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しおりを挟むCMを観ながら、ポップコーンを二人で食べてたら、速攻で無くなったんだけど…
まだ映画始まってない状態で、食べ終わった…
いいけど…
「 ん、あ…ウェットティッシュあるよ 」
「 流石 」
「 でしょ 」
指を舐めていたのを見て、小さめのカバンの中からポケットサイズのウェットティッシュを取り出せば、蓋を開け一枚差し出しては、それで拭くのを見て、自分も手を拭く
何気無くゴミを受け取りカバンに突っ込んでは、スクリーンへと視線を向ける
「 夕食さ、居酒屋と回転寿司ならどっちがいい? 」
「 寿司 」
「 んじゃ、映画終わったら寿司行こう 」
「 嗚呼、そうだな 」
いや、だからラブラブ感がない!
いいけど!!
夕凪社長だからね、根本的に無口だし
口喧嘩してなかったら、余り喋ってる印象がない
一緒にいる時の方が無口なんだね…
めちゃくちゃ、右手をいやらしく触ってくるけど…セクハラですよ、社長
゙ 映画を観るときは… ゙
やっと始まったと思い、手の平を指でなぞったり、指を一本ずつ触ってくる手を止めるべくガシッと握る
最初の注意事項が終われば、最初から暗い画面になったから、ゾワッと身震いする
「 やっぱり…ホラーだ… 」
「 苦手か? 」
「 ポップコーン…食べ終わってて良かったね。撒き散らすところだよ 」
「 フッ… 」
鼻で笑われたけど、ホラーは苦手なんだよ!
本当、急に出てきたりグロかったりすると駄目と思い、始まる雰囲気すら怖くてすでに顔を横に向けて目だけをスクリーンにやり、プルプルする
ストーリーは、七歳ぐらいの英国風のかわいい女の子が大切にしてる、これまた可愛い人形が動き始めて、女の子以外の人を殺し始めるって内容みたいだけど…
゙ おままこと…しましょ…? ゙
「 っ…! 」
「 人形役の声…、熊狼の嫁の声だな 」
「 そ、そうたんだ… 」
パチっと急に目が開いた人形に驚いては、握ってる手を強く握っては
熊狼さんに取ってもらったウタ似のぬいぐるみを反対の腕で抱き締める
良かった!ぬいぐるみあって!!此の為なのかな!?
周りに聞こえない程度で、奥さんが声優してるって聞いたけど、随分と声に心が無い感じが上手いですね!
冷血加減がもう、心無い人形って感じで怖いし…てか……
゙ きゃぁぁあっ!!! ゙
「( うあわっ…ぁ…っ… )」
おままごとって事が分かるぐらい、ハサミとかで殺して、腹を切って内臓チョキチョキしてるのがエグいんだけど…!
オエッとなりそうだし、自分のお腹が痛くなりそうで、鳥肌立つ
人形が突然と出て来るのも怖くて、開始二十分ぐらいでずーーと遼の腕に顔を埋めていた
それでも叫び声や、急な音に驚くから
一時間四十分が苦痛だ……
「 やっ、やっと…終わった…。最初から、最後まで人を殺してたし…途中の夫婦のセックスいらないと思うし…其の時に殺すなんて…ゴフッ… 」
「 ちゃんとストーリーは覚えてるんだな 」
手汗やばい位に疲れたと思い、げんなりとしてぬいぐるみの手を其々持って、ぶら下げながら歩く
彼は出入り口でゴミを捨ててくれたけど、その片手には私が飲めないでいた炭酸ジュースがある
怖くて、飲む暇なかったんだよ!
「 そりゃ…熊狼さんに感想伝える為に…てか、飲み物持っててくれてありがと 」
「 なるほどな。嗚呼…別にいいが 」
握ってた手を離して受け取り、やっと落ち着いたところで一口どころか、一気に飲んでからゴミ箱に捨て、手汗のやばい右手をスカート部分で拭く
「 てか、手汗すごいね…ごめん。お手洗い行ってもいいよ。というか…行ってくる 」
「 嗚呼…なら、俺も行っておくか… 」
ちゃんと洗おうと思い、近くの手洗い場に其々に入ってから、私は先に手を洗い鏡を見ては、背後に誰か居そうな雰囲気に怖くなって、即ぬいぐるみを二つ持って待つことにした
「 スマホの電源つけとこう… 」
小さなカバンからスマホを取り出して、電源をつけ直しては、誰からも連絡が来てない事に安堵していれば、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「 お?透羽じゃん!おひさー 」
「 ん?あ……景くん… 」
顔を上げれば、茶髪の元カレが登場した事に、一瞬眉間にシワが寄る
インストラクターをしてるし、ボディービルダーの国内大会で二回ほど優勝してる位、体格はいい
だけど、残念なことに鍛え過ぎて尻の形が悪くなったんだよね…
そこまでやらなくても、なんて言った記憶が凄く最近の気もする…
別れて2年は経つけど…
「 まさか、パートナー待ち? 」
「 まぁ…そんなとこ…かな 」
「 へぇ、御前…彼氏出来たのかよ? 」
フリ方が悪いって自覚してるから、嫌味ったらしい言い方には納得出来る
「 …出来たよ 」
けれど此れで、嘘を言う気もないから素直に言えば、景は鼻で笑った
そのタイミングで、遼が帰ってきたから凄く胃が痛む
「 はっ、どうせ身体目当てだろ?御前は、男の身体しか興味ねぇから、そいつも少し好みとずれるだけで別れるんじゃねぇか? 」
嗚呼…本当、タイミング悪い
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