鬼上司は部下を甘く激しく愛する

獅月 クロ

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案の定、ヤッた後に寝落ちして…
次に起きた時は月曜日になり、
朝一にシャワーを借りて身体を綺麗にしてから、レディースーツを着ることになった

昨日言ってた言葉がそのまま実行されたことはちょっと悔しい

と言うか、私はシャトルランを持久走大会でもしたのかってぐらいに全身が筋肉痛なんだけど…

「 おはよう… 」

「 はよう。朝飯にパンケーキを焼いた。足りなければグラノーラでも食っていてくれ 」

「( なんでこの人は元気なんだ… )」

男性って女性より疲れるって言うし、ヤッた後はぐったりしてるはずなのに、それが全く無いぐらいに朝御飯作ってるのが驚き

私の心の声が分かったのか、フッと鼻で笑った彼は片付けを終えてダイニングテーブルへと来る

テーブルの上にある綺麗な平皿には、私の方だけパンケーキなのに、6枚ぐらい重なってその横にはバニラアイス、ブルーベリージャム、ストロベリージャム、生クリームが4ヶ所に乗せられ、足りないならとばかりにテーブルにもある

…生クリームはもう少し欲しいかもしれない

「 朝御飯作ってくれてありがとう、いただきます 」

「 嗚呼、いただきます 」

席につき、向き合うように座ればお互いに手を合わせてから食べ始め

ナイフとフォークを持ち、一番上から切り分けて、横にあるバニラアイスを少し乗せて口へと含む

「 ん、美味しい…。このバニラアイス、ブラックペッパー混ざってる?すごいサッパリしてる 」

「 嗚呼、普通のバニラじゃ物足りないからな 」

「 確かにこっちの方がいい 」

ブラックペッパーの辛みはなく、スッとしたミントのような爽やかさがあり、大人のバニラアイスを食べてるような感じがして美味しい

ちょっと贅沢な朝御飯にルンルンで食べては、時折私を見て鼻で笑ってるようなこの人を無視していた

そんなに笑うかな
そりゃ…食べる時は子供っぽいって言われるけど…美味しいものは、美味しいんだよ

「 仕事の時間まで三十分ぐらいかな? 」

「 そうだな 」

食事を終えた後に十五分程度のヨガをして、その後に軽くメイクを終え、それでも時間がある為に随分早く起きたなって思う

「 普段より一時間早く起きると、ちょっとはゆっくり出来るんだね 」

「 …いつも何時に起きてるんだ? 」

「 七時半ぐらいかな。八時四十分に出るし。家から仕事場近いからさ 」

「 ……バタバタするタイプなんだな 」

「 だって、早くから起きると二度寝したくなるからさ。今でも眠くて仕方ないよ 」

口元に手を置き大きく欠伸をしては、軽くやってたストレッチを止める

遼はずっとコーヒーを飲みながらゆっくりソファで寛いで、朝のニュース番組を観てるけど、この人は急ぐのが嫌いなんだなって思う

まぁ、仕事でもそんな様子だから納得だけどね

「 りょーちゃんはいつも何時起き? 」

「 今日も五時半だな 」

「 お年寄りかよ… 」

「 悪かったな。御前より年上なのには違いない 」

朝御飯作り終えてる時点で六時ぐらいかなって思ったけど、それより早いなんて…

流石にちょっと驚きながら、ソファを挟んで背後に行き、両肩に触れてはそのまま腕を前へと滑らせる

「 別にいいけどね…。年齢差は気にしてないし。あ、そうそう…仕事では関係の事は内緒にしてね 」

「 何故だ? 」

此方を一度も見る事の無かった彼は、その言葉に少し顔を向けた為に、整えてる黒髪へと鼻先で触れ、ワックスの匂いを嗅いでは答える

「 だって、マングローブとコブラが付き合ったなんて…他の人からしたらネタになること間違い無しでしょ。熊狼さんも結婚のことは社員には言ってないし、私達も言う必要ないよ 」

社内恋愛が面倒なのは良く知ってるけど、
特に社長と付き合ってるなんて知られたら、どんな経由でそうなったのか問いただされるに決まってる

そんなの面倒だし、嫌だから
関係を黙っていて欲しいと言えば、
この人は顔を前に向け、真顔で答えた

「 無理だな。俺は好きな子が彼女になったのに、それを黙っていられるほど、できた男じゃない 」

「 えー…なんでよ 」

「 いいじゃないか。元々お似合いだと言われてるいるんだ。今更だろ 」

言われてるっていうより、思われてるってことが正解なんだろうなって思うけど…
自信満々に暴露するって言ったこの人にちょっとだけ、期待したのは間違いだったと思う

「 さて、そろそろ行くか 」

「 はーい 」

社内恋愛をしたら別れたときに、なんて言うけどこの人の場合は、別れる気なんて更々無いんだろうね

「 俺達、付き合うことになった。よろしくな 」

「「 えぇぇ!?おめでとうございます!! 」」

「 いや、会社に来た途端に暴露する!!? 」

この人は、隠し事が嫌な様子

まぁ、此処にいる社員というか、
幹部は其々に性格が優しいし、理解力が高いから、悪役ってのが存在しないのがいいよね

寧ろ、その悪役が私の彼氏なんだから…

「 例え、御前の案だとしても駄目に決まってるだろ。もう少し調べてから言え 」

「 そうやってなんでも否定するよね!? 」

「 なんでも、じゃない。許可もする 」

「「( 付き合っても口喧嘩は変わらない… )」」

相変わらず、仕事場では衝突してるけど
家に帰るとガラッと甘くなるんだから、
この人の性格は難有りだと思う

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