29 / 38
29
しおりを挟む明日、仕事大丈夫かなって心配になる位、身体が重いし、腰が痛い
求める分だけ、それ以上に返してくれるのは嬉しいけど、だからってちょっとは加減しないと明日に堪えるね
先にシャワーを浴びて寝てるのか、横で少し髪の毛が湿った彼が寝てるのを見て、ちょっとだけ頭を撫でてから、キチンと纏めて置かれていた服を持ち、風呂へと行く
服を置いてから、シャワーを浴び、備え付けのボディーソープで身体を洗う
「 痕が増えた… 」
キスマークの数が増えた事に、ちょっとだけ嬉しくなれば身体を洗い終え、髪も洗ってから風呂を上がり、服を着直す
洗面器の前でドライヤーで髪を乾かし、櫛で整えれば部屋に戻る
「 そう言えばこれ…なんだろ? 」
テーブルの前に置かれた、丸い大きめの高級感ある松の絵が書かれた容器
なんだろう?と疑問になり、蓋を開ければ驚く
「 ふぁ…お寿司… 」
出前の寿司だった為に、此処に呼んだのだと思うけど…
ラブホに呼ばれる配達係も嫌だと思うんだけど、と言うか…
この容器は返すのだと思うけど、如何するんだろう?一旦、持って帰るとか?有り得そう
「 …食べればいい 」
「 いいの?
「 ん……その為に、注文したからな…… 」
「 ありがと!それじゃ、頂きます 」
六人前はありそうなぐらい、様々なネタがぎっしり詰まった中身に、食べたかったと思い置いてある割り箸の袋を開け、箸を割る
ベッドの上で少し身を動かし、起きるのを悩んでるような彼をよそに、醤油の蓋を開け、ちょっとだけイカにつけてから口へと運ぶ
「 んー、おいひ…! 」
甘いイカとシャリが美味いと思い、頬に片手を当てる
「 あ、ワサビ入ってない…凄く嬉しい 」
「 抜いたからな…。欲しければ、横にある 」
「 ありがと、私…ワサビとかカラシ苦手だから嬉しい 」
敢えて抜いてくれたのが嬉しくて、次にウニへと箸を伸ばして、ちょっと醤油を付けてから口に含む
厚みのあるウニに笑顔が漏れる
「 んー!ウニ美味しい。この店、良い場所のだ 」
「 直接、行こうとして止めた所だからな…ふぁー……あー…くそ、だるっ… 」
「 寝てていいのに 」
「 ……起きる 」
子供みたいに唸っては、ベッドから起き上がった彼は、黒のボクサーブリーフ一枚履いた程度の格好だった為に、くしゃりと髪を掻き大きく欠伸を漏らす
仕事場だと前髪を上げてるから、今みたいに下ろしてると大学生みたいな幼さがある
年齢に合う大人びた雰囲気と色気は持ってるのに、こうやって見ると童顔寄りなんだなって思う
コブラの目を少し隠せばって事かな…
ぼんやりと考えながら、口へと寿司を運んでいれば彼はインナーを着て、ニットハーフネックを着てく彼を軽く見ては、マグロを口に運ぶ
多分、赤いからマグロだと思い食べれば大トロ部分だった為に、笑顔が漏れる
「 ふふっ…美味しい 」
「 飲み物、緑茶ならある 」
「 ありがとー! 」
着替え終えた彼は、手元に緑茶のペットボトルを置き、喉も乾いてたからそれを受け取り、一口飲んでいれば、
左側に座り、私の置いていた割り箸を掴んでから炙りサーモンを選んで口に運ぶ
「 ん…、美味いな 」
「 うん、美味しいよ。回転寿司もいいけど、握り寿司はいいね 」
「 嗚呼 」
値段は考えるのを止めてる
この人が買うんだから、きっと回転寿司なんて足元にも及ばないぐらいだろうって思うから、素直に味だけを楽しむ
私の箸を取られた為に、もう一つの割り箸の袋を開けて、箸を割りそれを自分で使い、寿司を食べる
「 そう言えば…りょーちゃんって何フェチ? 」
「 んー、考えた事無かったな 」
海老を食べてた彼は尾びれを器用に箸でつまんで口から外しては、軽く傾げた
彼は私と同じく左利きだから、右手が空いてる為に、その手を取り自らスカートの中に手を入れ、太腿の間に挟む
「 例えば、太腿フェチとか。脚全体もいるけど 」
挟んだ手を軽く引き、太腿に手の平を滑らせれば、彼は内股を撫でては寿司を食いながら答えた
「 そうだな、確かに御前の太腿は気持ちがいい。ヤッてる最中に何度も思うな 」
「 脚フェチっぽいよね…めっちゃ触るし 」
キスもするって思えば、彼は太腿から手を離しスカート中から手を抜き、今度は背後から腰へと腕を回す
「 脚に限らず、腰…胸、首筋、耳、髪、手。全てが好きだけどな?透羽限定で 」
「 なにそれ… 」
「 強いて言うなら、透羽フェチだと言っておくか。御前の身体はどこも好きだし、気持ちがいい 」
固定のフェチが無い事に残念だと思うけれど、当たり前のように告げてはウニを口に含むのを見て、諦めた
「 なんだ、フェチ無いないのか。私はお尻が好きだよ。人間の生活習慣が出るし、人其々違うし、一番はりょーちゃんみたいな厚みと丸みが完璧なお尻だけどね 」
ふふんっと自慢気に言って、炙りサーモンを取っては口へと運び、美味しさにも口角を緩くする
「 好みなら、なにより 」
「 あ、他にも腰から横腹にかけてとか、腕の筋肉とかも好きだし、髪型も今の方が好きで… 」
「 知ってる 」
「 え? 」
言った事が無いと思ったのに、知ってると告げた彼が、タコを口に入れた後に食べれば、私の飲んでいた緑茶のペットボトルを掴み、一口飲んでは、蓋を閉めて置き、告げる
「 何を思ってるのか、全て分かるんだ。俺の一族は…昔から、希に人の心が読める奴が生まれるから。俺もそれだ、人の心や考えてる事全てが聞こえてくる 」
「 ふぇ……え、ずっと…? 」
「 嗚呼、物心付く頃からな。知りたくなくても分かる。それがずっと嫌で…人間に呆れていたが、御前だけは…心も声も素直で、其れが心地良いんだ 」
人の心がわかる…
ずっと、私の心の声も聞こえていたっていう
彼の言葉に、一瞬頭の中は真っ白になるも、今までの言動を思い出せば、恥ずかしくなる
「 言わせてたじゃん! 」
「 そりゃ口に出して言われる方が好きだからな。多目的トイレで、キスしたいとか…抱き着きたいって思ってた時は…理性が揺らいだ。もちろん、仕事場で鬼やら、悪魔やら思われてるのも知ってるぞ。その後に、良いところが尻しかない!って思ってるのも… 」
ふっと、笑った彼の言葉に今までの言動を謝りたくなった
其れでも、私が良いって言ってくれる事が凄く嬉しいと思う…
何もかも知ってるのに、私がいいんだ…
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
愛しの My Buddy --イケメン准教授に知らぬ間に溺愛されてました--
せせらぎバッタ
恋愛
「俺なんか好きになっちゃいけないけないのになぁ」
大好きな倫理学のイケメン准教授に突撃した女子大生の菜穂。身体中を愛撫され夢見心地になるも、「引き返すなら今だよ。キミの考える普通の恋愛に俺は向かない。キミしだいで、ワンナイトラブに終わる」とすげなくされる。
憧れから恋へ、見守るだけから愛へ、惹かれあう二人の想いはあふれ、どうなる?どうする?
基本、土日更新で全部で12万字くらいになります。
よろしくお願いしますm(__)m
※完結保証
Home, Sweet Home
茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。
亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。
☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる