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二話 売られる人魚
06
しおりを挟む『 .....ルイ 』
ウィンドは香る懐かしい匂いと額に感じる冷たさにうっすらと目を開く
なにやら過去の夢を見ていた気がするとぼんやりとする視線の先には知らない天井と知らない匂いに警戒心が浮かぶも直ぐに声が聞こえてくる
「 目を覚ましたようだな?ったく、使えねぇ新人クルーだ 」
その声はずっと夢の中で聞いていた者と同じで香る懐かしい匂いに意味を理解すれば咄嗟に起き上がり頭を下げる
『 !!倒れてしまい、申し訳御座いません.... 』
「 お、おう....其処まで深々と謝る必要ないが 」
『 あ、えっ....そう、ですか 』
夢の中の名残でつい謝ってしまったことに目の前にしゃかんでいたデリットは何処か困惑してる様子にやってしまったと視線を外す
『 あ....これ、 』
頭は次第にハッキリし、そう言えば気分が悪くて倒れたんだと思うと同時に頭を下げた事で落ちた濡れたタオル
其を拾えばまだ冷たいことに視線をデリットから外した足元へと向ければ桶がある
まさか、ずっと看病しててくれたのかと
期待の眼差しを向ければそうらしいく
ウィンドの口元は柔らかな笑みを描く
『 ありがとうございます 』
キャプテンとして礼を言うかそれとも王子として礼を言うか迷った結果の言葉
彼は船長して敬語も珍しくないために平然と普段のような嫌味を告げる
「 礼を言うなら倒れないことだなぁ? 」
『 っ、素直に受け取ればいいものの..... 』
「 なんか言ったか? 」
『 何でもないです 』
ぼそりと呟いた言葉に傾げるデリットの様子につんっと顔を背けていればふっと思い出す
彼が此処に来たのは女の人を買うつもりじゃないかと思ったウィンドは問い掛ける
『 そう言えば今何時ですか?キャプテン....女か人魚買うのでは? 』
彼の問いにデリットは態とらしく深く溜め息を吐く
「 そのつもりだったが、誰かさんが倒れたお陰で水の泡だ。今は夜....探しに行けば居るだろうが面倒だ 」
なら夕方からずっと付きっきりだったのかと思ったウィンドは何処か嬉しそうに表情筋が緩んでいればギシッとベッドのスプリング音と共にデリットの顔は近付く
『 えーと、それはすみません? 』
なんで近いのだろうかと傾げるウィンドに彼はニヤリと悪笑みを浮かべ目元へと口付けを落とし答えた
「 娼婦の代わりに、抱かれろ。また先に寝やがったら殺すぞ 」
『 っ....! 』
もう自分が抱かれると言う選択肢は消えていた為にウィンドは驚くも其よりも目元に口付けされた事に嬉しくなり涙が溢れそうになったのを堪えながら平常心を保つ
『 ....なら、荒くしないで下さいよ 』
「 それは俺の気分次第だ 」
被さるデリットと共にベットに倒れたウィンドは例え彼が遊びで抱いたとしても満たされそうな自身がいる事に気付くのは早かった
服が汚れない内に互いに服を脱ぎ合えば後はデリットの好きに抱かれるまで
『 っ、あッ....!そこッ! 』
「 ふっ、女みてぇ..... 」
先走りの足らす肉棒を擦りながら舌で胸の乳首を舐め歯で軽く噛みつくデリットに
甘い快楽に声は漏れ腰は反りながら手の甲を口元へと置く
『 はぁ、っ....くっ!! 』
深い息を吐くも絶頂期が迫り自らの腹へと精子を散らすウィンドに彼はコバルトブルーの瞳を細目、そのまま乳首を舐め筒手を後ろの孔に滑らせ中指を埋めていく
今日はゆっくりやってくれるのだと気付いたウィンドは熱い息を吐き中に感じる指を招くように中を締め付ける
『 ハァー、はぁ.... ぁ、はっ.... 』
浅い呼吸を繰り返し甘く溶かされ
中を擦り抜き差し繰り返す指が増えれば息は更に深くそれにて浅くなる
「 すげっ、ぬるぬる.... 」
『 ぁ、はぁー....おれには、わから、ない.... 』
「 分からねぇならそれでいい 」
孔から漏れるのは普通なら女が垂れるもの、けれど人魚の彼の身体は特殊で
白く濁る液は身体が興奮し受け入れる体制が完全に出来れば出てくる
なんせ人魚の雄は、孕むことも孕ませることも可能な身体をしてるからだ
魚の中には、沢山の雌の中に雄がいなければ一際大きな雌が雄になるように
人魚の世界には雌が大半をしめる、その為に貴重な雄はそういった機能を持つ
『 もう、はぁ....大丈夫、と思うから.... 』
両腕を頭の上にあった手摺から離しデリットに向けるウィンドに彼は腰に感じる重みに舌舐めすりすれば、その孔へと肉棒を当て埋めていき片手の指を絡ませ、身体を落とし抱き合う
「 ハァー....今日は自棄にすんなり入るな、中がどろどろ溶けて熱い.... 」
『 わからない、が...貴方に、抱かれるのは.... 』
それ以上の言葉が出ないことにウィンドは口を閉じるも彼は唇を重ねた後に耳元で囁く
「 いいん、だろ? 」
『 ふぁ、ぁあ!いいっ、きもち...いいっ 』
想いの言葉はルイが言えば言えることが出来るそれは今でも健在であることに少なからずウィンドは彼の心に"キース"の存在が残ってる事に気付けば嬉し涙を流しながら
熱く溶けそうな程に心地いいセックスを堪能する
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