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六話 現れる恋敵
05
しおりを挟む海軍船 船長室にて
「 報告、予定通り人魚とキャプテン・デリットは接触した模様 」
連絡を受けた彼の部下は走ってやって来れば手配書を見ながらにやついてる海軍中将は笑みを浮かべる
「 ほらね、忘れていても何となく分かるんだよ。あぁぁあ、僕も直ぐに会いに行くからね....ルイ......! 」
手配書に頬を擦り寄せる海軍中将に最近前より壊れたと幹部は思っていた
「 出航しますか? 」
「 そうだね、向こうに気付かれない距離を保って保って......そっと近付いて 」
「「 はっ!! 」」
部下はそのまま立ち去れば海軍中将の男は椅子から立てば壁中に貼ったキャプテン・デリットの写真やら紙を見れば両手を扇ぎ天井へと手を伸ばす
「 あぁ、堕ちてしまった君を....この手で引き摺り戻して上げるよ...... 」
出航したスカージ海賊団の食堂
此所に来ないキャプテンに其々、珍しい男の人魚に夢中なんだってことぐらい理解してるがやっぱりクルーもまた気に入らなかった
「 あーぁ、キャプテンの珍しい物好きは今に始まった事じゃないけど、なんつーか今回は違う気がすんだよなぁ 」
「 そうそう、こう....懐かしいものを見つけました、みたいな? 」
「 あ、それそれ。そんな感じだったわ 」
其々に口を出しどんな様子だったかと話していけば食堂に入ってきたウィンドの様子にクルーは息を飲んだ
明らかに不機嫌なその様子はキレた時のキャプテンに似てること事だ
触らぬ神に祟りなしと言うようにごくりと唾液を飲み込んだクルーはキャプテンの名前を出すことなく他の話をする
けれど、其を気にせず爆弾を投げる男がいることをクルーは咄嗟に気付く
「 よっ!暗い顔してどうしたよ 」
「「( ジャック止めるんだ!! )」」
「 まるで、恋人が取られて寂しそうにしてる女々しい女みたいだぜ? 」
『 !! 』
「「( 爆弾より悲惨な大砲を飛ばしやがった!!! )」」
そんな事はティタンでも言わないぞとクルーは青ざめれば地雷が爆発することを恐れているもその地雷は一向に落ちず変わりにクルーはその今のさっきまで切れていた我等の航海士がみるみるうちに顔を真っ赤に染め上げることに気付く
「「( ありゃ、まさかの?? )」」
『 俺....キャプテンの事が.... 』
「「( え、無自覚!? )」」
今更の様に赤く染まって口元に手の甲を置くウィンドにクルーはあんなに分かりやすく自分達に向ける笑みとキャプテンに向ける笑みの差に気づかないわかないだろと思っていた
あの、爆弾を投げるジャックさえ分かっていたぐらいだ
『 だからこんなに、胸が痛いんだ.... 』
「 ふはっ、ウィンドはキャプテン大好きなのか!俺も好きだぜ!! 」
「「( 恋人とか言ってたやつがきっと御前のそれとちげぇよ )」」
片手を胸へと当てるウィンドに比べけらりと笑うジャックにクルーは冷めた目を向けていた
けれど、其れよりも我等航海士の想いに何となく応援したくなったクルー達だ
特にティタンとジャックはそう思っていた
「 キャプテン鈍感だけど、きっとウィンドの気持ちには気付くんじゃねぇかな? 」
「 どうだろ~?キャプテンだよぉ?お、ありがとうで終わらない? 」
「「( 凄く...終わりそう )」」
軽はずみにキスしたりするようなキャプテンだ
それにクルーがずっとキャプテンを頼れる人としてスキスキコールしてるのさえ今は何処か面倒さそうに受け流すのだからウィンドの想いが空振りするのは察する
だからと言って口を挟むつもりはない男の友情が堅い海賊団
「「( 応援はしてやるぜ!! )」」
ニヤリといい話のネタにならと鼻の下を伸ばすクルーを知らずウィンドは胸の高鳴りと他の人魚への嫉妬の意味が分かれば、駆け足のような心拍数の鼓動は治まることを知らない
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