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四話 公爵の島
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しおりを挟む誰も居ない静まり返った屋敷のガラス窓を蹴り飛ばし割るデリットの荒さに驚くウィンドだがいちいち驚いていては仕方無いと着いていく
「 広いな...スクードは俺と来い。ウィンド、ヴォルフ、カーネは向こうに廻れ。ジャック達と出会えば更に散らばってすべての部屋を開けろ 」
「「 アイアイキャプテン 」」
デリットは東の階段を降りていけばそのままウィンド達は走り数多くある部屋の扉を開けていく
一つとして開けない事はない
「 ...気付いてるか? 」
「 ...... 」
デリットとスクードは下に行くほど嫌な感じがする事に気付き彼の言葉にスクードは頷く
「 此所は、公爵の屋敷じゃ....いや、元屋敷か 」
「 ....とても古い。なのに、新しい 」
壁に触れるスクードはまるで新しく塗り固められたような造りの屋敷に違和感を感じる
端から見れば綺麗な屋敷だがまるで使われてない廃墟のような場所だと
地下の部屋へと進み部屋を蹴り飛ばし開ければデリットは眉を寄せる
「 ......公爵? 」
「 いや、違うな....此所の使用人だ 」
骸骨になっているままテーブルに伏せて倒れている男の骨に近づき明かりに火をつけ服装を見たデリットにスクードは辺りへと視線を向けた瞬間に油断したと目を見開く
「 ぐっ!! 」
「 !? 」
ドサッと重い音を音を立て倒れたスクードにデリットは視線を向けた後に腰にぶら下げた剣を引き抜けばカンッ!!と激しい音が響き両者の剣は重なりあえばふっと明かりに見えた人物に互いに驚いた
『 ジャック! 』
「 ウィンド!!キャプテンはどうした!? 」
『 それが分かれて.... 』
合流したジャックは何処か焦ってる様子にウィンドは傾げながら答えれば彼は肩を掴み告げる
「 馬鹿、早くキャプテンを見付けて退散するぞ!! 」
『 何故だ? 』
「 此所は今はもう公爵の屋敷じゃねぇからだ! 」
ウィンド達がやって来た方向へと走り出すジャックの言葉になにがなんだかわからないが彼等よりも多い足音に気付く
『 じゃ、なんだって言うんだ 』
「 あの地図は宝の地図じゃなくて、避けるべき島を表していたんだ。此所は.... 」
明かりに照らされた中で見えた白い厚手の服と胸元には数あるバッチ
金髪の緩くウェーブの掛かる髪を揺らし明るいコバルトブルーの瞳は目を見開き
一方のキャプテンのコードを羽織るデリットはその姿を見れば剣に力をいれる
「 " 海軍中将 "が、こんなちんけな島になんのようだ 」
「 ...... へぇ、俺を知ってるんだね 」
互いに瓜二つの顔にスクードは斬られた部分を抑えながら驚くも当のデリットの方が遥かに驚いているが、その格好は正に海軍のものだ
『 海軍基地!? 』
「 それも御忍びだ。なんでこんなところに来たかはわかんねぇけど、って、追ってくんなーー!! 」
「「 待て!!海賊!!! 」」
ドタドタと走りながら追われるジャック達は走りながら呟けばウィンドは予定が狂ったことは理解できる
「 きっと今頃、船にいる奴等は船の場所を変えてるだろうな。ヴォルフ、カーネ、足止め頼むぜ 」
「「 りょーかい 」」
立ち止まった二卵性の双子は其々に剣と拳銃を持てば海軍へと面と向かって戦闘を始める
『 二人はいいのか!? 』
「 忘れたのか?キャプテンは腕の立つ11人を連れてきたんだ。負ける筈はない....不意を突かれなければ....だが..... 」
呟いたジャックに前から来た海軍を切る彼はウィンドは目を見開いた後に奥歯を噛み締め腰にぶら下げた剣に手を掛ける
人殺しは性分ではないが今は仕方無いと...
「 俺達も来たくて来たわけじゃ無いんだねぇ、此所の公爵の遺産を取りに行けと命令が出たから来たわけ。....そしたら君にあった....その胸元の死神....スカージ海賊団キャプテン・デリット....だね? 」
「 はっ、軍の犬が....命令が無ければ動かねぇくせに 」
「 それは君のクルーも同じでしょ 」
カンッと剣を弾き互いに距離をとればデリットは背後にスカージを守るように立ち剣を構える
「 罪人共の悲しき友情?詰まらないねぇ、此処で死ぬのに 」
「 なんとでもいえ、俺はこんなところで死ぬつもりはない 」
「 ......落ちぶれたね 」
「 は?......っ! 」
ポツリと呟いた中将の言葉に聞き取れなかったデリットは眉を寄せるも直ぐに向かってきた剣を重ね
狭い部屋で激しい剣のぶつかり合いは響く
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