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しおりを挟む彼が選んだのは、ドエロい黒のショーツの中心部が穴が空いてるやつ
そんな布の意味が無さそうなやつを、誰が選ぶかよ
「 冗談だ 」
「 本気だろ。ちゃんと選んでくれるなら、別のなら着てもいい 」
「 …Fカップか 」
「 Dだし 」
そんなデカくないと否定して、Dカップのブラを選ぶ
通販で買うとサイズが合わなかったり、イメージと違ってたりするから、こうやって見てみるのも新鮮でいい
普段使いにも出来そうな色を選んでいれば、彼は何やら選んでから、持ってきた
「 これ、試着してみろ。Fの65で 」
「 え、入らないって…絶対にスカスカだよ 」
「 いいから 」
白を基調して、黒のレースとリボンがついたちょっと可愛い系のそれを受け取れば、仕方なく店員さんにお願いをして、試着させてもらう事にした
奥に行き、更衣室のカーテンの中へと入り、服を脱いでからブラを付ける
「 えぇ……これってどうなんだろ 」
「 お客様、良ければ確認しましょうか? 」
「 あ、お願いします 」
着けてから、横幅は合うが、胸が合うのかが分からないぐらい微妙だと思い
ちょっと疑問になるも、女性の店員さんは軽くカーテンを開け、私の胸を見れば肩紐へと触れる
「 ちょっと短くしますね 」
「 あ、はい… 」
「 これで、背を曲げて下を向いて、胸の横から中央に寄せるように入れてもらっていいですか? 」
「 こう…? 」
店員さんの前で、入れ直すのは恥ずかしいけど、言われた通りにやれば
鏡を見てから、胸に谷間が出来て鳩胸のようになったことに驚く
「 え、いいかも… 」
「 お客様は、もしかしたら今まで合ってないのを着けてたのかも知れませんね。Fのアンダー75は小さく見えるので… 」
「 ふぁ…なるほど、スタイルは気にしてたけど…ブラのサイズって着け方次第なんだ 」
「 そうですね! 」
ちょっと前より形もいいし、大きく見える?と思い嬉しくなって鏡の前でポーズを決めては…ハッとする
「 えっと…これ…そのまま買うので、着けててもいいですか? 」
「 はい!では、値札をお取りますね。着ていた下着は、紙袋にどうぞ 」
「 ありがとうございます。他にも買いたいので、会計は一緒でお願いします 」
「 畏まりました 」
ブラのサイズが合ってなかったのなら、買い直す必要があると思い、数枚買う気で値札を取ってもらってから、着てきたセーターを着直し、店内へと戻る
「 ほう、よくなったな 」
「 サイズが分かる事に関して何も問わないけど…。ブラ…買い直す必要になったから、何枚か探して欲しい 」
「 そうと思って、決めておいた 」
「 ………… 」
彼は向けてきたカゴには、色んな色と柄をしたブラが結構な量入ってて、一瞬目が点になった
「 買ってやる。買い直す必要になったのは俺のせいだからな 」
「 …そうですね。お言葉に甘えて買ってもらおう 」
別にいいよー、自分で払う!なんて言う気力がないぐらい、金額がやばいって思う程に、
買い物かごに入ってるから買ってもらうことにした
流石に、其れだと寝る時に背中とか痛そうだから、ナイトブラも選び何気無くカゴに入れてから、レジへと行く
「 さっきのブラと、これ…お願いします。支払いは彼が 」
「 はい、ありがとうございます 」
微笑んだ店員さんは、片方が値札のバーコードを打ち込み、もう一人がやってくれば畳み始める
上下セットが二十枚ぐらい入ってて、普通に一万円を超えた辺りから、金額をみるのを止めた
「 お会計 十二万六千七百六十円になります。お支払いは? 」
「 カードで 」
「( いや、可笑しいって…。ブラ、何枚買ったの )」
金額に、隣にいた店員さんも一瞬驚いた顔をしたからね
真面目に、こんなに一度に買う人いないんじゃないかってぐらいだよ
私、初めて…ブラで十万超えるの見たよ…
五千百六十円のブラ、何枚買ってんだ、この人は…
「 では、次回から使えるポイントカードをお作りしますね 」
「 その間、五千円で一枚プレゼントしてる、下着を選んで頂いてよろしいですか? 」
「 あ、はい 」
またブラが増えた…
セットだった為に、好きな種類を選んで良いらしくて
千九百六十円コーナーの場所で、サイズのありそうなのを値段分選んだ
もう、何枚ももらう事にしたなるから普通に色違いとかにしたよ
それが選び終えれば、値札を切って一つの紙袋に入れてもらった為に、厚みのあるスタンプ式のポイントカードも貰う
「 どうぞ 」
「 あ、はい… 」
レジで紙袋は貰えないらしく、遼と共に店内を出れば紙袋を差し出されて受け取り、店員二人が頭を下げた
「「 またのご来店お待ちしております 」」
「 ありがとうございました… 」
うん…そうなるよね、ってぐらいだったから納得してお辞儀を終えれば、彼は何気無く右手を取り恋人繋ぎをする
「 下着、ありがとうね?大きな買い物…させてしまった 」
「 別に構わない、俺が選んだもので…何を着てるか、脱がすのが楽しみになったからな 」
「 ……ヨカッタデスネ 」
この人にほとんど選ばせたのが間違いだったかも…
帰って、何があるのかちゃんと確認しないと穴開きとかあったら、封印しよう
でも、沢山買って貰ったのは嬉しいと思う
黒いカードで支払われた時は、社長って立場を羨ましく思ったけど
「 ゲームセンター行こ? 」
「 それ、一旦車に置かなくていいのか? 」
「 半分まで来たのに、戻るの面倒くさいからいいよー。いこいこ 」
「 嗚呼 」
ちょっと、デートっぽくなって来たんじゃないかな?
上映時間まで残りニ時間三十分
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