとすればウィンドは止めた
『 本当に、弟と戦うのですか... 』
「 向こうが剣を抜けばな 」
ウィンドの言葉にティタンはゆるりと視線を向けるもデリットの言葉に彼は眉を寄せる
『 俺には、どうすることも出来ないのが、辛いです... 』
「 御前は航海士としての仕事をしろ。ティタン、戦闘に出てもらうぞ 」
「 はぁい 」
返事をしたティタンは飲み物を呑み終えればそのまま自分の武器のある奥へと行く
デリットはもう一度彼を見た後に頬を触れば告げる
「 全て終わったら、御前に伝えたいことがあるからな...俺は命を粗末にはしない 」
『 伝えたいこと....? 』
そのまま手を離し立ち去ったデリットに彼は何を?鱗?等を考えるも自分も航海士としての仕事をするために急ぎ食堂に後にした
クルーは其々に武器を持ち揺れ動く甲板が沖に出たことである程度減れば目の前に迫る海軍船へと向けデリットは腕を上げ向ける
「 大砲用意!! 」
其を合図にジャックは声を上げれば地下では大砲を入れ前方へと向ける
そして、向こうが大砲を撃ってきたと同時にデリットは声を出す
「 放て 」
「 7時の方向に発射!! 」
連続での大砲が相手の船の付近に落ち擦った事で確実な距離は掴んだと分かれば其々に剣へと手を掛ける
打ち付ける雨と雷の音が煩く聞こえる
相手は海軍船、どれだけ乗ってるか分からないからこそ不安になると
「 スクード、命令だ。ウィンドを守れ 」
「 !! 」
隣に来たスクードは双剣を持つもその言葉に驚き見上げれば彼は視線を落とした後に緩く笑みを浮かべる
「 御前がクルーの中で強いから頼むんだ。頼んだぞ? 」
「 はい! 」
頷いたスクードは直ぐにウィンドがいる船内の航海士の部屋へと迎えばジャックは一つ笑う
「 女は守りますってか? 」
「 はっ、あんなつるぺた女扱いしたら本人に怒られるわ 」
「 でも、スクードの気持ちに気付いてないわけ、ねぇよな? 」
ジャックは軽く笑い問えばデリットは僅かに目線を外し小さく笑った
「 さぁーな、なんの事やら 」
「 またまた 」
「 ジャック...俺になにかあればこの船は任せるぞ。御前は、副船長なんだからな 」
デリットは船の先端へと行く為に上へと上がりその場を立ち去ればジャックは肩を落とし行き場のない笑みを溢す
「 何時までも一人で抱えこむんだな。まぁ、やってやるけど 」
目の前に迫る海軍船にデリットはロープを掴めば互いに先が掠り激しくぶつかれば
海軍は船へとロープを使い降りてくる為にデリットは剣を抜き走り出す
「 キャプテン・デリットが先行だ!!殺せ!!! 」
「 おっと、" 捕らえろ "じゃないのか 」
生け捕りにでもするかと思っていたデリットだが本気で殺しに掛かってくる海軍に内心驚くもそんなもんかと思う
海軍の甲板へと降り立てば向かってくる者から斬り倒し血を浴びながら背後の敵を刺す
「 がはっ!! 」
敵から剣を抜けば辺りを見た後にニヤリと笑い踵のあるブーツを鳴らしばさりとコートを動かせば声を出す
「 俺はスカージ海賊団 、キャプテン・デリット!!殺れるなら、来い 」
「 無銘の海賊風情が小賢しい!!! 」
「 殺せ!!! 」
「 無銘か、やっぱりあの手配書はガセか 」
向かってくる敵を倒しながら二億とは嘘だと思っていたデリットは鼻で笑いながら斬り倒し恐らく居るであろう人物に向かって行く
『 始まったか... 』
「 ....ウィンド。 」
スクードはやって来れば名を呼べばウィンドは地図を丸め其々に片付け、剣を腰へと差し直せば上から聞こえる剣の音や雷の音を聞きながら小さく笑う
『 争いは好まない種族に生まれた筈なのに...辛いものだな 』
「 ....? 」
なんの話だろうかと傾げたスクードにウィンドは首元のバンダナを撫でた後に入り口へと向かう
『 スクードもキャプテンのところに行きたいだろ?俺を守る命令が出たなら、上で守ってくれるか? 』
「 !! 」
本当はデリットの傍に居たかったスクードにとってその言葉は嬉しかった為に頷けば彼は頷き共に外へと出ることにした
走って廊下を抜け甲板へと行けば目を見開く
「「 グッ!! 」」
海軍の死体はあるが敵が甲板に攻め入って無いことに驚いたのだ
全て戦闘員達が付近で守ってることに二人の口元は上がる
「 やれやれ....騒がしいなぁ....のんびり本も詠めやしない.... 」
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