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明日、仕事大丈夫かなって心配になる位、身体が重いし、腰が痛い
求める分だけ、それ以上に返してくれるのは嬉しいけど、だからってちょっとは加減しないと明日に堪えるね

先にシャワーを浴びて寝てるのか、横で少し髪の毛が湿った彼が寝てるのを見て、ちょっとだけ頭を撫でてから、キチンと纏めて置かれていた服を持ち、風呂へと行く

服を置いてから、シャワーを浴び、備え付けのボディーソープで身体を洗う

「 痕が増えた… 」

キスマークの数が増えた事に、ちょっとだけ嬉しくなれば身体を洗い終え、髪も洗ってから風呂を上がり、服を着直す
洗面器の前でドライヤーで髪を乾かし、櫛で整えれば部屋に戻る

「 そう言えばこれ…なんだろ? 」

テーブルの前に置かれた、丸い大きめの高級感ある松の絵が書かれた容器
なんだろう?と疑問になり、蓋を開ければ驚く

「 ふぁ…お寿司… 」

出前の寿司だった為に、此処に呼んだのだと思うけど…
ラブホに呼ばれる配達係も嫌だと思うんだけど、と言うか…
この容器は返すのだと思うけど、如何するんだろう?一旦、持って帰るとか?有り得そう

「 …食べればいい 」

「 いいの? 

「 ん……その為に、注文したからな…… 」

「 ありがと!それじゃ、頂きます 」

六人前はありそうなぐらい、様々なネタがぎっしり詰まった中身に、食べたかったと思い置いてある割り箸の袋を開け、箸を割る

ベッドの上で少し身を動かし、起きるのを悩んでるような彼をよそに、醤油の蓋を開け、ちょっとだけイカにつけてから口へと運ぶ

「 んー、おいひ…! 」

甘いイカとシャリが美味いと思い、頬に片手を当てる

「 あ、ワサビ入ってない…凄く嬉しい 」

「 抜いたからな…。欲しければ、横にある 」

「 ありがと、私…ワサビとかカラシ苦手だから嬉しい 」

敢えて抜いてくれたのが嬉しくて、次にウニへと箸を伸ばして、ちょっと醤油を付けてから口に含む
厚みのあるウニに笑顔が漏れる

「 んー!ウニ美味しい。この店、良い場所のだ 」

「 直接、行こうとして止めた所だからな…ふぁー……あー…くそ、だるっ… 」

「 寝てていいのに 」

「 ……起きる 」

子供みたいに唸っては、ベッドから起き上がった彼は、黒のボクサーブリーフ一枚履いた程度の格好だった為に、くしゃりと髪を掻き大きく欠伸を漏らす

仕事場だと前髪を上げてるから、今みたいに下ろしてると大学生みたいな幼さがある
年齢に合う大人びた雰囲気と色気は持ってるのに、こうやって見ると童顔寄りなんだなって思う

コブラの目を少し隠せばって事かな…

ぼんやりと考えながら、口へと寿司を運んでいれば彼はインナーを着て、ニットハーフネックを着てく彼を軽く見ては、マグロを口に運ぶ
多分、赤いからマグロだと思い食べれば大トロ部分だった為に、笑顔が漏れる

「 ふふっ…美味しい 」

「 飲み物、緑茶ならある 」

「 ありがとー! 」

着替え終えた彼は、手元に緑茶のペットボトルを置き、喉も乾いてたからそれを受け取り、一口飲んでいれば、
左側に座り、私の置いていた割り箸を掴んでから炙りサーモンを選んで口に運ぶ

「 ん…、美味いな 」

「 うん、美味しいよ。回転寿司もいいけど、握り寿司はいいね 」

「 嗚呼 」

値段は考えるのを止めてる
この人が買うんだから、きっと回転寿司なんて足元にも及ばないぐらいだろうって思うから、素直に味だけを楽しむ

私の箸を取られた為に、もう一つの割り箸の袋を開けて、箸を割りそれを自分で使い、寿司を食べる

「 そう言えば…りょーちゃんって何フェチ? 」

「 んー、考えた事無かったな 」

海老を食べてた彼は尾びれを器用に箸でつまんで口から外しては、軽く傾げた
彼は私と同じく左利きだから、右手が空いてる為に、その手を取り自らスカートの中に手を入れ、太腿の間に挟む

「 例えば、太腿フェチとか。脚全体もいるけど 」

挟んだ手を軽く引き、太腿に手の平を滑らせれば、彼は内股を撫でては寿司を食いながら答えた

「 そうだな、確かに御前の太腿は気持ちがいい。ヤッてる最中に何度も思うな 」

「 脚フェチっぽいよね…めっちゃ触るし 」

キスもするって思えば、彼は太腿から手を離しスカート中から手を抜き、今度は背後から腰へと腕を回す

「 脚に限らず、腰…胸、首筋、耳、髪、手。全てが好きだけどな?透羽限定で 」

「 なにそれ… 」

「 強いて言うなら、透羽フェチだと言っておくか。御前の身体はどこも好きだし、気持ちがいい 」

固定のフェチが無い事に残念だと思うけれど、当たり前のように告げてはウニを口に含むのを見て、諦めた

「 なんだ、フェチ無いないのか。私はお尻が好きだよ。人間の生活習慣が出るし、人其々違うし、一番はりょーちゃんみたいな厚みと丸みが完璧なお尻だけどね 」

ふふんっと自慢気に言って、炙りサーモンを取っては口へと運び、美味しさにも口角を緩くする

「 好みなら、なにより 」

「 あ、他にも腰から横腹にかけてとか、腕の筋肉とかも好きだし、髪型も今の方が好きで… 」

「 知ってる 」

「 え? 」

言った事が無いと思ったのに、知ってると告げた彼が、タコを口に入れた後に食べれば、私の飲んでいた緑茶のペットボトルを掴み、一口飲んでは、蓋を閉めて置き、告げる

「 何を思ってるのか、全て分かるんだ。俺の一族は…昔から、希に人の心が読める奴が生まれるから。俺もそれだ、人の心や考えてる事全てが聞こえてくる 」

「 ふぇ……え、ずっと…? 」

「 嗚呼、物心付く頃からな。知りたくなくても分かる。それがずっと嫌で…人間に呆れていたが、御前だけは…心も声も素直で、其れが心地良いんだ 」

人の心がわかる…
ずっと、私の心の声も聞こえていたっていう
彼の言葉に、一瞬頭の中は真っ白になるも、今までの言動を思い出せば、恥ずかしくなる

「 言わせてたじゃん! 」

「 そりゃ口に出して言われる方が好きだからな。多目的トイレで、キスしたいとか…抱き着きたいって思ってた時は…理性が揺らいだ。もちろん、仕事場で鬼やら、悪魔やら思われてるのも知ってるぞ。その後に、良いところが尻しかない!って思ってるのも… 」

ふっと、笑った彼の言葉に今までの言動を謝りたくなった

其れでも、私が良いって言ってくれる事が凄く嬉しいと思う…

何もかも知ってるのに、私がいいんだ…

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