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三話 新米航海士

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船乗りの朝は早く特に敵と接近しそのまま縺れ合いになれば朝も昼も夜も関係無く
動けるものは動く事になる

晴れ渡る晴天のした
男達の声と赤い血は流れる

「 さっさと頭を出しやがれ!! 」

『 そう簡単に俺達のキャプテンは出てこな... 』

「 はぁーい、お邪魔ぁ~ 」

「「 !!!?グハッ!!! 」」

ズカズカと重い音と共にやって来た巨漢の男が引きずって持ってきたのはナタ
ウィンドは同じクルーの仲間だと分かり目の前にいた男を蹴り飛ばせば咄嗟に避けたと同時にその250㎝はある細身であり巨漢の男は軽々とナタを片手で振り回し辺りの敵を薙ぎ払った

返り血を浴びながらナタを肩に担ぎ上げにこりと笑った男にウィンドは眉を寄せる

『 全く、危ないだろ? 』

「 喋ってる暇だがあるならぁ~倒すべき、だって、昼御飯の準備するのに邪魔だからねぇ 」 

邪魔だからとさっさと倒そうとするこのゆったりとした口調の男は見た目は250㎝はある身長に似合わず金髪にエメラルドグリーンの瞳に爽やかで甘いフェイスを持ち
真っ白な服を赤く染めながらナタが愛用の27歳前後の青年のクルーだ

『 そう言えば朝から戦ってるから....朝飯抜きだったな 』

「 そうだねぇ~だから終わらせちゃお?航海士さん 」

『 そうだな....コックさん 』

互いに敵へと向き合えば昼飯の事を考えながら突っ込んでいく
もちろんコックと呼ばれた細身でありながら巨漢の男は走ることなく3㍍近いナタを振り回すだけなのだが

昼前にやっと片付いた時に欠伸をしながらデリットは食堂へと脚を向ける 

「 おはよぉ~、キャ~プテン。もう昼だけどねぇ 」

デリットがよく座る席につくなり男は相変わらずの口調でありながら昼御飯を並べていく

コックと言うのは強ち間違いでないほど味は美味だと言われている

「 嗚呼、ティタンなにか今日は収穫あったか? 」

「 う~ん、あ、酒は沢山手にはいったよ。後は人魚の肉とか? 」

『 ブッ!! 』

「 きったなぁ~い、航海士さん 」

ティタン、其が彼の名前でありそのまま巨人の意味を持つ
まだ成長期と言うほどには延びてるらしいがいったいどこまで延びるのやら

あの港から出れば互いに敵同士になる海賊
その為にあの港で買った人魚の肉を積んでる海賊船もあり今回偶々彼等が戦い奪ったものに人魚の肉が含まれていたのだが其を聞いたウィンドは飯を吹き出した

『 いや、人魚って....やっぱり、食うのか.... 』

自分の目の前にある皿へと視線を落とすウィンドにけらりとティタンは笑う

「 流石にいれてないよぉ、そんなぁ~人間みたいな人魚を食べる習慣なんてこのクルーには居ないけど、ほら次の島とかで売れるかも?ってねぇ~ 」

『 嗚呼、でも....すぐ古くなるんじゃ? 』 

「 よく知ってるねぇ?此処では冷凍保存してるから大丈夫だよぉ 」

冷凍保存と言う言葉にウィンドは納得するも納得できない様子に軽く首を捻って大丈夫だと言われた飯へと口を運んでいれば
デリットの前にジャックがやって来た

「 キャプテン、相手が宝の地図を持っていたんだが行ってみようぜ? 」

「 ん?嗚呼....なんの.... 」

まだ眠そうなデリットはゆっくり飯を食いながらジャックから受け取った血の染み付いた宝の地図を開けば中を覗く
暗号のようになっている方位磁石や周りのものに眉を寄せれば指でウィンドを呼ぶ

『 なんでしょう? 』

「 これを見る限り彼奴等は解けなかったようだな。だから御前が解いてみろ。そしたら島に行ってやってもいい 」

『 え、俺が? 』

「 地図を見るいい経験じゃん!ファイト! 」

『 いっ、あ、はい.... 』

バシッと肩を叩くジャックに一瞬痛がるウィンドだが渡された地図を見た後に其を丸める

新米の航海士に全てを任せるものなどデリット程度しかいなく他の者は協力するようにアドバイスをする
とくに、恋敵の様にしていたスクードは聞けば答えるほどだ

「 ....此処。地図が指す、意味。」

『 そうなのか....?よく分かるな 』

「 地図。見慣れてる。.....大半は、嘘。」

宝の地図は大半が嘘の地図だと知ってるスクードの言葉に其でも行ってみてもいい、と告げたデリットに島だけでも見せて上げたいと思った彼は地図のまわりに書かれている小さな絵が何を示すか考える

『 これはきっと月、夜を表すんだと思う。そして魚と人と子供....きっと人魚。とか? 』

「 ...うん。 」

こくこくと頷くスクードにカタコトだがきっと彼なりに喋ってるのだろうとウィンドは理解すれば別に悪くない少年だと気付く

その調子と言われればまた絵の解読を考え頭を悩ませる
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