22 / 38
22
しおりを挟む彼が選んだのは、ドエロい黒のショーツの中心部が穴が空いてるやつ
そんな布の意味が無さそうなやつを、誰が選ぶかよ
「 冗談だ 」
「 本気だろ。ちゃんと選んでくれるなら、別のなら着てもいい 」
「 …Fカップか 」
「 Dだし 」
そんなデカくないと否定して、Dカップのブラを選ぶ
通販で買うとサイズが合わなかったり、イメージと違ってたりするから、こうやって見てみるのも新鮮でいい
普段使いにも出来そうな色を選んでいれば、彼は何やら選んでから、持ってきた
「 これ、試着してみろ。Fの65で 」
「 え、入らないって…絶対にスカスカだよ 」
「 いいから 」
白を基調して、黒のレースとリボンがついたちょっと可愛い系のそれを受け取れば、仕方なく店員さんにお願いをして、試着させてもらう事にした
奥に行き、更衣室のカーテンの中へと入り、服を脱いでからブラを付ける
「 えぇ……これってどうなんだろ 」
「 お客様、良ければ確認しましょうか? 」
「 あ、お願いします 」
着けてから、横幅は合うが、胸が合うのかが分からないぐらい微妙だと思い
ちょっと疑問になるも、女性の店員さんは軽くカーテンを開け、私の胸を見れば肩紐へと触れる
「 ちょっと短くしますね 」
「 あ、はい… 」
「 これで、背を曲げて下を向いて、胸の横から中央に寄せるように入れてもらっていいですか? 」
「 こう…? 」
店員さんの前で、入れ直すのは恥ずかしいけど、言われた通りにやれば
鏡を見てから、胸に谷間が出来て鳩胸のようになったことに驚く
「 え、いいかも… 」
「 お客様は、もしかしたら今まで合ってないのを着けてたのかも知れませんね。Fのアンダー75は小さく見えるので… 」
「 ふぁ…なるほど、スタイルは気にしてたけど…ブラのサイズって着け方次第なんだ 」
「 そうですね! 」
ちょっと前より形もいいし、大きく見える?と思い嬉しくなって鏡の前でポーズを決めては…ハッとする
「 えっと…これ…そのまま買うので、着けててもいいですか? 」
「 はい!では、値札をお取りますね。着ていた下着は、紙袋にどうぞ 」
「 ありがとうございます。他にも買いたいので、会計は一緒でお願いします 」
「 畏まりました 」
ブラのサイズが合ってなかったのなら、買い直す必要があると思い、数枚買う気で値札を取ってもらってから、着てきたセーターを着直し、店内へと戻る
「 ほう、よくなったな 」
「 サイズが分かる事に関して何も問わないけど…。ブラ…買い直す必要になったから、何枚か探して欲しい 」
「 そうと思って、決めておいた 」
「 ………… 」
彼は向けてきたカゴには、色んな色と柄をしたブラが結構な量入ってて、一瞬目が点になった
「 買ってやる。買い直す必要になったのは俺のせいだからな 」
「 …そうですね。お言葉に甘えて買ってもらおう 」
別にいいよー、自分で払う!なんて言う気力がないぐらい、金額がやばいって思う程に、
買い物かごに入ってるから買ってもらうことにした
流石に、其れだと寝る時に背中とか痛そうだから、ナイトブラも選び何気無くカゴに入れてから、レジへと行く
「 さっきのブラと、これ…お願いします。支払いは彼が 」
「 はい、ありがとうございます 」
微笑んだ店員さんは、片方が値札のバーコードを打ち込み、もう一人がやってくれば畳み始める
上下セットが二十枚ぐらい入ってて、普通に一万円を超えた辺りから、金額をみるのを止めた
「 お会計 十二万六千七百六十円になります。お支払いは? 」
「 カードで 」
「( いや、可笑しいって…。ブラ、何枚買ったの )」
金額に、隣にいた店員さんも一瞬驚いた顔をしたからね
真面目に、こんなに一度に買う人いないんじゃないかってぐらいだよ
私、初めて…ブラで十万超えるの見たよ…
五千百六十円のブラ、何枚買ってんだ、この人は…
「 では、次回から使えるポイントカードをお作りしますね 」
「 その間、五千円で一枚プレゼントしてる、下着を選んで頂いてよろしいですか? 」
「 あ、はい 」
またブラが増えた…
セットだった為に、好きな種類を選んで良いらしくて
千九百六十円コーナーの場所で、サイズのありそうなのを値段分選んだ
もう、何枚ももらう事にしたなるから普通に色違いとかにしたよ
それが選び終えれば、値札を切って一つの紙袋に入れてもらった為に、厚みのあるスタンプ式のポイントカードも貰う
「 どうぞ 」
「 あ、はい… 」
レジで紙袋は貰えないらしく、遼と共に店内を出れば紙袋を差し出されて受け取り、店員二人が頭を下げた
「「 またのご来店お待ちしております 」」
「 ありがとうございました… 」
うん…そうなるよね、ってぐらいだったから納得してお辞儀を終えれば、彼は何気無く右手を取り恋人繋ぎをする
「 下着、ありがとうね?大きな買い物…させてしまった 」
「 別に構わない、俺が選んだもので…何を着てるか、脱がすのが楽しみになったからな 」
「 ……ヨカッタデスネ 」
この人にほとんど選ばせたのが間違いだったかも…
帰って、何があるのかちゃんと確認しないと穴開きとかあったら、封印しよう
でも、沢山買って貰ったのは嬉しいと思う
黒いカードで支払われた時は、社長って立場を羨ましく思ったけど
「 ゲームセンター行こ? 」
「 それ、一旦車に置かなくていいのか? 」
「 半分まで来たのに、戻るの面倒くさいからいいよー。いこいこ 」
「 嗚呼 」
ちょっと、デートっぽくなって来たんじゃないかな?
上映時間まで残りニ時間三十分
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説


甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
警察官は今日も宴会ではっちゃける
饕餮
恋愛
居酒屋に勤める私に降りかかった災難。普段はとても真面目なのに、酔うと変態になる警察官に絡まれることだった。
そんな彼に告白されて――。
居酒屋の店員と捜査一課の警察官の、とある日常を切り取った恋になるかも知れない(?)お話。
★下品な言葉が出てきます。苦手な方はご注意ください。
★この物語はフィクションです。実在の団体及び登場人物とは一切関係ありません。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる