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三話 新米航海士
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しおりを挟む昼から休むことなく解読するウィンドはメモを書きながら航海士の部屋にある本を探ったりと調べるのだが、分からない絵に頭を悩ませ、なんとなくあの人に聞くことにする
『 キャプテン、ちょっといいですか? 』
夕暮れに訪れたウィンドに彼はベットに横になった身体を起こせば頷く
「 どうした? 」
『 聞きたいことがあって 』
その言葉に直ぐに地図の解読に苦戦してるなと思えばデリットは立ち上がりテーブルの椅子へと腰を掛ける
「 俺に勝てれば聞いてやる 」
『 !!今日は勝ちますよ 』
聞いたり御願いを叶えてもらう為には相手に勝って所有権を握る必要がある為にウィンドは白いチェスを持つ
「 それで、何を悩んでるんだ? 」
『 え?ちょっと....分からない絵があって。黒い馬と鎧、そして王冠になんだろうと.... 』
「 ほぅ、御前はどの様に解釈してる? 」
黒い馬、鎧、そして、王冠
その言葉にウィンドは自分の考えた解釈を答える
『 黒い馬と鎧でナイト、そして王冠はキング、つまり....あ....キャプテンありがとうございます 』
いまだに一度しか動いてないチェス盤を見ればなにかを閃いたらしいウィンドは立ち上がればデリットは行っていいと言うように手で合図する
『 では、失礼します 』
自分で解決できたなら勝負を受ける必要もない事にウィンドはその場から立ち去れば航海士の使う部屋に戻り地図を広げる
『 この地図はチェス盤なんだ。人魚の横に冠はクイーン、そして月は白。白いクイーンの位置で....此を一枚の紙に書くと.... 』
解釈したものを組み合わせるように別の紙に配置を書いていく
宝の地図全体がチェス盤になっている為に後は此を組み合わせ紙と照らし合わせるだけ
ポーンは農民を意味し、クワと草
そういったように置かれている位置に地図へと書き写せばふっとまた疑問にぶつかる
『 これ、どうやってチェスの駒を動かすんだ....なにかヒントになるものは無いだろうか..... 』
チェス盤になったのはいいもの肝心な中心部である島への行き方は一切分からない為に深く溜め息を吐き其を見るウィンドは残っている絵を見た後に頭を掻く
『 俺は剣術や馬術は得意でも、頭脳は苦手なんだ 』
「( クスッ、まぁ....頑張れ )」
外から聞いていたデリットはお手並み拝見とばかりに微かに笑いながらその場を後にする
「 な~んか、疲れてるねぇ? 」
『 解読できたと思ったら.....肝心な島への行き方が分からない.... 』
「 ははっ、苦戦してるねぇ~ 」
夕食にやってきたウィンドはテーブルに額を当てていればティタンは料理を置きながらけらりと笑う
『 苦戦もなにも....初めての地図だからな....いや、解読してやるけど.... 』
「 じゃ甘いものでも食べたらぁ?ほら、どうぞ 」
『 ありがとう.... 』
剥かれた林檎が皿に入ったのを受け取ったウィンドは手に持ち口にいれていく
何が間違っているのかと考え込みながら林檎を食べ終われば残った晩飯を食べ進めご馳走さまと両手を合わせればそのまま部屋に戻り灯りを付け地図とにらめっこをする
その様子を甲板から見ているジャックは隣で立つデリットに視線を向ける
「 言わなくていいのか?地図はもう一枚あったってこと 」
「 ふっ、彼奴なら一枚だけで敵が解読できなかったことすら解けるだろ....因みに俺は直ぐに理解したがな 」
「 相変わらず地図の見方は得意だなぁ。流石"元航海士さん"よ 」
「 ふっ、なんのことやら 」
ジョッキを煽り飲むウィンドにジャックは光がつく部屋へと視線を向けながら態と解かせようとする彼の性格に笑顔を溢す
「 素直じゃねぇんだから 」
「 ふっ、まぁだが....この程度が解けなければこの先の航海に彼奴だけを頼るのはキツいだろうな 」
「 なにいってんだか、今までだってキャプテンの言葉で来れたじゃないか 」
「 俺一人で天候を背負うのは大変なんだよ 」
分かれと睨んだデリットにそんな事を気にせずジャックはけらけらと笑い僅かに白い部分の多くなった月へと視線を上げる
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