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六話 現れる恋敵
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しおりを挟む夏の気候が近い島の沖にぽつんと一隻現れるのは大きな船の海軍船
黒光りした海賊船とは裏腹に裏腹に白一色で塗られた塗装や旗はその海軍が属する国の旗
その船にある船長室にて、この船を任せられている人物は部屋中に貼った写真や気取った髪を見ては口角を上げる
「 はぁ!あぁっ、やっと見つけた。あの日に送られてきてのが偽物だと気付いた....だって僕達は....双子だからね!ルイ!! 」
あの日に使った剣に付いた血を舐めては頬に手を当て笑う表現にここ最近ずっとこの調子だと部下は真顔のまま入り口付近に立っていれば、扉はノックされる
「 中将、言われたものが届きました 」
「 んふっ、あ~あれねぇ。いいよ、入って 」
彼の言葉に部下は扉を開けば其処立っていた部下は獣用の檻をカートに乗せ持ってくれば彼の部屋の中心へと置く
「 へぇ、中々良いもの持ってきたねぇ 」
「 はっ!!男の"人魚"を捜すのは苦戦しましたが....それでコイツをどうするつもりで? 」
「 勿論、政府の為に俺の為に....働いてもらうよ、助けたんだからいいよね?" キース " 」
「 !!! 」
剣を向けた中将に檻の中に居た男の人魚は目を見開けば涙を浮かべた後に深々と頭を下げた
カモメ鳴く港町
やっと辿り着いたスカージ海賊団は飯だ飯だとクルーは降りていく
此所は海軍が来ない比較的に平和な港
金を落としていく海賊でも海軍でも皆、いい客として出迎える場所だ
「 キャプテンも行きましょう!ってキャプテン? 」
今日もスキンヘッドをピカッと光らせ元気のいいジャックは振り返ればデリットは手摺に凭れ何処か青ざめてることに気付き近付く
「 俺はもう動けねぇ....酒を買ってこい。それも飛びきりにいい酒を.... 」
「 はっ!キャプテン、此所に来るまで四日食べて無いもんな!おう!其ならウィンドが買ってくるって 」
『 へ?俺が、か? 』
ロープを持ち港の下に降りたスクードに反対側を渡し下では其を持ち結ぶ
作業をしてた事に急に話を振られ驚いたウィンドだが動けないと告げるデリットを見れば近付き笑った
『 俺で良ければ直ぐに買ってきます 』
「 もう、誰でもいいから買って来い 」
『 アイアイキャプテン!! 』
返事をするウィンドは前にクルーから巻き上げた、いやポーカーで買った金があるために一旦其を取りに部屋へと急いで戻ればデリットは首を傾げる
「 なぁ、ジャック...なんで彼奴はあんなにパシられることに喜んでんだ 」
「 さ、さぁ?なんでだろうなぁ?( 絶対に言えねぇ )」
態とらしく首を傾げそそくさ地上に降ろし甲板から繋がる板へと行き降りていくジャックにデリットは腹の減り過ぎで考える気力が無いままに港町を見る
此所は何度か来たことが有るために下手な騒ぎにならなければ至って平気と知っている
それに人魚も売ってない....
『 キャプテン、行ってきます 』
「 嗚呼、気を付けていってこい。スクード、道案内してやれ 」
「 ...... 」
下に居たスクードは見上げた後にコクコクと頷けば板から降りてくるウィンドと共に港町へと歩いていく
「 こう見てると兄弟みたいだよねぇ~ 」
「 ふっ、そうだな.... 」
今日はナタを持たず腰に剣をぶら下げているティタンは横へ来れば二人の背中を見ながら言えばデリットは頷く
「 キャプテンは兄弟とか居るの? 」
「 ......さぁな、寧ろ居たかどうかも知らねぇよ 」
「 ははっ、俺もかなぁ~ 」
此所に居る者達は其こそ兄弟と分かれ其々に必死に生きて来た者ばかりだ
兄弟が居ないからこそクルーは仲間であり兄弟であり家族みたいなものだとデリットは思っていた
「 もし居たとしても....同じ顔だけは避けたいなぁ 」
「 なにそれ~?ヴォルフとカーネみたいな? 」
「 彼奴等は顔が違うだろ....まぁ、兄弟が居たところで今更なんて顔で会えばいいんだか 」
ヴォルフとカーネは二卵性の為に其々赤髪であるが微弱に顔が違う
だからこそ見分けがつくと思ってるのだが、もし自分に瓜二つの彼奴が兄弟だとしたらと考えていたデリットは持っていた人魚に纏わる本を開けばティタンは買い出しへと行く
「 コック長準備ができました 」
「 じゃ~...いこっか 」
「「 はっ!! 」」
行ってくるよと告げたティタンに軽く返事をしたデリットに彼等は運ぶ為の道具を持てば下に降り港町へと向かっていく
一気に静かになった船には今日はデリットとオウガとリーヴル位しか居らず他の者は久々に上陸だと張り切って遊びに行った
止めることをしないデリットは港町の活気を他所に大量にある人魚の本を色々見ていこうと頁を捲る
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