鬼上司は部下を甘く激しく愛する

獅月 クロ

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「 ん…… 」

私の部屋…こんな眩しかったけ?
そう思う程に光が顔に当たって、隠したくて布団を引っ張れば、年中使ってる炬燵布団では無いことに気付く
あのモコモコでふわふわな布団じゃなくて
冷たいシーツのような布団だと思い、ハッと目を覚まして上半身を起き上がらせる

「 うっ…… 」 

グラッとした脳と共に込み上げるような吐き気に、裸ってことを認識して近くにあったカッターシャツを掴み腕を通してから、寝室を出て、トイレを探す

廊下に出れば、トイレっぽい扉があった為に入ればちょっと広めで、ホテルっぽい洒落た洗面器がセットの洋式へと駆け込み、便器に手を当て嘔吐つく

「 おぇぇぇ……… 」

吐いたもの全てが、アルコールの匂いして、喉が気持ち悪くて更に吐き気が促され、二回に渡って嘔吐つく

「 …呑み過ぎだろ。つーか、人の家の便器にそんな顔突っ込むな 」

なんか聞き慣れたような声がしたけれど、
気にせず三回目のリバースしていれば、男は呆れたように溜息を吐き、此方へと近付き背中を擦る

「 そんな…促されたら…おぇっ… 」

「 わざとだ。吐けるだけ吐け。つーか、このシャツ、俺のだろ 」

そんなの知らないとばかりに、何度か吐いて
胃に溜まってた酒が全て出たような位に吐き終えれば、力尽きたように便器へと頬を当てる

「 おい、馬鹿!便器に顔付けて寝るな!起きろ! 」

「 むり…… 」

そんな声を上げないで、頭に響いて痛いし、眠い
肩を揺すられてぐわんぐわんする頭をなんとか意識を持とうと、顔を上げ立ち上がって便器を離れれば、
便器は自動で水を流し、私はなんとか自力で洗面器の前に立ち、手を翳すだけで自動に出る水を、手の平に溜め口を濯ぐ

「 彼奴が、相当呑んでると言ってたが…。悪酔いし過ぎだろ…。少しは控えろ 」

「 ペッ……。いや、余りにも鬼の形相をしてる、上司が毒舌なので…呑んでないと…気が済まなくて… 」

水を吐き出して、顔も軽く洗えば少しスッキリした為にタオルを探せば、差し出されたそれで拭き、ふっと息を吐いて顔を上げれば、
ガラス越しに額に青筋を立て、腕を組んでる鬼上司が居たことに焦って振り向く

「 っ!?」

「 ほぅ?俺はそんなに、鬼の形相をしてるか?どちらかと言えば社員には優しいくしてる…つもりなんだがなぁ?? 」

「 ……なんで、ホテルにいるんですか? 」

「 俺の家だ 」

「 ………へ 」

理解をして叫び掛ける数秒前
社長は、その場から離れて両手で耳を塞いでいた

「 どういうことぉぉぉおお!!!? 」

「( 覚えてねぇな… )」

反響しやすい場所で、声は山彦のように聞こえ
パニックになった頭で状況を整理しようにも、最初の店で五杯のビールを呑んだ記憶までしかない!
そしてパッと自分の服を見れば前は全開きのノーパン、ノーブラでデカいカッターシャツ着てるじゃないか

「 誰のシャツよ!? 」

「 俺のだ… 」

「 てか、なんで裸なの!?ブラとパンツどこ!? 」

「 洗濯中だ 」

急いで前の釦を締めて辺りを見渡せば、此処はトイレだった為に、廊下に出ようとすれば重みのある腰と、意識した瞬間に耐えなくなった脚によって崩れ落ち、ゾンビのように床を這いつくばる

「 こ、腰が…… 」

「 吐くのに気を取られて、自覚が遅かったんだな 」

目の前にしゃがみ込んだ社長へと、震える手を向ければ、彼は呆れたように溜息を吐きその手を引いて、立ち上がればそのまま重力気にもせず横抱きにした

「 っ!? 」

「 風呂に入れ。歯磨きをしろ。風呂までは連れてってやる 」

力強さというか、重くない!?と焦った時には既に彼は顔色一つ変えずに歩いていた

待って、どういうこと?
此処は社長の家で、酔ってゲロって、全裸?で腰が立たない?

「 あの…社長…私達って、その…… 」

「 ヤッたぞ。其れもかなり 」

「 !!? 」

風呂場に着けば、彼は服を脱がすことなくそのまま湯船へと落とした為に、尻を打ち付けた

「 いっ、っ~!!ぶっ!! 」

其れに痛がる余裕も無くシャワーの湯が頭から掛かり、驚いて呼吸をしようとすれば、社長の手は伸び前髪を掻き上げては顎と共に頬を掴む

「 内股に正の字でも書いてやりたいぐらいに、御前は何度もイッてたぞ? 」

「 っ……! 」

「 分かったなら、さっさと風呂に入れ。後、シャツ返せ 」

言い方が最低過ぎる…
そりゃ酔ってたから、私が何かしでかさない限り、社員に手を出すとは思えないけど…

「( だからって、シャツ取り上げる?裸…ガン見したじゃん…! )」

シャツの釦外され、早々に脱がしてからこの場を立ち去った彼に、腹立つというか虚しくなる
そりゃ、彼は覚えてるかも知れないから…
この身体に魅力が無くて、興味が無いのかも知れないけど…

こっちはまだ二十四歳だよ…
少しは気にするって……

「 私…そんな、魅力ないかな… 」

人の尻に文句言うなら、私自身も文句言われないようにって頑張ってプロポーションは維持してきたのに…
何も思われてないのが、悔しい

泣きそうな感覚をグッと堪えた後に、身体へと視線落とせば、カァッと頬は熱くなる

「( いやいやいや…キスマーク付けすぎでしょ!? )」

内股を始めとしてお腹や胸元まで沢山のキスマークがあるし、きっと鏡で見たら恥ずかしぐらい残ってるんだなって思うと、
あの人が単に、抱いたのではないと自覚して色々思考がぐちゃぐちゃになる

上司とヤッたのもあれだけど、この痕は相当可愛がられたんじゃない??って思うと恥ずかしい

「( 夕凪社長…ホント意味分かんない!! )」

顔色と言動が変わらないと思い、さっさと風呂から上がることにした

後、高級だし量が入ってたから、嫌味のようにシャンプーやらボディーソープ使いまくった

そして、めちゃくちゃスッキリしたし、
いい匂いがする!

このボディーソープ、どこのメーカーですか!?

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