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しおりを挟む空になったビールジョッキ大を置き、思いっ切り半泣きでテーブルに顔を伏せれば、同僚は頭を撫でてくる
「 透羽は良くやってるわ。あんな目だけで熊でも殺せそうな人に、丸腰で挑むのだから私では無理ね 」
「 丸腰でごめんね…!!うぅぅ… 」
調べ上げていたけど、其れでも彼の方がもっと細かく知ってた事が敗北の理由だろうと思い、届いた新しいビールジョッキの大を持ち、愚図りながら呑む
「 確かに、特に今日は機嫌悪かったからなー。立案した会社が二ヶ月連続赤字で、社長自らが謝ったらしいし 」
「 待って…其れって私が、無理言って案を通した…金融企業のやつ? 」
「 ……そう、だな… 」
「 あぁぁあ……謝りそこねたぁぁ… 」
グラフ、間違ってたけどそんな大きな間違いじゃなかった
赤字計算が僅かにコンマがズレてたせいで、グラスも少し下がってるように見えたけど、あれって三ヶ月前に金融企業の売上表じゃん!!
謝りに行かせてしまったのに、それすら分からずに口を挟んでしまったら、そりゃ機嫌悪いよね…納得だわ
「 まぁまぁ、了承したのは夕凪社長だし。気にすることはないよ? 」
「 でも…夕凪社長があんなに深く頭下げてるのは初めて見たかもなぁ。俺、一緒に同席してたんだけど…゙ 此方の判断ミスです。如何か私一人の責任で… ゙とか言ってたの、ちょっと格好良かった。透羽さんに向かないよう、責任を全部一人で背負ったもんなぁ… 」
昼前に、会社にいなかったのは知っている
何処にいるんでしょう?って聞いても、他社に向かってるって聞いたから深くは考えなかった
あの人が、私達がいるオフィスの机に座ってることすら稀だから、纏めた書類は後からでいいやって思ってたけど…
頭を下げる程の失態をした、私へのカバーに言ってたとは…
てか、それなら普通ば 着いて来い。御前が頭を下げろ ゙とか言わない?
あの人が頭下げるなら、私は土下座ぐらいするけどね…
「 夕凪社長、見た目は怖いけど男気はあるからねぇ…。特に透羽は気に掛けてると思うよ? 」
「 なわけ!!あーなに、目が吊り上がって鬼の形相してるんだよ!?良い所なんてがっしりとした腰から尻にかけてだよ! 」
同僚の言葉に呑んでたビールジョッキを置き、空になったそれから手を離し両手で凹凸を表現する
「 え? 」
完全に引いてる先輩だけど、いいんだ!
だって先輩の尻は凹みタイプだから私の眼中にはない!
「 スーツを履いてるのにお尻の部分だけが突っ張って、丸みを帯びたお尻!その下から影が出来る程に太くがっしりとした脚があって、厚みのある腰から上は逆三角体型。
前に暑いのか脱いでる時に見たけど、サスペンダー着けてたんだよ!背中エロくない!?あの完璧な尻を見てるだけでご飯三杯は食えるね!ビールおかわり!! 」
後ろ側にお尻が突き出たタイプの中でも珍しい位に腰から尻にかけてのS字カーブ、尻の下から太腿にかけての窪み、股擦れをしない程度の脚の隙間
そして横から見た時の大きさと丸み、全てが今まで色んな尻を見てた中でトップクラスの最高な尻をしてる
「 尻…フェチって…やつ? 」
「 あの尻を揉んで、叩いて、噛み付きたい! 」
「 それは透羽は特にね…。前にいた彼氏がちょっと尻が弛んだだけで別れてるんだよ?お尻を維持するのも大変なのに… 」
「 だから私も、毎日ヒップアップのヨガをしたり、軽くウォーキングとジョギング組み合わせてる!見てこの、お尻!! 」
「 いいから、ここで立つのやめなさい 」
立ち上がろうとしたらくらっとした為に同僚に促されるままに座り、店員さんが持ってきてくれた五杯目のビールジョッキを受け取って呑む
「 嗚呼、確かに…透羽さん、スタイルいいもんなぁ。其れって理想の人?尻?と付き合うために? 」
「 うん…。亡きお母さんに…゙美人じゃないと、イケメンは掴まえられない ゙言われたから、顔面偏差値は置いといて、お尻だけは綺麗であろうと… 」
「 大丈夫、透羽。貴女は十分に綺麗だし、スタイルもいいから( 胸も羨ましいぐらいに… )」
父さんとは私が小学生の頃に離婚して、そこから母さんは一人で育ててくれて
美人だったしキャリアウーマンらしく、仕事もバリバリにできて育児も両立できるぐらいの人だった
まぁ、そのせいで…私が高校生の時に過労死したんだけどね
身内いないし、仕方無く学校の寮で暮らして、卒業して
そのまま今の会社が持ってる社員マンションに暮らして、勤めてるけど…
なんやかんやで二十四歳になってるからな…
「 え、じゃ…俺は?顔には自信あるんだけど 」
「 引っ込み尻は論外でぇす 」
「 グハッ……!( ジム行こ… )」
ぼんやりとして、尻の事ばかり考えて
何に悩んだか分からないまま、店を出た
「 じゃ、俺はこれで。透羽さん、大丈夫かな? 」
「 さー!次の店に行こー!! 」
「 大丈夫そうかな?じゃ、また月曜日、お疲れ 」
「 お疲れ様でした 」
同僚の手を引いて次の店に行こうって張り切って、そのまま三件ぐらいハシゴをした
明日は休みだし、
いやーな社長と顔合わすことも無くていいから、気分がいい
「 お尻~お尻、美尻~あ、発見! 」
「 あ? 」
「 へへっ…いい、ですね 」
「( 透羽……!!! )」
目に付いた好みの尻へとタッチするついでに、腰へと腕を回して抱きつく
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